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初犯と余罪
初犯と余罪
初犯と余罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
奈良県奈良市に住んでいる会社員のAは、ある日の会社帰りに、電車内で痴漢事件を起こしてしまいました。
自宅の最寄り駅に駆け付けた奈良県奈良警察署の警察官に連行されたAでしたが、逮捕されず取調べを受けました。
実は、Aは今回の痴漢が初めてではなく、数カ月前に別の女性に対して痴漢行為をしており、取調べの中でそのことについても自白していました。
その後、Aは家族を身元引受人として釈放されましたが、初めて被疑者として取り調べられるという状況になったAは、自身がどうなってしまうのかと不安になり、インターネットで痴漢事件の手続きを調べてみました。
すると、「初犯であれば」や「余罪がある場合は」などという文章が並んでいたのですが、具体的にどうなるか知るため、刑事事件に強い弁護士の初回無料法律相談を利用してみることにしました。
(この事例はフィクションです。)
今回の事例のAは、警察の捜査を受けるのは初めてですが、数か月前に別の被害者に対して痴漢事件を起こしています。
この場合、「初犯」といえるのでしょうか。
初犯
「初犯」という言葉は、文字通り受け取れば、「初めて犯罪をした」ということであり、実際にそういった意味で使われることも多いです。
しかし、今回の事例のAは、痴漢行為を数か月前にも行っていますので、厳密にいえば痴漢行為は初めてではありません。
ただ、刑事事件において「初犯」と使われる際には、「今までに前科・前歴がない」という意味で使われることが多いです。
そのため、今回のAも「初犯」であると考えられます。
なお、前科・前歴があったとしても、犯罪の種類が違う場合には、その犯罪については「初犯」であると表現されることもあります。
数か月前にも痴漢行為をしてしまっているAは再犯ではなく、「余罪」と表現されます。
余罪
「余罪」とは、本件以外にしてしまった犯罪のことを言います。
今回のAで考えてみると、発覚した痴漢事件が「本件」となり、数か月前に起こしている痴漢事件が「余罪」となります。
痴漢事件に限らず、刑事事件では本件以外の余罪についても捜査が及ぶことも多いです。
余罪が刑事事件として立件され、複数の刑事事件の被疑者となることもあります。
その場合、複数の犯罪をしているということですから、1つの刑事事件を起こしてしまった時よりもより重い処分が見込まれることとなります。
また、余罪が正式に立件されなかったとしても、「余罪がある」ということは分かっている状態であれば、悪質性が高いと判断され、余罪がない状態と比べて重く処分されることも考えられます。
初犯ではない、余罪があるという場合には、最終的な処分が重くなってしまうことが予想されます。
しかし、だからといって不起訴処分の可能性がないということではありません。
今回の事例のような痴漢事件においては、被害者との示談交渉をしていくことで、不起訴処分の獲得も考えられますので、刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う弁護士の事務所です。
初回無料法律相談や逮捕されている方への初回接見も行っておりますので、「刑事事件について不安だ」「痴漢事件について分からないことがある」とお悩みの方にお気軽にご利用いただけます。
特に今回の事例のように痴漢事件で余罪があり、複数件の示談交渉が必要だという場合には、示談交渉の経験豊富な刑事事件に強い弁護士を選任するようにしましょう。
フリーダイヤル0120-631-881でいつでも予約を受け付けておりますので、まずは遠慮なくお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
当事務所では、刑事事件・少年事件に関する相談は全て無料です。無料相談のご予約は365日24時間お電話にて受け付けています。奈良県の刑事事件・少年事件で少しでもお困りの方は、いつでもご相談ください。
МDМA事件で一部執行猶予
МDМA事件で一部執行猶予
МDМAと呼ばれる麻薬を所持していた場合に問題となる罪と、一部執行猶予制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県橿原市在住のAは、橿原市内の会社に勤める会社員です。
Aは10年前に、覚醒剤取締法違反で執行猶予付き有罪判決を受けた前科があります。
しかし、判決の数年後からМDМAと呼ばれる麻薬を使用するようになりました。
ある日、Aが橿原市内を歩いていたところ、パトロール中の警ら隊から職務質問を受け、МDМAを所持していたことが発覚しました。
橿原市内にある橿原警察署に連行されたAに対し、警察官は、鑑定結果を踏まえてまた連絡すると伝えました。
Aは、前科との兼ね合いから執行猶予は難しいのか、一部執行猶予ではどうか、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【МDМAとは?】
МDМAとは、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンの略称です。
日本では、エクスタシー、バツ、タマなどとも呼ばれているМDМAは、一見すると可愛く思えるような形状をしたカラフルな錠剤である場合も多いです。
摂取後少ししてから、気分の高揚が数時間みられるそうです。
しかし、厚生労働省のホームページによると、МDМAを使用・濫用した場合の症状として
錯乱・憂鬱・睡眠障害
高血圧、心臓の機能不全
悪性の高体温による筋肉の著しい障害
腎臓と心臓血管の損傷
脳卒中、けいれん
記憶障害
などが見られるようです。
このように、МDМAは濫用者の心身に悪影響を与えるのみならず、幻覚等の症状によって自傷他害(暴れまわる等して自分や他人を傷つける行為)の恐れがある極めて危険な薬物です。
また、МDМAを購入する費用が反社会的勢力の資金源になっている可能性があります。
МDМAは、麻薬及び向精神薬取締法の定める「麻薬」(麻薬及び向精神薬取締法2条1号)にあたる、いわゆる合成麻薬です。
同法では、МDМAを含む麻薬等の薬物について、免許を持たない者の輸入、輸出、製造、所持、譲渡、譲受、医療目的以外の使用、栽培を禁じています。
ケースについて見てみると、МDМAを医療目的以外で使用しているため、麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
また、МDМAを使用するために所持している場合にも麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
なお、МDМAの使用やМDМAの自己使用目的での所持の法定刑は7年以下の懲役です。
【一部執行猶予制度とは?】
刑法には以前から刑罰の全部執行猶予の規定はありましたが、一部執行猶予と呼ばれる制度は平成28年6月1日施行の改正刑法で新設されたものです。
たとえば裁判官が主文を言い渡しで「懲役2年の刑に処する。その刑の一部である懲役6月の執行を2年間、保護観察付きの猶予とする。」などと示した場合、裁判から1年6月の間刑事収容施設(刑務所)に服役したのち、本来は更に服役する必要がある6ヶ月間については2年間猶予され、その間は保護観察官と保護司の指導を受けるということになります。
ただし、猶予期間中である出所後2年の間に刑事事件を起こしてしまった場合には、執行猶予は取り消されることになります。
この制度は、施設内処遇と社会内処遇との連携による、再犯防止と改善更生のために新設されました。
施設内処遇というのは刑事収容施設で更生をはかることであり、社会処遇というのは一般社会に出た後での生活を通じての更生を意味します。
薬物事件の場合、ただ刑事収容施設に身柄拘束して反省を促せばよいというわけではなく、専門家による依存症治療などが必要不可欠です。
そのため、施設内処遇に偏重するのではなく、社会内で治療を受けると同時に薬物なしに生活する訓練が必要不可欠です。
その点で、一部執行猶予は有効であると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件などの刑事事件を専門とする弁護士事務所です。
奈良県橿原市にて、職務質問でМDМAの所持が発覚してしまった、一部執行猶予判決について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

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奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
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児童ポルノが問題となる罪
児童ポルノが問題となる罪
いわゆる児童ポルノが問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県桜井市在住のXは、成人したAと一緒に同居しています。
ある日、Xの自宅に桜井市を管轄する桜井警察署の警察官が来て、「捜索差押許可状」という書類を提示した上で「Aさんによる児童ポルノ禁止法違反の件で来ました」と言い、XがAが不在であることを説明したところ代わりにXが立会人になって、家宅捜索が行われました。
Xは、児童ポルノが問題となる罪とはどのようなものか、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に無料相談をしました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【児童ポルノとは】
児童ポルノという言葉は既に多くの方がご存知かもしれませんが、改めて法律を確認します。
まず、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、児童買春・児童ポルノ禁止法)によると、「児童」の定義は同法2条1項で「十八歳に満たない者」と定められています。
そして、児童ポルノとは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物(要するに、写真などの紙媒体だけでなく電子データも含まれるということです。)であって、
①児童を相手とする性交又は性交類似行為を撮影したもの
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為を撮影したもので、性欲を興奮させるか刺激するもの
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿を撮影したもので、児童の性的な部分が露出又は強調されていて、性欲を興奮させるか刺激するもの、
のいずれかを満たす場合と定められています。
性欲を興奮させるか刺激するものに限定されているため、例えば医師が患部の状況確認のために児童ポルノに該当する写真を撮った場合には、児童ポルノ製造や所持といった罪には当たらないと考えられます。
【児童ポルノに関して問題となる行為】
児童ポルノが問題となる行為と法定刑は下記のとおりです。
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した⇒一年以下の懲役又は百万円以下の罰金
・児童ポルノを提供した⇒三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金
・提供する目的で児童ポルノを製造・所持・運搬・輸入・輸出した⇒三年以下の懲役又は三百円以下の罰金
・児童ポルノを不特定・多数の者に提供した、あるいは公然と陳列した⇒五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金
・児童ポルノを不特定・多数の者に提供、あるいは公然と陳列する目的で児童ポルノを製造・所持・運搬・輸入・輸出した⇒五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金
【ケースについて】
ケースの場合、ご家族が児童ポルノ関連の罪に違反したという嫌疑をかけられたことで、桜井市を管轄する桜井警察署の警察官が自宅に家宅捜索のために来ています。
このように、自分には心当たりがないものの、家人が起こした事件で突然警察官が来て家宅捜索を行うというケースは珍しくありません。
児童ポルノ事案の場合、別の事件で押収されたスマートフォンから児童ポルノ画像が発覚した、などの事例もありますが、例えば未成年者に児童ポルノ画像・動画を送信させた、あるいは違法サイトなどで児童ポルノ画像・動画をダウンロードしたことで、IPアドレスなどをもとに捜査を行い、家宅捜索に至るという事案も少なくありません。
警察官が家宅捜索時に提示する「捜索差押許可状」には児童買春・児童ポルノ禁止法違反としか書かれていないため、具体的にどのような嫌疑をかけられているのかについては、警察官が説明しない限り分かりません。
警察官は、捜査に支障を来す恐れがあるとして、説明しないという場合が考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、児童ポルノが問題となる事件について、数多くの経験がございます。
ご家族が児童ポルノに関する事件を起こしてしまい逮捕された、あるいは自宅の家宅捜索が行われたという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
当事務所では、刑事事件・少年事件に関する相談は全て無料です。無料相談のご予約は365日24時間お電話にて受け付けています。奈良県の刑事事件・少年事件で少しでもお困りの方は、いつでもご相談ください。
傷害致死事件で執行猶予
傷害致死事件で執行猶予
傷害致死という罪と執行猶予判決について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県天理市在住のAは、天理市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは天理市内の路上を歩いていたところ、路上でタバコを吸っていた見知らぬ2人に因縁を付けられ、絡まれました。
Aは当時酒を飲んでいたこともあり、我慢ができずに2人に対し、凶器を用いずに殴る・蹴るの暴行を加えました。
2人のうち1人が倒れて動かなくなったことから、Aは消防局に通報をしました。
動かなくなった1人は、救急隊員により搬送されましたが、死亡が確認されました。
その後臨場した天理市を管轄する天理警察署の警察官は、Aを傷害致死罪で逮捕されました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【傷害致死罪とは?】
他人に対して暴行を加えることで、結果として被害者が死亡してしまったという場合、殺人罪と傷害致死罪の成立が検討されます。
殺人罪は、人を殺した場合に成立する罪で、殺意を要件としています。
一方で傷害致死罪は、相手を怪我させたことで結果として被害者が死亡してしまったという場合に成立します。
どちらも相手が亡くなってしまう、という点では同じですが、殺人罪の法定刑は「死刑又は無期若しくは五年以上の懲役」であり(刑法199条)、傷害致死罪は「三年以上(二十年以下)の有期懲役」ですので(刑法205条)、どちらの罪にあたるのかという点は極めて重要な要素です。
殺意を立証するためにはは、被疑者自身の取調べでの供述と、客観的な状況の両方が重要になります。
客観的な状況は、例えば以前からトラブルが起きていた、凶器などを準備していた、その凶器を使用した、といった点や、殴る蹴るの暴行の回数・程度が挙げられます。
ケースの場合、道端で絡んできた見知らぬ2人に対し、凶器を使わずに殴る蹴るの暴行を加えたという事案ですので、客観的に見ると殺意を立証することは難しいかと思われます。
【執行猶予判決について】
正式裁判になった場合、裁判官は最終的に有罪か無罪かの判断をした上で、被告人を有罪であると認めた場合には死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・拘留・科料及びそれに付随する没取という判決を言い渡します。
このうち罰金刑・科料を財産刑、懲役刑・禁錮刑・拘留については自由刑と呼びます。
自由刑を言い渡された場合には刑事収容施設などに収容され、一定期間自由を失われることになります。
基本的に、判決を言い渡された場合にはその刑に服することになりますが、併せて執行猶予の判決が言い渡された場合にはすぐにその刑に服する必要が無くなります。
執行猶予は、刑法の第四章で各々定められていますが、簡単に申し上げると、3年以下の懲役・3年以下の禁錮・(五十万円以下)の罰金に処された者については、1年から5年の範囲で執行猶予を言い渡すことができます。
但し、執行猶予を言い渡されるためには被告人の情状の問題や前科の問題などが生じ、とりわけ前者については刑事弁護の経験が活きてくるということもございます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、比較的軽微な犯罪はもちろんのこと、事件や事故の結果、被害者が亡くなってしまったという重大事件についても取り扱っています。
起こした結果が重大であればあるほど、自由刑に処される可能性がたかくなりますので、執行猶予判決を受けられるかどうかは重要な関心事の一つではないでしょうか。
奈良県天理市にて、御家族が傷害致死罪などで逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
まずは弁護士が逮捕・勾留されているご家族のもとに接見に行き、執行猶予が付く可能性や執行猶予を付けるために考えられる弁護活動等についてご説明致します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
当事務所では、刑事事件・少年事件に関する相談は全て無料です。無料相談のご予約は365日24時間お電話にて受け付けています。奈良県の刑事事件・少年事件で少しでもお困りの方は、いつでもご相談ください。
名誉棄損事件で略式起訴
名誉棄損事件で略式起訴
名誉棄損事件と、略式起訴という手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県北葛城郡王寺町在住のAは、葛城郡王寺町の会社に勤める会社員です。
Aは会社内に嫌いな同僚Vがいて、そのVの会社内での評判を落とそうと考えていました。
そこで、AはSNS上で、Vの実名や会社名を出してVが不倫をしていることや過去に刑事事件で有罪判決を受けたことがある等の虚実織り交ぜた内容を掲載しました。
SNSを閲覧したユーザーからの抗議の連絡を受けてこの件が発覚したため、会社は北葛城郡王寺町を管轄する西和警察署に被害届を提出しました。
数ヶ月後、Aの自宅に奈良県警察署員が来て、名誉毀損被疑事件での家宅捜索が行われました。
Aは自身の行為を認め、公開の法廷で裁判を受けることは精神的負担が大きいため、略式起訴にならないか、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【名誉棄損事件について】
他人の名誉を傷つけるような言動を不特定多数の人に対して行なった場合、名誉棄損罪又は侮辱罪が適用される可能性があります。
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
名誉棄損罪と侮辱罪の大きな違いは、名誉棄損罪が事実を摘示している場合に適用され、侮辱罪は事実を摘示しなくても適用されます。
名誉棄損罪の事実とはある程度具体的な内容を含む必要があるため、例えば「Xには前科がある」「X事務所は詐欺集団で構成されている」などといった場合には事実を摘示しているため名誉棄損罪に問われ、「Xはバカだ」「Xはスケベだ」などといった抽象的な内容であれば侮辱罪に問われることになります。
公然性については、不特定又は多数人が認識できる状態をいうとされています。
近年ではSNSが普及していますが、SNSは設定によって不特定又は多数の人が見られる状態にすることができるため、書き込みには注意を払う必要があります。
SNSでの名誉毀損事件が発生した場合、捜査機関はSNSの運営会社に対して任意でその投稿者の情報(IPアドレスや電話番号など)を開示するよう求めます。
任意での情報開示に応じない運営会社に対しては、裁判所の発付する捜査令状によって上記情報を取得することもあります。
IPアドレスとは、パソコンやスマートフォン、ルーターなどの通信端末に振られている番号ですが、IPアドレスだけでは投稿者の情報は掴めないため、契約しているプロバイダを特定し、プロバイダに対して氏名や住所などの情報を開示請求します。
上記の手続きには一定の時間が必要となるため、投稿してからしばらく経った後に捜査機関から連絡が来る、という事例は少なくありません。
【略式起訴について】
略式起訴とは、明白でかつ簡易な事件であり、100万円以下の罰金(1万円以上)又は科料(1000円以上1万円未満)に相当する事件で採られる簡易な手続きです。
略式起訴となるためには、被疑者本人が事件を起こしたことを認めていて、略式罰金を納付する手続きが行われることに納得している場合にとられる手続きです。
略式罰金は、正式裁判に比べて迅速に判断が下される点や、書類の上だけで行われる非公開の手続きであるため被告人にとって負担が小さいという点でメリットがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
弊所では、SNS上の名誉毀損等の刑事事件にも対応しています。
奈良県北葛城郡王寺町にて、会社の同僚に対する名誉毀損事件を起こしてしまい略式起訴について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
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車を貸して罪に問われる?
車を貸して罪に問われる?
車を貸した場合に問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県大和郡山市在住のAは、大和郡山市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは仲の良い後輩であるXから、「週末に彼女とドライブに行きたいので、Aさんの車を貸してもらえませんか」と言われ、二つ返事で承諾しました。
しかし、車を貸した当日、大和郡山市郡山警察署を管轄する郡山警察署から出頭するように連絡を受けました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【車を貸して罪に問われる?】
自動車を運転していた場合に刑事事件に発展する、というケースは暫し見られます。
人身事故を起こした場合は勿論のこと、飲酒運転や(一定速度以上の)スピード違反、無車検・無保険での違反等様々です。
これらのように、運転手の行為が刑事事件に発展することは容易に想像できるかと思いますが、自動車の持ち主が第三者に車を貸したことで問題となるケースもございます。
以下でそれを見ていきます。
・飲酒運転に関する場合
運転手が運転前に酒を飲んでいることを知っていた、あるいは運転した先で酒を飲んで代行運転などを頼まずに飲酒運転をして帰宅するつもりがあることを知っていたにも関わらず自動車を貸した場合、車両提供罪に該当します。
車両提供罪は、飲酒運転の幇助行為を処罰するための法律です。
まずは飲酒運転について説明します。
飲酒運転は、法律上は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類に区分されます。
飲酒運転が疑われる運転手に対し、警察官は呼気検査を行いますが、その結果が0.15mg/ℓ以上であれば、少なくとも酒気帯び運転にあたり、刑事処分の対象となります。
上記の結果に加え、運転手が警察官との応答ができているか(呂律が回っていない・会話が成立していないなどの事情があるかないか)や歩行検査(まっすぐに歩くことができているか)、上記検査の結果がどうだったかによっては、酒気帯び運転より重い酒酔い運転での処罰を受けることもあります。
酒酔い運転で処罰される者は多くが基準値である0.15mg/ℓを2倍、3倍以上上回るような場合が一般的ですが、体質により基準値未満の検査結果であっても酩酊しているような状態であれば、酒酔い運転に該当する可能性は否定できません。
本題に戻りましょう。
道路交通法65条2項では、「何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。」と定められています。
罰条は、運転手が酒気帯び運転をしていたか、酒酔い運転をしていたかにより異なります。
提供した車の運転手が酒気帯び運転だった場合⇒3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(道路交通法117条の2の2第4号)
提供した車の運転手が酒酔い運転だった場合⇒5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同法117条の2第2号)
・無免許運転に関する場合
御案内のとおり、我が国では運転免許証を交付された者でなければ、自動車等を運転することはできません。
運転免許証を有していない者、運転免許証は有しているが取消・停止処分を受けた者が自動車等を運転した場合や、運転免許証は有しているが許可されていない車両を運転した場合には、無免許運転として刑事事件に発展します。
このような対象者であることが分かってい乍ら自動車等を貸した場合、これも車両提供罪に当たる可能性があります。
無免許運転の車両提供罪は、同法64条2項に「何人も、前項の規定(筆者注:「運転免許を受けないで」「自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」)に違反して自動車又は原動機付自転車を運転することとなるおそれがある者に対し、自動車又は原動機付自転車を提供してはならない。」と定められています。
無免許運転での車両提供罪の罰条は
⇒3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。(同法117条の2の2第2号)
【貸した場合に必ず罪になるわけではない】
飲酒運転然り無免許運転然り、極めて危険な行為であることは間違いありません。
しかし、車両を提供した方の中には、「運転手が飲酒運転をするとは知らなかった」「貸した相手が無免許だとは知らなかった」という可能性もあります。
貸した側は運転手に対して、免許証を持っていることを確認したのか、あるいは持っていると誤認する理由(例えば以前は持っていたが最近になって累積による停止処分を受けた等)があったのか、運転前や途中で飲酒を伴う行動が想定されたか、等が重要になります。
捜査機関としてもこのような点は重要視しますので、取調べでの供述は慎重になるべきだと言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、ケースのように車を貸したものの運転手が飲酒運転だった、無免許運転だったという事例についても対応しています。
奈良県大和郡山市にて、友人などに車を貸したところ、その件で出頭を求められている等の方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
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示談のつもりが恐喝に?
示談のつもりが恐喝に?
刑事事件の被害者の立場で示談に応じたつもりが恐喝として捜査対象になってしまう場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県生駒市在住のAは、生駒市内の会社に勤める会社員です。
Aは職場内にて、上司であるXから陰部を揉みしだかれるなどの強制わいせつ罪に当たる可能性が高い事件の被害に遭いました。
そこでAはXに対し、「この件で、生駒警察署に行って被害届を出したら、Xさんはどうなりますかね?」「事件の現場はこの会社内ですから、警察が動くと実況見分調書や写真報告書を作るために警察の方が来られますよね。」と言いました。
XはAに対し「10万円払うので丸く収めてくれないか」と言ったところ、Aは「そんな安い金で受け入れられません。」と言い、最終的にAはXから現金100万円を受け取って終了しました。
後日、生駒市内を管轄する生駒警察署の警察官がAの自宅に来て、恐喝事件で被害届が出ていると説明し、Aを連行しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【強制わいせつについて】
まず、Aは強制わいせつの被害に遭っている可能性があります。
Xが、暴行や脅迫を用いてAの陰部に触れるなどわいせつな行為をしていた場合、強制わいせつ事件に発展します。
暴行又は脅迫というのは、目に見える暴行や言葉での脅迫行為は勿論のこと、上司と部下という地位に乗じてわいせつな行為をした場合や、相手の隙をついて(抵抗する間もなく突然に)わいせつな行為をした場合にも、強制わいせつ罪が適用されます。
強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。
刑法176条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
【示談のつもりが恐喝に?】
上記のとおり、ケースの事案の前半部分はXによる強制わいせつ事件で、Aが被害者の立場になる可能性があります。
被害者は、警察などの捜査機関に相談・被害届の提出・刑事告訴などを通じて事件の申告をすることもできますし、それをしないという選択肢もあります。
後者を選択する条件として、示談を行うということが考えられます。
示談とは、当事者間の合意により被疑者(加害者)の反省や制限などを書類に落とし込むものです。
示談の締結時に示談金を明記し支払う場合が多いですが、示談には示談金が必ず必要というわけではありません。
ケースの場合、Aが示談を受け取るという点については、民事上自然であると考えられます。
しかし、Aは示談金を支払わなければ警察に届け出ると言い、届け出た場合にはXの行為が社員に知られるなどと脅しととられる言葉で、暗に示談金を要求しています。
これは、脅迫罪に当たる可能性があります。
脅迫罪は、人を恐喝することで財物を交付させることで成立する罪で、恐喝とは「害悪の告知」であるとされています。
脅迫罪は、Aのように示談金額を具体的に提示していない場合でも、適用されます。
また、Aは警察に届け出る行為をちらつかせています。
前述のとおり、被害者が警察に届け出る行為は正当ですが、判例は「犯罪事実を官憲に申告すること」も害悪の告知にあたると示しています。
【まとめ】
強制わいせつ罪は、暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をすることで、上司と部下の立場を利用してのわいせつ行為や相手の隙をついてのわいせつ行為も強制わいせつ罪の対象とされています。
強制わいせつ事件の被害に遭われた方は、示談などにより示談金を受け取ることが可能な場合がありますが、示談をして示談金を払わなければ警察に届け出るなどの発言は恐喝罪に発展する可能性があります。
奈良県生駒市にて強制わいせつ事件の被害に遭ったものの、それがきっかけで恐喝罪の被疑者になってしまった方おられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
当事務所では、刑事事件・少年事件に関する相談は全て無料です。無料相談のご予約は365日24時間お電話にて受け付けています。奈良県の刑事事件・少年事件で少しでもお困りの方は、いつでもご相談ください。
キャッシュカードや携帯電話を渡したら?
キャッシュカードや携帯電話を渡したら?
融資を受ける、あるいはお金を貰うことを目的にキャッシュカードや携帯電話を新規契約・口座開設して第三者に渡した場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県奈良市学園南在住のAは、奈良市学園南でアルバイトをして生活しています。
Aはこれまで複数の消費者金融から融資を受けていて、その返済が滞りつつありました。
そこで、SNS上で無担保で融資を受けられる会社を探していたところ、無担保で融資する旨の投稿を目撃しました。
Aはその投稿主にダイレクトメッセージを送ったところ、
・携帯電話を新規契約して送れば50万円を無担保で融資する
・融資するお金を入金するため、キャッシュカードを送って欲しい
と言われました。
携帯電話は自分たちが使うものだが、Aの名義にして欲しい、使用料はこちらで支払うから、とも説明を受けました。
そこで、Aは携帯電話会社に行ってスマートフォンの新規契約し、以前から持っていた残額0円のキャッシュカードと併せて指定された住所へ郵送しました。
しかし、その後から融資をすると言っていた投稿主とは連絡が取れなくなっていました。
Aは、スマートフォンやキャッシュカードを詐取されたとして奈良市学園南を管轄する奈良西警察署の警察官に相談したところ、逆に自分が刑事事件の被疑者になると説明を受けました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【携帯電話とキャッシュカード】
我が国の国民の多くは、スマートフォン・携帯電話やキャッシュカードをお持ちかと思います。
携帯電話もキャッシュカードも、多くの方が容易に契約・開設することができる点が特徴の一つです。
これらは、特殊詐欺事件を起こすうえで必要不可欠な道具になることから、特殊詐欺グループの者は手を変え品を変え、事件に関係のない者名義の携帯電話やキャッシュカードなどを手に入れようとしてきます。
【携帯電話の問題】
Aは、指示役に従い自分で使用する目的がないにも関わらず、携帯電話の新規契約をしています。
携帯電話は、新規契約の際に使用者の名義を記す必要があるのですが、それを偽って携帯電話を受け取る行為は、詐欺罪にあたります。
この場合、携帯電話の使用料を払っている・いないという点は問題にならず、携帯電話会社に携帯電話を交付させた時点で、詐欺罪が成立するのです。
【キャッシュカードの問題】
次に、キャッシュカードの問題も生じてきます。
仮に、Aが指示役に交付する目的で口座を新規開設してキャッシュカードや通帳を作っていた場合、携帯電話の問題と同様に詐欺罪が成立します。
もっとも、今回のAは既に自分が持っていたキャッシュカードを郵送していることから、詐欺罪の問題にはなりません。
しかし、キャッシュカードを郵送する行為自体が犯罪に当たります。
犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称、犯収法)では、その28条1項及び2項で、他人になりすまして銀行業務などをさせる目的でキャッシュカード等を受け取る行為やその目的でキャッシュカード等を提供する行為を禁止し、違反した場合には「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定めています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまでケースのように他人に渡す目的で携帯電話やキャッシュカード等を新規契約したり、それらを郵送したりしたことについての御相談を受けてまいりました。
奈良県奈良市学園南にて、御自身や御家族が携帯電話やキャッシュカードが問題となる詐欺罪や犯収法違反などで取調べを受けているという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
当事務所では、刑事事件・少年事件に関する相談は全て無料です。無料相談のご予約は365日24時間お電話にて受け付けています。奈良県の刑事事件・少年事件で少しでもお困りの方は、いつでもご相談ください。
トイレ盗撮で現行犯逮捕
トイレ盗撮で現行犯逮捕
トイレを盗撮していた場合の罪と現行犯逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県奈良市大森町在住のAは奈良市大森町で自営業をしています。
Aは性的な興味から職場のトイレに小型カメラを設置し、盗撮行為を行っていました。
事件当日、Aは前日に設置した小型カメラを回収しようとトイレに入ったところ、トイレを終えた者Xと鉢合わせになりました。
Aはその場から逃れようと思いましたが、Xに腕を掴まれ、床に倒されました。
通報を受けて臨場した奈良市大森町を管轄する奈良警察署の警察官は、Aに対し「現行犯逮捕になるから。」と説明し、手錠をかけました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【トイレの盗撮について】
いわゆる盗撮が問題となる事件では、被写体のどのような姿を撮影した(あるいは撮影しようとした)のか、また、場所はどこかが問題となります。
そして、その違いにより、
①盗撮について⇒軽犯罪法違反、又は各都道府県の迷惑防止条例違反
②盗撮の過程⇒建造物侵入罪・住居侵入罪
の適用が考えられます。
①盗撮行為について
他人を密かに撮影するような行為を盗撮と呼びます。
盗撮は、基本的に⑴公共の場所や乗り物の中でスカートの中などを盗撮する行為と、⑵更衣室や脱衣所、トイレなどの盗撮行為が、それぞれ問題となります。
⑴については、駅構内で列車を待っている場合や列車内で立っている場合、上りエスカレーターなどで、スカートを履いている相手に対してスカートの下からスマートフォンのカメラレンズや小型カメラを差し向けるという事件が多いです。
御注意いただきたいのは、都道府県によって条文が異なり、例えば東京都などの迷惑防止条例については、盗撮の成功・失敗に関わらず、レンズを差し向ける行為自体が罪となります。
ケースの場合奈良県奈良市大森町での事件ですので、奈良県迷惑行為防止条例が問題となります。
奈良県の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例では、その12条1項2号で「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しくしゆう恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。」「着衣等の全部若しくは一部を着けないでいる他人の姿態若しくは着衣で覆われている他人の下着若しくは胸部等の身体をのぞき見し、又は写真機等を使用して、その映像を記録する行為であつて卑わいなもの」と定めています。
⑵については、各都道府が定める迷惑防止条例に規定がある場合には同条例違反に、条例がない自治体であれば軽犯罪法違反に、それぞれ当たります。
奈良県には上記条例の2条2項2号で「写真機等を使用して、住居、浴場、更衣室、便所その他の人が着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(公共の場所及び公共の乗物を除く。)に当該状態でいる他人の姿態の映像を記録すること。」と規定されています。
②盗撮の過程
⑵のような場合には、トイレや他人の住居などに侵入して盗撮行為を行っている可能性があります。
これは、建造物侵入罪や住居侵入罪に当たる可能性があります。
【現行犯逮捕について】
事件を起こしたとされる被疑者に対し、捜査機関は必要に応じて逮捕を行います。
逮捕は私人の権利を侵害する行為ですので、令状主義といって、原則として裁判所が発布した令状に従って逮捕するということになります(通常逮捕)。
一方で、ケースのように事件を起こした直後に逮捕される場合を現行犯逮捕と呼びます。
これは令状主義の例外規定ではありますが憲法もこれを認めていて、実務では全逮捕者のうち約40%が現行犯逮捕によるものとされています。
現行犯逮捕の場合は司法警察職員だけでなく私人にも行うことができますが、私人逮捕をした場合は直ちに司法検察職員に引き渡さなければならないと定められています。
現行犯逮捕については、逮捕時には令状は必要ありませんが、逮捕後に「現行犯人逮捕手続書」という書類を作成します。
また、逮捕されてから48時間以内に検察官に送致する必要があり、検察官は逮捕から72時間以内に勾留請求を行わなければ被疑者を釈放しなければなりません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
奈良県奈良市大森町にて、御家族がトイレの個室などを盗撮して現行犯逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
まずは弁護士が逮捕されている御家族の接見を行い、内容を確認した上で今後の見通しなどについて御説明致します。(初回接見は有料です。)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
当事務所では、刑事事件・少年事件に関する相談は全て無料です。無料相談のご予約は365日24時間お電話にて受け付けています。奈良県の刑事事件・少年事件で少しでもお困りの方は、いつでもご相談ください。
否認事件と勾留
否認事件と勾留
否認事件と勾留について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
奈良県天理市に住む会社員のAは、痴漢をしたとして、奈良県天理警察署に逮捕されてしまいました。
Aの妻は、このままAが身体拘束を受けていては困ると弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼しました。
すると、どうやらAは事件について否認しているそうです。
(この事例はフィクションです。)
~痴漢事件~
痴漢は、基本的に、各都道府県で規定されている迷惑行為防止条例違反となります。(場合によっては刑法第176条の強制わいせつ罪などになる可能性もあります。)
奈良県の迷惑行為防止条例では、痴漢行為に「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則が規定されています。
~否認事件~
刑事事件は、警察から疑われている事実について認めている認め事件、事実について全部または一部を争っている否認事件に大きく分類することができます。
事例では、Aはどうやら事件について否認しているようです。
今回は、否認した場合に勾留されやすいのかどうか検討してみましょう。
~勾留~
まずは、勾留について詳しくみてみましょう。
起訴前の被疑者の勾留については、刑事訴訟法第207条に規定されています。
刑事訴訟法第207条第5項
「第1項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。ただし、 勾留の理由がないと認めるとき、及び 前条第2項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。」
勾留請求されてしまった場合、基本的に勾留が決定することになります。
そして釈放される場合が、制限時間不遵守の場合(条文上の「前条第2項の規定」)と勾留の理由がない場合です。
では、勾留の理由を見てみましょう。
~勾留の理由~
勾留の理由については、刑事訴訟法第60条に規定されています。
刑事訴訟法第60条
第1項「裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる」。
1号 被告人が定まった住居を有しないとき。
2号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
3号 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
勾留の理由のうち、1号については否認事件でも認め事件でも変わりはないでしょう。
しかし、2号と3号については、否認事件の方が該当しやすいと言うことができます。
疑われている事実を認めている場合、罪証を隠滅する必要がないと判断されるでしょうし、罪を認め反省している人については、逃亡する可能性も低いと判断されるでしょう。
このことから、否認事件は認め事件よりも、勾留の理由に該当する可能性が高くなってしまうのです。
そのため、否認事件の方が勾留される可能性は高くなると言うことができるでしょう。
もちろん、だからといって容疑を認めれば勾留されないということではありませんし、やってもいないことや認めたくないことを認めてはいけません。
また、否認事件は、あくまで認め事件と比べると勾留の理由があると判断されやすいだけですので、否認事件であっても身体解放の可能性はありますし、認め事件でも身体解放されない可能性もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
そのため、在籍しているのは刑事事件に強い弁護士ですので、否認事件であっても安心してお任せいただくことができます。
初回無料での対応となる法律相談、逮捕されている方の下へ弁護士を派遣する初回接見のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
お気軽にお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に扱う法律事務所です。
奈良県をはじめ近畿地方の刑事事件・少年事件について多数の解決実績がございます。また奈良県の刑事事件・少年事件に精通した弁護士が、一から、専門知識と経験に基づいて親身に対応いたします。
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