上告

~上告とは~

上告とは,高等裁判所のした第1審又は第2審の判決に対する最高裁判所への上訴をいいます。

上告審は,控訴と同じく事後審であり,最終的な違憲審査と法令の解釈を統一する法律審ですが,同時に個々の事件における適正な救済を図る役割も担っています。

 

~上告の要件~

1 権利上告(刑事訴訟法405条)

  1. 憲法違反
  2. 最高裁判例違反

 

2 裁量上告(刑事訴訟法411条)

権利上告理由があることは稀ですが、権利上告理由がない場合であっても,一定の事由が認められれば,最高裁は、裁量で原判決を破棄することが出来ます。

次のような場合であって、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、職権で破棄判決がされることがあります。

  1. 判決に影響を及ぼすべき法令違反があること
  2. 刑の量定が甚だしく不当であること 
  3. 判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があること
  4. 再審事由があること
  5. 判決があった後に刑の廃止・変更又は大赦があったこと

なお、これらは,上告の理由となるものではなく,あくまで上告審である最高裁判所が,原判決を裁量によって棄却できる場合に過ぎません。なので、これらの事由を主張するだけでは本来は不適法なのですが、上記が認められれば職権で破棄されることになるため,実際には、事実誤認や量刑不当を主張して職権発動を求める上告の例が多く見られます。

 

~上告の手続きの概要と判断までにどのくらいの期間がかかるか~

上告審の手続きは,控訴審における手続きとほぼ同様です。

上告の提起期間は14日であり,上告申立人は指定された期間(通知が届いてから28日以上の定められた期間)内に上告趣意書を提出しなければなりません。

上告審の平均審理期間は4か月未満です。

 

~新事実の主張について~

上告審では,第1審・2審を通じて一度も主張していないことを主張することはできません。

 

~上告審の裁判の種類~

1 上告棄却の決定

上告の申立ての不備や形式上の不備など,上告が不適法なことが明らかな場合は,決定で上告が棄却されます。

形式上は法定の上告理由が主張されていても,実質的にはそれに当たらない場合も含まれ,これが棄却決定の大半を占めています。

 

2 上告棄却の判決

上告趣意書において,法定の上告理由に当たる事由の主張がなされていても,上告理由のないことが明らかであると認められる場合には,判決で上告が棄却されます。

 

3 原判決破棄の判決

法定の上告事由があると認められた場合は,それが判決に影響を及ぼさないことが明らかなときを除いて,判決で原判決が破棄されます。

また,法定の上告事由が認められなくても,裁量上告の事由が認められ,かつ原判決を破棄しなければ,著しく正義に反する場合にも,判決で原判決を破棄することが出来ます。

控訴裁判所による破棄と同様に,不利益変更禁止の原則(被告人にとって下級審よりも悪い判決ができないこと)が働きます。

 

~上告棄却の判決または決定を受けた場合,更に争うことができるか~

判決訂正の申立てや異議申立ての手続がありますが,申立てても認められることはまずありません。

 

~上告審における弁護士の役割~

1 上告趣意書の作成

上告審は,書面審査であり,期日が開かれることは極めて稀です。

ですから,弁護士の活動としては,上告趣意書の作成と提出に集約されます。

 

2 身体解放活動

上告審に至っても,一日でも早い身体解放が望ましいことは,言うまでもありません。

弁護士は,上告審に至るまでの非常に長期にわたる身体拘束を受けている方のためにも,事案に応じた適切な身体解放活動を行います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件専門の事務所として,刑事事件の経験が豊富な弁護士・スタッフが在籍しておりますので,上告についてお悩みの方がいらっしゃいましたら,弊所にご相談ください。

 

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