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偽注文でお店に嫌がらせ 偽計業務妨害罪で取調べ

2023-06-12

偽注文を繰り返してお店に嫌がらせしたとして、偽計業務妨害罪で取調べを受けている事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

 

事件内容

アルバイトを探しているAさんは、生駒市の飲食店のアルバイトに応募しましたが、書類選考の段階で不採用が決まり、面接すら受けることができませんでした。
そのことに不満を抱いたAさんは、この飲食店に嫌がらせをする目的で、客を装ってお店に電話し、出前やテイクアウトの偽注文を繰り返しました。
この事で飲食店が被害届を提出したらしく、事件を起こして2カ月ほど経過して、奈良県生駒警察署の警察官がAさんの自宅を訪ねてきました。
自宅の捜索を受けたAさんは、スマートフォンやパソコンを警察に押収され、その後、警察署に任意同行されて取調べを受ける事となりました。
(フィクションです)

偽計業務妨害罪

偽計を用いて他人の業務を妨害すれば「偽計業務妨害罪」となり、起訴されて有罪が確定すれば3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。
今回の事件で、飲食店に対して虚偽の注文をする事は、明らかに飲食店の店員を騙す、つまり偽計行為に当たるので、Aの行為は飲食店に対する偽計業務妨害罪が成立するでしょう。

偽計業務妨害罪の成立には、行為者が積極的に他人の業務を妨害することに限られるものではなく、業務妨害の結果を引き起こす可能性がある事を認識するだけでも足りるとされています。
今回の事件では、Aさんはお店に嫌がらせをする目的ですので、積極的にお店の業務を妨害する目的がうかがえますが、例えば、ある特定の人に嫌がらせをする目的で、お店に偽の出前を注文して、その人の家に出前を届けさせたような場合でも、飲食店の業務を妨害する積極的な意思はありませんが、その行為によって、飲食店の業務が妨害される事は容易に想像することができるので、飲食店に対する偽計業務妨害罪が成立すると考えられます。

偽計業務妨害罪の量刑

偽計業務妨害罪の法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰が言い渡される事となります。
このような事件であれば、Aさんに前科、前歴がなければ、被害者である飲食店に対して被害弁償等すれば、略式命令による罰金刑となることが予想され、場合によっては不起訴を目指すこともできるでしょう。

偽計業務妨害罪の相談は

奈良県生駒市の刑事事件でお困りの方、偽計業務妨害罪で警察の取調べを受けておられる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談をご利用ください。
またご家族等が警察に逮捕されてしまった場合、逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する 初回接見サービス を提供していますので、是非ご利用ください。

執行猶予中の万引き事件

2023-06-05

執行猶予中の万引き事件

万引き事件で問題となる罪と執行猶予中の再犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県北葛城郡在住のAは、北葛城郡内で事業を展開する個人事業主です。
Aは3年前に当時働いていた会社の金庫から金を持ち出す窃盗事件を起こしてしまい、2年前の裁判で「懲役1年、執行猶予3年」の有罪判決を受けていました。
その後は実直に働いていたAですが、書店での万引き事件を起こしてしまい、それが店員に現認され、通報を受けて臨場した西和警察署の警察官によって逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAの家族は、執行猶予中であることが今回の事件にどのような影響を及ぼすのか、刑事事件専門の弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【万引き事件について】

小売店などの陳列棚に置かれている商品などを清算することなく無断で持ち去る行為は、万引きと呼ばれ、窃盗罪にあたります。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

万引きを軽視している方が依然としておられるようですが、罪を犯したと疑うに足る相当な理由があれば逮捕することができ、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると評価された場合には最大20日間行われる勾留(・勾留延長)の手続きがとられる可能性があります。
また、万引き事件の場合は被害店舗が謝罪や弁償を拒否するケースもあるため、初犯であっても罰金などの刑事罰が科せられる恐れがあります。

【執行猶予中の再犯】

執行猶予期間中に再度事件を起こしてしまった場合について、解説致します。

①もう一度執行猶予が付く可能性が極めて低い
そもそも執行猶予とは、裁判の判決にて言い渡されるもので、有罪であることを前提に、「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言い渡しを受けた」際に、「一年以上五年以下の期間」を定めてその刑の執行猶予するという制度です。(刑法25条1項)
あくまで猶予するだけで刑の言い渡しが無かったことになるわけではありません。
そして、執行猶予の対象者は
⑴禁錮以上の刑に処されたことがない者
⑵⑴であっても刑の執行が終わった場合や執行の免除を受けた日から5年間が経過している者
⑶⑵の他に前回は全部執行猶予であり、今回が一年以下の懲役又は禁錮の判決で、「情状に特に酌量すべきものがある」とき
が対象となります。
執行猶予期間中に再度事件を起こした場合、上記⑴~⑶に当てはまらない可能性が高く、それは執行猶予がつかないことを意味します。

②執行猶予が付かなかった場合、前回猶予された刑についても服することになる
執行猶予期間中に再度事件を起こして禁錮以上の刑に処された場合、前回の事件についての執行猶予が取り消されます。(必要的取消)
例えばケースのAが今回の事件で懲役1年6月の実刑判決を受けた場合、前回の懲役1年についての猶予が取り消されるため、刑事収容施設で収容される期間は(未決勾留期間や仮釈放などを考慮せず)単純計算で2年6月になります。

【弁護活動について】

前章でお伝えしたとおり、執行猶予期間中に別の事件を起こしてしまった場合、前刑についての猶予が取消され、今回の刑事罰と併せて前回の刑事罰が科せられることとなります。
そのような事態を回避するために、弁護士は
・不起訴や略式手続による罰金刑などを求め、起訴されないための弁護活動を行う
・起訴された場合に再度の執行猶予を求める弁護活動を行う
といった対応が考えられます。
しかし、前述のとおり万引き事件では示談交渉が難しい場合も多く、対応は困難です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、執行猶予期間中の再犯事件で実刑を回避したという経験があります。
奈良県大和郡山市にて、執行猶予期間中の御家族が万引きなどの刑事事件などで逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。

【交通事件】無車検・無保険の車を運転

2023-05-29

自動車やバイクの車検を怠った、あるいは自賠責に未加入だった場合に問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【ケース】
奈良県五條市在住のAは、五條市内の会社に勤める会社員です。
Aは、友人が使わなくなった車検切れの自動車を格安で購入しました。
車検切れであるということは知っていたAですが、手続きが面倒だと思い車検を通すことなく運転をしていました。

ある日の深夜、Aが車を運転していたところ五條市内を管轄する五條警察署の警察官から停止を求められ職務質問を受け、その際に車検を通しておらず自賠責保険にも入っていない無車検無保険の状態であることを指摘されました。
Aは五條警察署に任意同行を求められ、警察署にて取調べを受けました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【運転時の義務】

自動車やバイクを運転する際には、いくつかの義務が定められています。
もっとも常識的なものとして挙げられるのは運転免許証を有していることが挙げられるでしょう。
また、シートベルトを締める、法定速度・制限速度を順守するなど、多岐にわたります。
これらは、運転をする際に課せられているものがほとんどですが、運転する前に予め準備しておかなければならないものもあります。
その代表例とも言える、無車検状態での運転、無保険状態での運転で問題となる罪について、以下の章でご紹介します。

【無車検状態の車を運転した場合】

車検という言葉は皆さんもご存じかと思います。
正式には自動車検査と呼ばれるもので、自動車及び排気量250ccを超えるバイクについては
・新車両は(一部特殊車両を除き)3年後に
・その後は車齢に関わらず2年おきに
必ず受けることが義務付けられています。

ケースのAのように、車検を行っていない自動車等を運転した場合には道路運送車両法に違反し、「六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」が課せられる恐れがあります。(車両運送法108条1号)

道路運送車両法58条1項 自動車(国土交通省令で定める軽自動車は、この章に定めるところにより、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない。

なお、排気量250cc以下のバイクや原動機付自転車については、車検を行う義務はありません。

【自賠責保険に未加入の車を運転した場合】

車両の運転前に必要な準備事項として、自賠責と呼ばれるものがあります。
正式名称は自動車損害賠償責任保険というもので、自動車に対して掛けるかたちの保険です。
前章の自動車検査車検)は排気量250cc以下のバイクと原動機付自転車は対象ではありませんでしたが、自賠責保険についてはこれらの車両も対象となります。
車検と併せて加入・更新手続きをする方が多いため多くの方は忘れずに手続きされていますが、排気量250cc以下のバイクや原動機付自転車の場合には車検がないため、うっかり失効していたという事例が見受けられます。

ちなみに、自賠責保険の対象となるのは対人のみで、事故で生じた車の修理費や所持品の修理費などは対象となりません。
また、対人についても上限が設定されていて、傷害については後遺障碍がある場合を除き被害者1名につき最大120万円、死亡事故については被害者1名につき最大3,000万円が、それぞれ支払われます。

自動車損害賠償保障法5条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
奈良県五條市にて、無車検無保険の状態で車やバイクを運転してしまい、刑事事件化しているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

詐欺罪で逮捕、起訴された方の保釈を実現する

2023-05-19

~保釈のご相談は0120-631-881にお電話ください~

~事例~
昨年末、奈良県警察に詐欺罪で逮捕、勾留された後に起訴されたAは、刑事事件に強い弁護士によって保釈が決定しました。。(フィクションです)

~保釈とは~

詐欺罪等の刑事事件を起こして警察に逮捕、勾留されて起訴されると、その後の刑事裁判で無罪や執行猶予付の判決が言い渡されるまで身体拘束を受けたままです。
実刑判決が言い渡されてしまうと、そのまま収監され服役生活が始まるので、警察に逮捕されて、服役を終えるまで長期間にわたって身体拘束を受けた状態が続きます。
この様な長期間に及ぶ身体拘束から逃れるには、弁護人が保釈を請求して、裁判官に保釈を認めてもらうしかありません。(身体拘束が不当に長くなった場合は、弁護人の請求がなくても、裁判所の職権によって保釈が認められることも稀にある。)
保釈とは、起訴されて刑事裁判で判決が言い渡されるまでの間に、一時的に身体拘束が解かれることです。

~保釈までの流れ~

起訴されると、その日から保釈を請求することができます。
事件を担当する裁判所に、保釈請求書等の必要書類を提出して裁判官が保釈するか否かを決定します。
裁判官が保釈決定すると同時に、保釈保証金の金額が決定するので、この金額を裁判所に納付すれば、すぐに身体拘束が解かれます。
ただ、裁判官が保釈決定しても、この決定に対して検察官が異議申立てする場合があります。
この申立てによって、一度決定した保釈が取り消されることがあるので注意してください。
保釈は一度だけでなく、何度でも請求することが可能です。
刑事裁判が進むにつれて、被告人の状況や、周りを取り巻く環境が変化するので、それまで却下されていた保釈が、2回目、3回目の請求で認められることもあります。

~保釈が認められるには~

裁判官が保釈決定するか否かは
証拠隠滅、逃亡のおそれがないか
被害者や事件関係者等に接触しないか
被告人を監督監視する身元引受人がいるか
という点について、裁判官が弁護人が提出した書類から判断します。

奈良県の詐欺事件でお困りの方、起訴後の身体拘束を受けているご家族、ご友人の保釈を求める方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

橿原市の強制わいせつ事件 警察署への自首を検討

2023-05-12

橿原市の強制わいせつ事件で警察署への自首を検討している件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

自首を検討している強制わいせつ事件

会社員のAさんは、橿原市内の路上で偶然すれ違った女性がすごくタイプだったことから、背後から女性に近づき、抱き着いてしまいました。
女性が悲鳴を上げたことで、我に返ったAさんは、すぐにその場から逃走しましたが、家に帰り、とんでもないことをしてしまったと後悔し、警察署に自首することに決め、自首に付き添ってくれる弁護士を探すことにしました。
(この事例はフィクションです。)

強制わいせつ事件

今回の事件でAさんは、路上において、いきなり女性に抱き着いていますが、このような事件は、痴漢ではなく強制わいせつ罪となってしまう可能性が高いです。
強制わいせつ罪は、刑法第176条に規定されており、起訴されて有罪が確定すると「6月以上10年以下の懲役」が科せられることになります。
罰金刑の規定がない重い罪になっています。

自首

今回のAさんは、犯行後すぐに逃走しています。
現場から逃走しているということで、後日、逮捕されてしまう可能性も高いといえるでしょう。
現代では、街中や路上であっても防犯のためにカメラが設置されていることも多く、今回のように路上での犯行であっても犯人が特定される可能性が十分にあるので、少しでも刑事責任を軽減するために自首することも検討するべきかもしれません。

刑法第42条第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる

自首の注意点

自首は「事件自体が捜査機関に発覚する前」「捜査機関が犯人を特定する前」にしなければ成立しません。
また上記自首の条文にある通り、自首は「その刑を減軽することができる」とあるので、必ず減軽されるというわけではありません。
自首は警察署に出頭すれば成立するというものでもないので、自首をお考えの場合は一度刑事事件に強い弁護士に相談したほうがよいでしょう。

自首に同行する弁護士

自首は、刑事処分を軽減したり、逮捕のリスクを減らしたりするメリットがある反面、警察に出頭したからといって必ず自首が成立するわけでもないので、自首する際は事前に弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っていますので、是非一度ご検討ください。

共犯者が逃亡中の傷害事件 接見禁止解除のための弁護活動

2023-05-04

共犯者が逃亡中の傷害事件で勾留の被疑者の、接見禁止解除のための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件内容

奈良県生駒市の工場で働いているAさん(26歳)は、この工場で働いている後輩が全くいう事を聞かないことに日頃から腹が立っていました。
そんなある日、その後輩が仕事中にミスをしてAさんの同僚に叱責されているのを見かけたAさんは、同僚と共に後輩を叱責したのですが、その際に後輩が口答えをしたことから、同僚と共に、後輩に対して暴行を加えました。
この暴行によって後輩はろっ骨を複数個所骨折する重傷を負い、事件の翌日に、Aさんは傷害罪逮捕されましたが、暴行に加わった同僚は逃走しています。
Aさんの逮捕を知った父親は、Aさんに面会しようとしましたが、接見禁止が決定していたため面会することができませんでした。
(フィクションです。)

傷害事件

刑法204条は、「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と、傷害罪を規定しています。
当然、Aさんの行為は傷害罪に当たり、一緒に暴行した従業員はAの共犯となり、全員に傷害罪が適用されます。

共犯事件と接見禁止

二人以上の者で犯罪を犯すと共犯事件となります。
共犯事件を起こして警察に逮捕された場合、共犯者同士が通謀して証拠隠滅する可能性があることから、勾留と同時に接見禁止決定が付されることがよくあります。
接見禁止決定が付されると、除外されない限りは、友人など他人はおろか、ご家族の方でも面会することができません。
ちなみに共犯事件の他にも、否認している事件や、振込め詐欺のような組織犯罪については、接見禁止決定が付されることがよくあります。

接見禁止決定の解除

逮捕、勾留されている被疑者の弁護人は、接見禁止決定の解除を裁判所に申し立てることができます。
弁護人の申立てが必ず容認されるわけではありませんが、拘束されている方の配偶者や両親等の親近者に限っては、事件と無関係であることが証明できれば、比較的、接見禁止決定が解除されやすい傾向にあります。

接見禁止解除に強い弁護士

ご家族、ご友人が傷害事件を起こして警察に逮捕されしまった方、身体拘束されている方の接見禁止決定の解除を求める方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

死亡した父親の遺体を自宅に放置 死体遺棄罪で逮捕

2023-04-27

死亡した父親の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件内容

今年2月下旬、父親の遺体をアパートの一室に放置したとして、このアパートで父親と同居していた息子が、奈良県郡山警察署逮捕されました。
3月6日、アパートを訪ねた親族が遺体を発見したことから事件が発覚していましたが、その後息子は行方不明になっていたようです。
死亡した父親の死因は凍死だったようで、逮捕された息子は「パチンコ店に行っている間に父親が死んでいた。他の家族に責められると思って誰にも報告しなかった」と容疑を認めているようです。
(この事件の記事は こちら 

死体遺棄罪

死体遺棄罪は刑法に規定されている法律で、条文は以下のとおりです。

刑法第190条(死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。(刑法第190条を引用)

死体遺棄とは、死体遺棄とは死体を遺棄することです。
「死体」とは、死亡した人の身体をいいます。(人の形体を備えている以上、死胎をも含まれます。)
「遺棄」とは、通常の埋葬と認められない方法で死体等を放棄することをいいます。

※遺骨の遺棄も死体遺棄罪の罰則対象となりますが、「散骨」については厳密にいうと死体遺棄行為に該当する可能性もあるでしょうが、節度をもって行われる限り問題はないとされているのが一般的で、実際に散骨行為に死体遺棄罪が適用された例はないようです。

遺体を放置

死体遺棄罪でいうところの「遺棄」については上記のとおりですが、今回の事件のように遺体を発見しながら放置する行為も遺棄行為に該当するのでしょうか。
「遺棄」とは、通常であれば死体等を移動させることによる放棄、隠匿行為を意味しますが、埋葬の義務を有する者が死体を放置する事によっても、不真正不作為犯としての「遺棄」が成立するとされています。
よって今回の事件についても死体遺棄罪に抵触する事となります。

刑事処分は

刑事事件で被疑者(犯人)として警察で取調べを受けると、事件は検察庁に送致されます。そこで検察官が、被疑者(犯人)を起訴するか否かを決定するのですが、もし起訴されなかった場合は不起訴といい、刑事裁判は開かれません。
起訴された場合は、刑事裁判によって処分が決定しますが、罰金刑の場合は裁判が開かれない事もあります。(略式起訴)
日本の刑事裁判の有罪率は99パーセント以上と非常に高くなっていますが、これは「疑わしきは罰せず。」という刑事裁判における原則が、すでに裁判を提起(起訴)するか否かの時点で採用されている事が分かります。
つまり、裁判を提起(起訴)する検察官は、100パーセント有罪である、つまり被告人が絶対に犯人であるという確証がなければ、なかなか起訴しないという事です。
こうして起訴された場合に開かれる刑事裁判は、主に量刑が争点となる裁判がほとんどで、有罪無罪かを争う裁判は、刑事裁判全体の1割にも満たないと言われています。
量刑とは被告人に科せられる罰則の事で、その範囲は、法定刑で定められた範囲内で決定します。

まずは弁護士に相談を

奈良県内の刑事事件にお困りの方、奈良県内の警察署にご家族が逮捕されてしまった方は、刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の無料法律相談や、初回接見サービスをご利用ください。

強盗予備罪で逮捕 強盗の準備をすれば犯罪

2023-04-11

強盗の準備をすれば犯罪となる強盗予備罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

Aさんは、お金に困っていたことから、お金がありそうな会社に強盗に押し入ることを企て、自宅近所のホームセンターで包丁を購入しました。
そしてその包丁をカバンに隠し持って、大和郡山市の市街地で押し入る会社を探して徘徊していました。
そうしたところ、奈良県郡山警察署の警察官に職務質問を受け、そこで隠し持っていた包丁が見つかってしまいました。
観念したAさんは、包丁を携帯していた銃刀法違反と、強盗の準備行為をしていたという強盗予備罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

強盗予備罪

刑法236条は強盗罪を規定しています。
これによると、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、5年以上の懲役に処せられます。
そしてこの強盗罪は、刑法237条で、強盗予備罪が規定されています。
これによると、強盗の罪を犯す目的で、その予備をすると、2年以下の懲役に処せられます。
強盗をするためのピストルやナイフ等の凶器を用意したり、逃走用の自動車を準備する行為や、強盗に押し入る先を物色する等の準備行為をすることを規制しているのが、強盗予備罪です。
強盗の「予備」とは、強盗の実行を決意して強盗の準備をする行為であり、実行の着手以前の段階の行為をいいます。
実際に被害者に暴行や脅迫を加えていたような場合には、強盗予備罪ではなく、強盗未遂罪が成立することになるでしょう。

強盗予備事件の弁護活動

強盗事件であれば被害者と示談することによって処分の軽減に期待ができますが、今回のような強盗予備事件は、実質的な被害者が存在しない事件であるため、被害者と示談することができません。
そのため、どの様に取調べに対応するかが、その後の刑事処分に大きく影響してくるでしょうから、逮捕、勾留中の取調べに際しては、刑事事件に精通した弁護士から取調べに対するアドバイスを受けることが重要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
奈良県内の刑事事件でお困りの方や、強盗予備事件を起こしてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談をご利用ください。

 

奈良県生駒警察署の刑事事件 背任罪を弁護士に相談

2023-04-04

奈良県生駒警察署の刑事事件 背任罪を弁護士に相談

【奈良県生駒警察署の刑事事件】背任罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

生駒市内にある地方銀行に勤めているAさんは、融資担当課長の職にあります。
Aさんは、生駒市内で工務店を営んでいる友人に数年前から融資をしています。
融資を開始した当初は毎月利息が返済されていましたが、業績が悪化し始めた5年ほど前からは、返済が滞っていました。
しかし友人に懇願されて断ることができなかったAさんは、単に既存の貸付金の回収を図るとの名目(救済融資)で、その後も約50回にわたって合計8000万円を無担保で貸し付けました。
その後、友人の工務店が倒産し、救済融資を含めて全ての貸付金の回収ができなくなったことによって、Aさんの不正融資が銀行内で問題視されてAさんは、銀行から調査を受けています。
銀行が、背任罪での刑事告訴を検討していることを知ったAさんは、刑事事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用しました。
(フィクションです)

救済融資

済融資とは、すでに多額の融資を受けている者が、業績の悪化等で経営上の屈強に陥った際に、そういった状況から救うために更に追加融資する等、一般的に倒産に瀕した企業の経営改善のための資金として貸し付けられる融資を総称する金融上の実務用語です。

救済融資による背任罪の成否

救済融資の性質上、それを実行するに際しては、融資先から十分な担保を徴することが困難で、かつ貸し倒れの危険が大きいと言えるでしょう。
しかし、融資する金融機関とすれば、救済融資によって融資先企業が経営を持ち直して業績が回復する見込みが望める場合には、むしろ若干のリスクを冒してでも救済融資を続けることによって、焦げ付いた既存の貸付金の回収が可能となり、最終的には金融機関の損失を防ぐことになります。
このような観点から、融資先である企業の業績が回復する見込みがあり、融資する金融機関自体も、融資先企業の業績回復に応じて既存の貸付金の回収のために必要な措置を講じていたとすれば、任務に違背したとはいえないので、背任罪は成立しないでしょう。
逆に、融資先企業の業績が回復する見込みがない状況で、新たな担保物件を徴する等の措置を講じずに漫然と救済融資したのであれば、背任罪が成立する可能性が高くなります。

背任罪の弁護活動

~会社への弁償及び示談~

Aさんの背任行為で被害者となる銀行が経済的な損失を負っているのは間違いありませんので、銀行に対して損害額を弁済し、Aさんの刑事罰を望まない、刑事告訴しない旨(宥恕条項)を明記した示談を締結することが主な弁護活動となります。
示談の締結によって、刑事告訴を免れたり、例え告訴されていたとしても、告訴の取り消しが期待でき、不起訴等によって前科を免れることができます。

~減軽・執行猶予を目指す~

被害者への弁償や示談がかなわず起訴されてしまった場合、弁護士は、減軽を目指して活動することとなります。
背任罪の量刑は、被害者に与えた損害の程度に大きく左右されます。
一般的には損害額が100万円を超えてしまっている事件で、一切の弁済が行われていない場合には、実刑判決が言い渡される可能性が高いといえるでしょう。
そのため、被害者に損害全額がむずかしいくても、損害の一部を弁償するなどすることで反省の情が認められて減軽される可能性があります。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、Aさんのように背任罪でお困りの方からの法律相談を初回無料で承っております。
無料法律相談をご希望の方は

フリーダイヤル 0120-631-881

にて、24時間、年中無休で受け付けておりますのでお気軽にお電話ください。

成年後見人による業務上横領事件 天理警察署に逮捕

2023-03-28

天理警察署に逮捕された、成年後見人による業務上横領事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

天理市に住む無職Aは90歳になる義母の成年後見人でした。
先日、義母が亡くなり遺品整理をしていた親族が義母の口座から長期間にわたって数千万円が引き出されていることに気付き、奈良県天理警察署に届け出ました。
そしてAは、業務上横領罪で、奈良県天理警察署逮捕されました。
Aは、成年後見人による業務上横領事件に強い弁護士を選任しました。(フィクションです。)

成年後見人

成年後見人とは、認知症や、知的障害、精神障害などの理由で、財産の管理や、各種契約、遺産分割等が困難になった方々に代わって、法律行為を行う人の事です。
成年後見人は、家庭裁判所によって選ばれ、その活動は被後見人の利益、権利を保護、支援する事です。
成年後見人は、活動内容を家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けなければなりません。

業務上横領罪

業務上横領罪とは、業務上自己の占有する他人の物を不法に横領する犯罪です。
業務とは、人の社会生活上の地位に基づいて反復、継続して行われる事務の事で、職業である必要はありません
Aのような成年後見人は、被後見人の財産管理等を任されている立場にあるので、業務上横領罪の主体となります。
そして成年後見人であるAは、被後見人である母親の財産等を管理する立場にあるので、義理の親子関係にあっても、義母の財産を着服すれば、業務上横領罪が成立してしまうのです。
業務上横領罪には、10年以下の懲役が定められており、罰金の罰則規定がありません
そのため起訴された場合、刑事裁判で無罪判決が言い渡されない限りは、執行猶予付きの判決か、刑務所に服役しなければならないのです。

 

天理市で逮捕された方、成年後見人業務上横領事件に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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