【事例紹介】しつけを理由に幼い子供を窒息死させたケース②

前回に引き続き、3歳の長男を布団で巻いて死亡させたとして、傷害致死罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

(前略)3歳の長男を布団で巻いて死なせたとして、傷害致死の疑いで、(中略)容疑者(27)を逮捕した。「泣きやまず、しつけのためだった」と容疑を認めている。
(中略)司法解剖の結果、死因は吐しゃ物を吸い込んだことによる窒息の可能性が高いとみられる。目立った外傷はなく、栄養状態にも異常は見られなかった。(中略)
捜査関係者によると、容疑者は「以前にも布団で巻いた」とも話していたという。(後略)
(9月28日 京都新聞 「3歳長男死なせた疑い、千葉」より引用)

弁護活動と罪の減軽

今回のケースのように、親による幼い子供に対する傷害致死事件の場合には、かなり重い刑罰が科される可能性があります。
実際に、3歳の子供を死亡させたとして傷害致死罪で実刑判決が下された事例をご紹介します。

(前略)交際相手の女性の長男(当時3)に高温のシャワーを浴びせ続けて殺害したとして、殺人などの罪に問われた(中略)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁は14日、懲役10年(求刑懲役18年)を言い渡した。坂口裕俊裁判長は「死亡する危険性を認識していたとはいえない」と殺意を認めず、傷害致死罪にとどまると判断した。
判決によると、(中略)ちゃんの頭をクッションで3回殴って暴行。(中略)ちゃんに高温のシャワーを浴びせ続けて全身にやけどを負わせ、熱傷性ショックで死亡させた。
(中略)
量刑については、頭を殴る暴行など「虐待を繰り返す中で傷害致死の犯行に至っており、強い非難に値する」と指摘。「残酷で理不尽な犯行で、同種事案の中でも最も重い部類に位置づけられる」と述べた。
(後略)
(7月14日 朝日新聞デジタル 「3歳児に熱湯かけ続けた男に懲役10年 殺意認めず、傷害致死を適用」より引用)

上記の裁判では、3歳の子供を死亡させたとして、傷害致死罪で懲役10年の実刑判決が下されています。
今回の報道内容とは犯行内容などが少し異なりますが、どちらの事件も亡くなった被害者の年齢が3歳です。
今回の事例の報道によれば、容疑者は「以前にも布団で巻いた」と供述しているようです。
布団で子供を巻いた行為は虐待と捉えられる可能性があり、繰り返し虐待を行っていたと判断される可能性もあります。
今回の事例の報道内容が事実であり、しつけの範疇を超えた虐待であると判断をされれば、今回の事例も上記の裁判例と同様に「残酷で理不尽な犯行で、同種事案の中でも最も重い部類に位置づけられる」と判断される可能性があり、かなり重い罪が科されるかもしれません。

子どもへの傷害致死事件では、虐待の有無などによっても科される刑罰が変わってきます。
例えば、常日頃、虐待をしているような事例であれば、悪質であると判断されやすくなり、より重い刑罰が科される可能性が高くなります。

このように、子供への傷害致死事件では、できる限り科される量刑を少なくするために、経験豊富な弁護士による弁護活動が必要です。

例えば、取調べで作成される供述調書は裁判で重要な証拠となります。
ですので、意に反した供述調書が作成されてしまうと、裁判で不利な状況に陥る可能性が非常に高くなります。
そういった状況を避けるためには、取調べを受けるまでの間に、供述すべき内容を精査しておく必要があります。

とはいえ、初めての取調べで何もわからない不安な中、供述内容を整理することは不可能に近いと思います。
経験豊富な弁護士であれば、供述すべき内容かどうかを判断することができますので、取調べを受ける際や、取調べでご不安な方は、刑事事件に強い弁護士に相談をすることをお勧めします。

加えて、裁判では、証拠の収集が重要になってきます。
弁護士が収集した証拠によって、科される刑が軽くなる場合があるかもしれません。
また、傷害致死罪の容疑をかけられていても、弁護士が集めた証拠により故意性が否定され、傷害致死罪ではなく、過失致死罪などより刑罰が軽い罪が成立するかもしれません。
加えて、加害者による行為と被害者の死因の因果関係が認められない場合には、傷害致死罪は成立しません。
経験豊富な弁護士に相談をすることでより良い結果を得られる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害致死事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
関係者が逮捕勾留されている場合でも、最短当日に、弁護士が直接留置場や拘置所へ出張面会してアドバイスする初回接見サービスもご用意しています。
ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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