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【事例紹介】少年が邸宅侵入罪で逮捕

2023-09-05

空き家に侵入して勲章を3個盗んだとして、邸宅侵入罪、窃盗罪の容疑で少年が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

7月8日から8月5日までの間に、田原本町内の空き家に侵入し、勲章3個(時価合計4万5,000円相当)を盗んだとして、8月29日、男2人(30歳、16歳)をそれぞれ邸宅侵入、窃盗で通常逮捕しました
(9月4日の奈良県警察本部の発表)

邸宅侵入罪

邸宅侵入罪は、刑法第130条で「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と規定されています。

今回の事例では、容疑者2人が邸宅侵入罪窃盗罪の容疑で逮捕されています。
邸宅とはどういったものを指すのでしょうか。

邸宅とは何かを簡単に説明すると、人が生活をする目的で現に人が生活をしている建物を住居、人が生活をする目的で建てられた建造物で住居以外の建物を邸宅といいます。
例えば、人が住んでいる家は住居にあたりますし、空き家や使用していない別荘は邸宅に該当します。

ですので、大まかに説明すると、空き家などの所有者の許可や正当な理由なく、空き家などに侵入した場合に、邸宅侵入罪が成立します。

今回の事例では、空き家に侵入して勲章を盗んだとされています。
勲章を盗むのは空き家に侵入する正当な理由とはいえませんし、おそらく侵入するにあたって空き家の所有者の許可を取っていないでしょう。
正当な理由や所有者の許可のない空き家への侵入は邸宅侵入罪が成立しますので、今回の事例では、邸宅侵入罪が成立する可能性が高いです。

少年と逮捕

20歳未満の者が犯罪を犯した場合は、刑事事件ではなく少年事件として扱われます。
今回の事例の容疑者のうちの1人は16歳ですので、少年法が適用されることになります。
少年法が適用されるから逮捕されないということはなく、今回の事例のように、容疑者が16歳で少年法が適用される年齢であっても犯罪行為を行えば、逮捕される可能性があります。

通常の刑事事件では、逮捕されると72時間以内勾留の判断が行われ、勾留が決定した場合は最長で20日間、留置場で身柄を拘束されます。
少年事件の場合も、通常の刑事事件と同様に手続きが進みますので、勾留が決定すると通常の刑事事件同様に、最長20日間留置場で身体拘束を受ける可能性があります。
勾留が決定してしまうと、勾留期間中は家に帰ることはもちろんのこと、学校にも通えなくなってしまいます。
学校に通えないことで、学校の成績にも影響を及ぼす可能性が高く、留年してしまうおそれもあります。

弁護士は勾留が判断される前であれば、検察官や裁判官に意見書を提出することができます。
意見書では、勾留されて困ることや証拠隠滅のおそれがないことなどを検察官や裁判官に主張します。
弁護士の主張が認められることで、勾留が請求されなかったり、勾留請求が棄却された場合には、釈放されることになります。
釈放になれば、学校に通うことができますし、安心できる環境で捜査を受けることができます。

また、少年事件の場合は、勾留ではなく、勾留に代わる観護措置をとるように検察官に働きかけることができます。
勾留に代わる観護措置では、留置場ではなく少年鑑別所で身体拘束を受けることになります。
少年鑑別所は留置場とは違って、少年がどういった理由で犯罪を起こしたのかを解明することを主に行いますので、少年への配慮がなされます。
身体拘束中は親元を離れることになりますし、面会時間も制限されてしまいます。
ですので、少年への配慮がなされる勾留に代わる観護措置をとるように働きかけることで、少しでも少年が安心できる環境で捜査を受けることができるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っていますので、お子様が逮捕された場合や、捜査を受けた場合には、お気軽にご相談ください。

振込め詐欺の受け子で逮捕 即日対応可能な弁護士

2023-03-08

振込め詐欺の受け子で逮捕された事件について、即日対応可能な、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

~事件~
ある日、奈良県に住む会社員Aの自宅に、奈良県西和警察署の警察官から「息子さんを振り込め詐欺の受け子で逮捕した。」と電話がかかってきました。(フィクションです。)
Aは、奈良県の少年事件詐欺事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に息子の刑事弁護を依頼しました。

振り込め詐欺の受け子

何年も前から、全国的にオレオレ詐欺や、還付金詐欺、振り込め詐欺といった特殊詐欺が多発し、警察が注意を呼び掛けていますが、その被害がなくなることはありません。
それは、いくら警察が注意を呼び掛けて、犯人を捕まえても、捕まるのは受け子出し子といった詐欺グループの末端が多く、詐欺グループ全体の摘発にまで及ぶ事がほとんどないからです。

今回の事件で逮捕されたAの息子は、高校時代の友人に誘われて振り込め詐欺の受けをするようになり、指示された場所にキャッシュカードを受け取りに行った時に、待ち構えていた警察官に逮捕されたようです。

振り込め詐欺等の特殊詐欺の受け子、出し子で逮捕される少年は
①友達からの紹介で犯行に加わっている。
②詐欺グループの事を全く知らない。
③詐欺事件に加担している事すら知らされていない場合がある。
④逮捕された事件以外の余罪がある可能性が高い。
⑤広範囲に渡って事件を起こしているケースが多い。
等の特徴があります。

更生に向けての取り組み

振り込め詐欺の受け子、出し子で逮捕された少年から話を聞くと、休みの日や、夏休み、冬休み等の長期休暇を利用して、高額な報酬を求めて犯行に加わっている様で、中には「自分の行為が、振り込め詐欺に加担しているとは知らなかった。」という少年すらいます。
少年事件は、更生を目的にしているのでは、事件を起こした事を反省するだけでなく、今後、どの様に取り組んでいくかが、その後の処分に大きく影響します。
特に、アルバイト感覚で、無意識のうちに犯罪に手を染めている様な場合は、少年だけでなく、親御様と共に、生活環境を改める等、更生に向けて取り組む事が、その後の審判で大きく評価されます。

 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所少年事件に強い弁護士は、これまで振り込め詐欺等特殊詐欺逮捕された少年の刑事弁護活動を数多く手がけ、結果を残してきました。
未成年のお子様が、振り込め詐欺等の特殊詐欺事件の受け子、出し子で逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所少年事件に強い弁護士のご相談ください。
~少年事件のご相談はフリーダイヤル0120-631-881(通話料無料)にお電話を~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、奈良県内の警察署への初回接見に対応いたします。

【解決事例】盗撮行為で逮捕されるも不処分を獲得

2022-12-14

【解決事例】盗撮行為で逮捕されるも不処分を獲得された事件の解決事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件内容

高校生のA君は、奈良県内の商業施設で女性のスカート内を盗撮していたところ、警備員に捕まりました。
警備員に捕まった際、A君が激しく抵抗したことから、A君はその場で現行犯逮捕されて、商業施設を管轄する奈良県内の警察署に連行され、翌日まで留置されましたが、検察庁に送致されるまでに釈放されました。
(フィクションです。)

奈良県内の盗撮事件

まず、奈良県内の盗撮行為 奈良県の迷惑防止条例 で規制されています。

盗撮行為は、各都道府県の迷惑防止条例で規制されており、何処で事件を起こしたかによって適用される条例が異なり、また各都道府県の条例によって、規制内容や罰則規定が異なります。
奈良県の迷惑防止条例で規制されている盗撮行為の内容は

公共の場所や乗り物、住居、浴場、更衣室、便所その他の人が着衣等の全部または一部を着けない状態でいるような場所においての盗撮行為

で、他府県で規制されているような、盗撮目的のカメラの設置等については規制されていません。
また罰則規定は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

不処分を獲得

A君は、釈放後、何度か警察署に呼び出されて取調べを受けました。
そして家庭裁判所に事件が送致されてからは、少年審判までの間に、調査官の面談を受けるなどして調査を受けました。
警察に押収されたA君のスマートフォンからは、複数の盗撮画像が保存されており余罪についても家庭裁判所送致されていましたが、何れの事件も被害者の特定までは至っていませんでした。
弁護士はA君に、毎日日記を作成してもらい、その中でA君自身に事件を振り返り、どうして事件を起こしてしまったのかを深く考え、自分の行為を反省してもらったのです。
こうした更生に向けた取り組みを、弁護士を通じて家庭裁判所に報告したところ、A君は、不処分となりました。

奈良県の少年事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、奈良県内の少年事件を扱っている法律事務所です。
少年事件の手続きは、少年に対して罰を科せることではなく、少年の更生を目的に進んでいきますので、事件発覚後に、どういった取り組みを行うかで少年審判の結果が大きく異なってきます。
お子様が起こしてしまった刑事事件でお困りの親御様は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【解決事例】観護措置の取消しに成功した少年事件

2022-08-27

【解決事例】観護措置の取消しに成功した少年事件

【解決事例】観護措置の取消しに成功した少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件内容

奈良県香芝市に住む高校3年生のA君は、自分が女子高生だと偽ったアカウントを作ってネットゲームに参加し、そこで知り合った当時17歳の女子高生とSNSでやり取りをしていました。
そんな中でA君は、女子高生に対して性的な悩みを打ち明けるふりをして騙し、女子高生の裸の写真をダイレクトメールで送信させたのです。
それからしばらくしてアカウントを消去し、この女子高生との連絡を絶ったのですが、それからしばらくして、A君は児童ポルノ製造で警察に逮捕され、その後、観護措置によって奈良少年鑑別所に収容されてしまいました。
A君は高校の卒業試験を控えており、このまま観護措置による身体拘束が続いてしまうと、卒業試験を受けれなくなることから、A君の両親は観護措置の取消しを強く望んでいました。
そこで弁護士が、家庭裁判所に対して観護措置の取消しを求めたところA君は、卒業試験の期間中だけ一時点に観護措置が取消されて卒業試験を受けることができたのです。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

観護措置

観護措置」というのは、家庭裁判所が調査や審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、少年の心身の鑑別をしたり、緊急に少年の保護が必要である場合に、終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護するための措置です。
そしてこの観護措置には、2種類あります。

ひとつめが、家庭裁判所調査官の保護に付する措置です。
これを「調査官観護(または在宅観護)」といいます。
調査官観護は、少年の身柄を拘束することなく、少年を家庭等に置いたまま、調査官が随時少年と接触しながら、調査官の人格的影響力により、少年に一種の心理的拘束を与えることなどにより、観護の目的を達成しようとするものです。
しかし、調査官観護は、少年の身柄の保全としての実効性に乏しく、実務上調査官観護はめったにとられることはありません。

ふたつめは、少年鑑別所に送致する措置で、単に「観護措置」といったり「収容観護」と呼んだりします。
実務上は、「観護措置」といえば少年鑑別所に収容する措置を指すことが通例となっています。
観護措置は、少年を少年鑑別所に送致し、現実に少年を少年鑑別所に収容し身柄を保全しようとするものです。
少年鑑別所は、観護措置により送致された者等を収容し、医学・心理学・教育学・社会学その他の専門的知識及び技術に基づいて少年の鑑別を行うとともに、必要な監護処遇等を行うため、法務大臣の管理する国立の施設です。

奈良県の少年鑑別所

奈良法務少年支援センター(奈良少年鑑別所)
〒630-8102 奈良県奈良市般若寺町3
電話番号:0742-22-4830

観護措置の取消しを求める方は

このコラムのご覧の方で、お子様が観護措置によって奈良少年鑑別所に収容されている方、またそういったお子様の観護措置の取消しを求める親御様は、少年事件に強きと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に関する無料法律相談のご予約は

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間受付中)

までお気軽にお電話ください。

【解決事例】少年による強盗事件で観護措置を回避し不処分を獲得

2022-06-02

【解決事例】少年による強盗事件で観護措置を回避し不処分を獲得

【解決事例】少年による強盗事件で観護措置を回避し不処分を獲得した解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件概要

高校3年生のAさんは、同級生の友達にお金を貸したまま返してもらうことができず、連絡も途絶えたことから悩んでいました。
そんなある日、友人と奈良県生駒市のコンビニ行ったところ、偶然、お金を貸したまま連絡が途絶えていた同級生に出くわし、同級生に貸しているお金の返済を求めました。
しかしこの同級生がふざけてまともに取り合わないことから、Aさんは我慢できなくなり、同級生の顔面を一発殴り、同級生から財布を取り上げたのです。
そして取り上げた財布の中から貸していた1万円を抜き取りました。
この一連の行為が強盗罪に当たるとして、後日Aさんは奈良県生駒警察署に逮捕されました。
逮捕されたAさんは、10日間の勾留を受けたものの、選任した弁護士の活動によって観護措置が回避され、最終的に不処分で手続きを終えることができました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

強盗事件

Aさんのように、相手に対して適法に請求できるお金だとしても、それを奪い取ってしまえば犯罪になる可能性があります。
今回Aさんが逮捕された「強盗罪」は、刑法第236条に規定されている犯罪です。
強盗罪とは、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取することによって成立する犯罪です。
強盗の手段として用いられる、暴行や脅迫の程度は、相手の反抗を抑圧する程度のものではならず、そこまで強い暴行や脅迫が用いられなかった場合は、恐喝罪となる可能性が高いです。
また強盗の手段として用いた暴行行為によって相手が怪我をした場合は「強盗致傷罪」となります。
強盗致傷罪は、強盗罪よりも厳しい処罰が規定されている犯罪で、成人が強盗致傷事件を起こして起訴された場合は、裁判員裁判によって裁かれることとなり、有罪と認定されてしまうと、何らかの法律的な減軽事由がなければ、初犯であっても執行猶予を獲得することができない犯罪です。

観護措置の回避

刑事事件を起こして警察に逮捕、勾留された少年は、勾留期間の満期と同時に家庭裁判所に送致され、そこで観護措置の要否が判断されます。
勾留を受けている以上、観護措置が決定される可能性は非常に高いものですが、観護措置を決定と、勾留を決定する判断基準は異なりますので、弁護士が法律的な観点から裁判官に訴えることで観護措置を回避できることがあります。
実際に強盗罪で勾留を受けていたAさんは、強盗の事実を認めていましたが、弁護士の活動によって観護措置の決定はなされませんでした。

不処分

少年事件の手続きは、少年審判で処分が言い渡されて終結するのが一般的です。
この少年審判で言い渡される処分のうち、一番軽い処分が不処分です。
不処分とは、成人事件でいうところの無罪や不起訴とは異なりますが、あえて観護措置等の保護処分を科せなくても更生が期待できる少年に対して決定します。(こういった理由以外でも不処分となる場合もある。)

少年事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、警察に逮捕された少年に弁護士を即日派遣する初回接見のサービスをご用意しています。
初回接見サービスのご予約は

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初回接見サービスについては こちらを でご案内しております。

また本年4月より一部改正された少年法が施行されています。
改正少年法については こちら をご確認ください。

 

【解決事例】エレベーター内で女子高生にわいせつ行為 試験観察後の保護観察を獲得

2022-05-30

【解決事例】エレベーター内で女子高生にわいせつ行為 試験観察後の保護観察を獲得

エレベーター内で女子高生にわいせつ行為をはたらいたとして逮捕された少年について、試験観察後に保護観察を獲得した事件の解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件の概要

高校2年生のA君は、通学で利用している奈良市内の私鉄駅の構内にあるエレベーターの中において、女子高生の抱き付いて、スカートの中に手を入れる等のわいせつ行為をはたらいたとして、事件から3週間後に奈良県奈良西警察署強制わいせつ罪で逮捕されました。
A君は10日間の勾留後に観護措置が決定し奈良少年鑑別所に収容されましたが、その後の少年審判で試験観察となりました。
試験観察中を、自宅で過ごしたA君は、最初の審判から約4カ月後に再び行われた少年審判で保護観察を獲得することができました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

強制わいせつ罪

暴行や脅迫を用いて13歳以上の人にわいせつ行為をはたらけば強制わいせつ罪となります。
一般的に強制わいせつ罪でいうところ「暴行」とは、相手方の犯行を抑圧する程度のものとされていますが、必ずしも相手方の犯行を抑圧する程度であることまでは必要とされていません。
狭い密室のエレベーター内において、急に女子高生に抱き付くという行為は、強制わいせつ罪でいうところの「暴行」に該当すると考えて間違いないでしょう。

また強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」となっていますが、逆送後に起訴されて刑事裁判によって裁かれない限り、この法定刑が少年事件に適用されることはありません。

少年審判

試験観察

A君のような少年が刑事事件を起こせば、家庭裁判所に送致後は少年法に基づいた手続きが進み、検察庁に逆送されない限りは少年審判によって処分が決定します。(審判不開始といって少年審判が開かれない場合もある。)
少年審判では、少年が社会内で立ち直ることができるのか(保護観察)、それとも少年院等の矯正収容して教育しなければならないのかが判断されますが、その判断をすぐにできない場合に決定する暫定的な処分が「試験観察」です。
試験観察は、次回の少年審判まで社会内で生活する機会を与えられ、その様子を見たうえで、あらためて少年審判が開かれて少年の処分が決定します。

保護観察

少年審判で決定する保護処分の一種で、少年院等の施設に収容されることなく、定期的に保護司と面会して近況報告や指導を受ける等して、日常生活を送りながら更生に向けて取り組む保護処分のことです。

少年事件に強い弁護士

今回の弁護活動は、ご依頼いただいた当初、A君の年齢や起こした事件の内容からすると少年院送致の危険もありましたが、A君本人だけでなくご家族が事件を真摯に受け止め、更生に向けて積極的に取り組んでもらえたことから、試験観察を得ての保護観察を獲得することができました。
このコラムをご覧の方で、奈良市内の少年事件にお困りの方や、強制わいせつ事件を起こして逮捕されたお子様の弁護活動を希望される親御様は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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【解決事例】祖父に対する傷害事件で逮捕 不処分を獲得

2022-05-12

【解決事例】祖父に対する傷害事件で逮捕 不処分を獲得

【解決事例】祖父に対する傷害事件で逮捕された少年の不処分を獲得した解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件の概要

大学生のAさん(19歳)は、奈良県吉野郡に住む祖父の自宅を訪ね、トラブルになった末に祖父の顔面を殴りつけて軽傷を負わせました。
事件後Aさんは一度自宅に帰りましたが、そこに祖父からの通報を受けた奈良県吉野警察署の警察官が訪ねて来て、警察署に連行された後に傷害罪で逮捕されました。
逮捕された後に一度は傷害罪で勾留が決定していたAさんでしたが、弁護士が祖父から嘆願書を取り、裁判所に提出したところ、勾留が取り消され、その後の少年審判においては不処分を獲得することができました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

祖父に対する傷害事件

一昔前であれば「警察は民事不介入」と言われ、警察は、家庭内の事件や、身内同士の揉め事を刑事事件として扱うことに対して消極的でした。
しかし最近は違います。
どちらかと言えば警察は、家庭内の事件や揉め事を積極的に刑事事件として扱い、他人同士で起こった事件よりも厳しく対処する傾向にあります。
今回の事件においては、事件直後、被害にあった祖父が感情的になって警察に通報してしまっていましたが、その後、冷静さを取り戻した祖父はAさんの逮捕までを望んでおらず、家庭内で解決するつもりだったようです。

傷害事件

傷害事件は、刑法第204条に規定されている法律で、その法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
成人が傷害罪で起訴された場合はこの法定刑内の刑事罰が科せられることになりますが、まだ19歳の少年だったAさんに、この法定刑が科せられることはなく、警察庁から家庭裁判所に送致後は少年法に基づく手続きが進みます。

少年事件の手続きに関しては ⇒⇒こちらをクリック

不処分

少年事件の手続きは最終的に少年審判で処分が決定して終結する場合がほとんどです。
家庭裁判所の判断で少年審判が開かれない場合もありますが、少年審判が開かれた場合、そこで処分が決定するのです。
家庭裁判所が下す処分には、保護処分(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)、検察官送致、都道府県知事又は児童相談所長送致、不処分、審判不開始があります。
「不処分」とは、少年を保護処分や検察官逆送などの処分に付さずとも、少年の更生が十分に期待できる場合、少年を保護処分に付さないことをいいます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に関する法律相談を初回無料で承っておりますので、このコラムをご覧の方で、奈良県の少年事件でお悩みの方、少年審判で不処分を希望される方は

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少年法の一部が改正 本日より施行

2022-04-01

少年法の一部が改正 本日より施行

本日より施行される、一部が改正される少年法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

成年年齢を18歳に引き下げる改正民法の施行にともない、少年法の一部が改正されて、本年4月1日より施行されます。
本日は、まもなく施行される少年法の改正ポイントを少年事件を専門に扱っている弁護士が解説します。

ポイント1 「特定少年」の新設

これまでの少年法では、20歳未満が「少年」と定義され、少年法の適用を受けていました。
「少年」の定義に関しては改正後も変わりありませんが、18歳、19歳は「特定少年」と位置付けられて、17歳未満とは異なる手続きがとられます。

ポイント2 原則逆送事件の範囲拡大

これまでは、犯行時の年齢が16歳以上で故意の犯罪行為によって被害者を死亡させる事件を起こした少年が、原則逆送事件の対象となっていました。
改正後は、これに加えて死刑、無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件を起こした特定少年(犯行時の年齢が18歳、19歳)も原則逆送事件の対象となりました。
原則逆送事件の範囲が拡大されたのは、18歳、19歳の特定少年は、責任のある主体として位置付けられているため、16歳や17歳の少年よりも広く刑事責任を負わせることが適当だとされているからです。
原則逆送事件の対象となる事件は、これまで殺人罪や、傷害致死罪、危険運転致死罪等でしたが、これらに強盗罪や、現住建造物等放火罪、強盗罪等が加わります。

ポイント3 罰金以下のみに当たる罪の取り扱い

これまでは罰金以下のみに当たる罪を犯した少年の検察官送致は認められていませんでしたが、改正後は、特定少年に対しては、刑事処分相当であれば検察官に送致するものとされ、罰金以下に当たる罪についても検察官送致の対象となりました。
つまり特定少年の場合、犯してしまった犯罪(罪)に関わらず、検察官に送致される可能性が高まったことになります。

ポイント4 特定少年はぐ犯少年が適用されない

これまで犯罪(罪)を犯していない少年に関して、ぐ犯を理由に家庭裁判所で審理の対象となって保護処分を受けることがありましたが、改正後、特定少年に関しては、ぐ犯少年の規定が適用されることはありません。
これは審判時に特定少年に達しているかどうかが基準となるので、17歳時にぐ犯を理由に家庭裁判所に送致されても、少年審判前に18歳となった場合は、特定少年であることを理由に少年審判を受けることはありません。

ポイント5 推知報道について

少年法では、犯罪を犯してしまった少年の更生と保護を理由に、報道から事件を起こしてしまった少年がどこの誰であるかということを推測できるような報道(推知報道)を禁止しています。
しかし改正後は、特定少年に関しては推知報道の禁止から除外されます。
これは特定少年時に犯罪(罪)を犯した少年については、起訴された場合に、推知報道されることを意味しています。

本日は、4月から施行される改正少年法の主な改正ポイントについて解説いたしました。
この他にも、今回の改正によって変更されている内容があるので詳しくは

こちら⇒⇒クリック

で解説しています。

少年事件にお困りの方は

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所はこれまで数多くの少年事件を扱ってきた実績があり、犯罪(罪)を犯してしまった少年の更生に携わってまいりました。
少年事件にお困りの方は是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件に関する法律相談は

フリーダイヤル 0120-631-881

にて24時間、年中無休で承っております。
お気軽にお電話ください。

お子さんの公然わいせつ事件

2021-06-21

お子さんの公然わいせつ事件

20歳未満が起こした公然わいせつ事件を想定し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県奈良市学園南在住のAは、奈良県内の大学に通う18歳の大学生です。
Aは共通講義のレポートや部活などでストレスが溜まっていて、そのストレス発散を目的として、深夜に奈良市内学園南にある駅付近をうろつき、好みのタイプの通行人を見つけてその者に自分のズボンを下ろし、陰部を露出するという公然わいせつ事件を起こしてしまいました。
通報を受けて駆け付けた、奈良市学園南を管轄する奈良西警察署の警察官は、付近のパトロールをしていたところ目撃情報と一致するAに声掛けしたところ、Aが公然わいせつ行為を認めたため、緊急逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【公然わいせつ事件について】

自分の陰部を露出する行為は、迷惑防止条例違反や公然わいせつ罪に該当する行為です。
迷惑防止条例について、条文は以下のとおりです。
奈良県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例12条1項
 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しくしゆう恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。
 同3号 前二号に掲げるもののほか、卑わいな言動
(罰条は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金。)

条文に記載のとおり、公共の場所や乗物での事件であることを前提としています。
ちなみに、「卑猥な言動」というと言葉にして発したものを言うイメージを抱くかと思いますが、判例は、「社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいう。」としているため(札幌高裁平成19年9月25日)、陰部を露出するような行為は卑猥な言動にあたると言えるでしょう。

次に、公然わいせつ罪について、条文は以下のとおりです。
刑法174条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪の場合も条例違反同様に公然性が要件となっています。
ケースのAの行為は公然わいせつ罪にも条例違反にもあたる可能性があるため、いずれかの罪で刑事罰を科したり家庭裁判所に送致したりすることが可能です。

【少年事件について】

ケースのAは18歳の大学生を想定しています。
選挙権や民法改正により混同されがちですが、少年法は対象年齢を20歳未満としているので、20歳の誕生日を迎える前の方であれば、そのステイタス(高校生・大学生・社会人など)を問わず、少年事件として取り扱われます。

少年事件の場合でも、捜査段階では成人の刑事事件と同じく扱われるため、取調べや家宅捜索などが行われるほか、やむを得ない場合には被疑者を逮捕・勾留することができます。
検察官は、成人事件の場合は捜査が終了した時点で被疑者を起訴/不起訴の判断をすることになりますが、少年事件の場合は、家庭裁判所に送致しなければならないと定められています。

少年の送致を受けた裁判官は、家庭裁判所調査官に対して少年の調査を命じ、調査の結果審判が必要であると判断した場合には少年の審判を開きます。
少年の審判は、調査官の調査結果をもとに行われる非公開の審判廷ですので、関係者以外の傍聴は認められません。
成人の刑事事件で言い渡される刑事罰(死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・拘留・科料及び没収)ではなく、保護処分(少年院送致・保護観察処分・児童自立支援施設送致・各都道府県知事送致=児童相談所送致)や不処分が言い渡されます。

少年が罪を犯した場合、成人の刑事事件とは異なる手続きがとられるため、少年事件の経験が豊富な弁護士に弁護活動・付添人活動を依頼することをお勧めします。
奈良県奈良市学園南にて、お子さんが公然わいせつ罪などの事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

盗品等無償譲受罪で取調べ

2021-04-25

盗品等無償譲受け罪で取調べ

盗品等無償譲受けについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
奈良県大和郡山市に住む大学生のA(19歳)は、無職の友人からブランド物の財布をプレゼントとしてもらいました。
実はこの財布は、友人が落ちていた財布をそのまま使っていたものであることが判明し、Aは盗品等無償譲受けの罪で、奈良県郡山警察署から呼び出しを受けることになってしまいました。
友人が拾った物だとは知らずに財布を譲り受けた事を主張するAは、取調べの前に両親と共に刑事事件に強い弁護士の無料法律相談を受けることにしました。
(この事例はフィクションです)

盗品等無償譲受け

盗品譲受等の罪については、刑法第256条に規定されており、盗品その他財物に対する罪に当たる行為によって領得された物に対する罪が規定されています。
第256条第1項に規定されている盗品等無償譲受け罪で起訴されて有罪が確定すると「3年以下の懲役」が科されることになります。
なお、第256条第2項には、盗品等を運搬、保管、有償譲受、有償の処分あっせんした者について「10年以下の懲役及び50万円以下の罰金」が規定されています。

盗品その他財物に対する罪に当たる行為とは、窃盗罪や今回の事例の横領罪は当然のこと、詐欺罪や恐喝罪も対象となります。
また、財産罪によって領得された財物が盗品等となるのですが、ここにいう犯罪行為は、構成要件に該当する違法行為であれば足りるとされ、必ずしも有責であることを必要としません。
つまり財産罪を犯した犯人が、刑事未成年者であったり、親族間の犯罪に関する特例の適用によって刑の免除を受けていたりしても、盗品等無償譲受けの罪は成立することになるのです。
財産罪の実行行為に加担していた者は、財産罪の共犯となるので、盗品等の罪の主体にはなり得ませんが、財産罪の教唆者や幇助者は、財産罪の実行行為を分担するのではないので、盗品等の罪の主体となり得ます。

そして、盗品等無償譲受け罪故意犯となっています。
この罪が成立するには、行為者に盗品であることの認識がなければなりません。
この認識は、いかなる財産罪によって取得した物なのか、犯人や被害者が誰なのか等の詳細まで必要とされませんが、その財物が何らかの財産罪によって領得された物であることの認識は必要です。
そのため、今回のAのように盗品であることをまったく知らずに譲り受けたという主張が認められれば、盗品等無償譲受け罪は成立しない可能性があります。

少年事件の冤罪

少年事件は、逆送(家庭裁判所から検察庁に送致されて、成人と同じ刑事手続きが行われる)された事件を除いては、法律で定められた罰則規定にそって処分されることはありません。
少年事件では、家庭裁判所に送致後、一定の調査期間を経て審判が開かれ、そこで少年の保護処分が決定します。
審判では、成人事件での刑事裁判と同じく、裁判官によって処分が言い渡されます。
審判で、少年は、事件の内容についても主張する事ができます。
冤罪を主張する場合は、審判に検察官が参加し、その検察官と少年の意見を主張する付添人(弁護士)との争いになります。
その場合、通常なら1回で終わる審判が複数回に及ぶこともあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を専門に扱う法律事務所です。


奈良県大和郡山市盗品等無償譲受け事件でお困りの方、少年事件の冤罪を晴らす弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
ご家族が逮捕された場合に弁護士を派遣する初回接見、初回無料での対応となる法律相談のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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