【事例紹介】コンビニで万引きし呼び止めた人を押し倒して事後強盗罪で逮捕された事例
コンビニでパンなどを盗み、呼び止めた人に暴行を加えたとして事後強盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
4月8日早朝、奈良市内のコンビニエンスストアからパン等2点を盗み、さらに、これを発見した被害者に呼び止められた際、逮捕を免れるために被害者の体を押し倒す暴行を加えたとして、女(37歳)を事後強盗で現行犯逮捕しました。
(4月15日発表 奈良県警察WeeklyNews 「事後強盗で女を逮捕《奈良署》」より引用)
事後強盗罪
刑法第238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪は刑法第238条で規定されています。
簡単に説明すると、窃盗罪にあたる行為をした人が取り返されたり逮捕されないように、暴行や脅迫を行った場合には、事後強盗罪が成立します。
刑法第236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
刑法第236条1項では、強盗罪を規定しています。
事後強盗罪は強盗罪として扱われますので、有罪になると5年以上の有期懲役が科されます。
今回の事例では、奈良市内のコンビニでパンなど2点を盗んだ容疑者が逮捕を免れるために呼び止めた被害者の身体を押し倒す暴行を加えたとされています。
コンビニなどお店で料金を払わずに商品を盗む行為は窃盗罪が成立する可能性が高いですし、実際に容疑者がパンなどを盗んで逮捕を免れるために押し倒す暴行を加えたのであれば、事後強盗罪が成立する可能性があります。
万引きと事後強盗罪
万引きとは、お店で商品の代金を支払わずに盗む行為をいいます。
万引きでは多くの場合で窃盗罪が成立し、窃盗罪で有罪になった場合には、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます(刑法第235条)。
店員が万引きに気づいた場合、万引き犯を制止しようとするかもしれません。
制止してきた店員から逃げるために、暴行や脅迫を行うと、窃盗罪ではなく事後強盗罪が成立してしまうおそれがあります。
また、その際に店員にけがを負わせてしまうと、より刑罰の重い強盗致傷罪が成立してしまう可能性があります。
ちなみに、強盗致傷罪の法定刑は無期または6年以上の懲役(刑法第240条)ですので、強盗致傷罪で有罪になると、最悪の場合、無期懲役刑が科されてしまうおそれがあります。
万引きと聞くと罪が軽そうなイメージをもってしまいますが、窃盗罪は決して罪の軽い犯罪ではありません。
また、万引きの場合は盗んだ後の態様によっては事後強盗罪や強盗致傷罪など、窃盗罪よりも刑罰の重い罪に問われてしまう可能性があります。
窃盗罪では罰金刑が規定されていますが、事後強盗罪や強盗致傷罪には罰金刑の規定はありませんので、有罪になると必ず懲役刑が科されることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、刑の減刑や執行猶予付き判決の獲得など少しでも良い結果を得られる可能性がありますので、万引きなどの窃盗罪や事後強盗罪などでお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。