【事例紹介】カメラのデータを初期化して器物損壊罪で逮捕

【事例紹介】カメラのデータを初期化して器物損壊罪で逮捕

カメラ

データを初期化したとして器物損壊罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

2月29日夕方、奈良県内の塾講師控え室において、被害者所有の小型カメラに記録されたデータを初期化したとして、4月18日、男(20歳)を器物損壊で通常逮捕しました。
(4月19日 奈良県警察WeeklyNews 「器物損壊で男を逮捕《奈良西署》」より引用)

器物損壊罪

刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

刑法第258条では公用文書毀棄罪、刑法第259条では私用文書毀棄罪、刑法第260条では建造物損壊罪が規定されています。
器物損壊罪は、刑法第258条から260条で規定されている物を除いた、他人の物の効用を滅失させて利用を妨げた場合に成立する犯罪です。
「効用を滅失させて利用を妨げた」といわれても、いまいちピンとこないかと思いますので大まかに説明すると、器物損壊罪は他人の物を使用できなくさせた場合などに成立します。

例えば、自転車のタイヤをパンクさせた場合にはその自転車に乗ることはできませんから器物損壊罪が成立します。
また、食器に放尿された場合にも、心理的に再度使用することはできないでしょうから器物損壊罪が成立します。

今回の事例では、容疑者が被害者のカメラに記録されたデータを初期化したとされています。
カメラ本体を壊されたわけではなく撮影することは可能ですので、今回の事例は器物損壊罪にはあたらないように思われます。
ですが、初期化によって今までのデータが消えてしまっているため、今まで撮影した画像を現像することは不可能になっており、撮った画像を現像したり他の媒体に転送したりといったカメラの効用は失われたと考えられます。
撮影するだけでなく、今までの思い出を残しておけるものカメラの機能の1つでしょうから、故意にデータを初期化したのであれば、容疑者に器物損壊罪が成立する可能性があります。

器物損壊罪と親告罪

器物損壊罪告訴がなければ起訴されることのない犯罪です。(刑法第264条)
ですので、告訴を取り下げてもらうことができれば、刑罰を科されることはありませんし、前科も付きません。
だからといって加害者本人が告訴の取り下げをお願いしても、応じてもらえない可能性が高いと思われます。
弁護士を通じて、謝罪や賠償をすることで告訴を取り下げてもらえる場合もありますから、親告罪でお困りの方は弁護士に相談をしてみることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで不起訴処分を獲得できる場合がありますから、器物損壊罪などで捜査をされている方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー