Archive for the ‘暴力事件’ Category

仕事からの帰宅途中で背後から通行人の髪の毛を引っ張った事例②

2024-12-24

仕事からの帰宅途中で背後から通行人の髪の毛を引っ張った事例②

不安

背後から髪の毛を引っ張った事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住むAさんは仕事でうまくいかず、むしゃくしゃしていました。
帰宅途中に幸せそうに歩いているVさんを見かけ、Vさんに近寄り、背後からVさんの髪の毛を引っ張りました。
Vさんが叫び声をあげたため、Aさんは慌ててその場から逃げました。
その日の夜、Aさんは、Aさんの犯行が不審者情報として周知されたことを知り、Aさんは逮捕されないか不安になっています。
(事例はフィクションです。)

自主の成立とリスク

自主という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

刑法第42条1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

刑法第42条1項が規定するように、自主が成立した場合には、刑が減刑される可能性があります。
また、自首をした場合、自らが犯人だと名乗り出るわけですから、証拠隠滅や逃亡のおそれがないと判断される可能性があり、逮捕のリスクを少しでも下げられる可能性があります。

ただ、自らが犯人だと名乗り出たからといって、必ずしも自主が成立するわけではありません。
刑法第42条1項が規定するように、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前」に名乗り出る必要があります。
「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪が発覚する前犯人のだれであるかが判明する前(最高裁判所 判決 昭和24年5月14日)だとされています。
例えば、事件が起きたことが捜査機関に発覚していない場合や犯人の目星がついていない場合などに自主が成立することになります。
ですので、犯人が誰なのか見当がついている状態で、犯人だと名乗り出たとしても自主は成立しないことになります。

今回の事例では、Aさんの犯行が不審者情報として周知されているようですから、Aさんの犯行は捜査機関である警察署に発覚しているといえます。
この後、Aさんが警察に出頭した場合に、犯人が誰なのか見当が全くついていない状況であれば自主は成立するでしょうし、そうでないのであれば自主は成立しないことになります。

繰り返しになりますが、自主が成立することによって、科される刑が少しでも軽くなる可能性がありますし、逮捕を回避できる可能性もあります。
このように自主にはかなりのメリットがあるように思われます。

ですが、自首にはデメリットもあります。

自主をすると科される刑が軽くなる可能性がありますが、必ずしも軽くなるわけではありませんし、刑が軽くなったとしても、刑を科される以上は前科が付くことになります。
また、自主をしないことで、犯人だと発覚せずに済む場合もあります。

自ら犯人だと名乗り出る場合には、弁護士に相談をしメリットとデメリットをきちんと把握してから出頭するのが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
自主でお悩みの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

仕事からの帰宅途中で背後から通行人の髪の毛を引っ張った事例①

2024-12-18

仕事からの帰宅途中で背後から通行人の髪の毛を引っ張った事例①

不安

背後から髪の毛を引っ張った事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住むAさんは仕事でうまくいかず、むしゃくしゃしていました。
帰宅途中に幸せそうに歩いているVさんを見かけ、Vさんに近寄り、背後からVさんの髪の毛を引っ張りました。
Vさんが叫び声をあげたため、Aさんは慌ててその場から逃げました。
その日の夜、Aさんは、Aさんの犯行が不審者情報として周知されたことを知り、Aさんは逮捕されないか不安になっています。
(事例はフィクションです。)

暴行罪

刑法第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪とは、人に暴行を加え、相手がけがをしなかった場合に成立する犯罪です。
暴行とは、不法な有形力の行使だと言われています。
暴行で思い浮かべるであろう殴る行為は暴行の典型例だといえます。

今回の事例では、AさんがVさんの髪の毛を背後から引っ張ったようです。
人の髪の毛を引っ張る行為は不法な有形力の行使だといえ、暴行にあたります。
VさんはAさんの暴行によるけがは負っていないようですから、Aさんには暴行罪が成立すると考えられます。

不安なときはどうしたらいい?

刑事事件で不安な場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士に相談をすることで、今後の処分の見通しなどを確認することができますし、少しでも不安を和らげられる可能性があります。

暴行罪では、有罪になると、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます。
Aさんに前科がなければ、いきなり懲役刑が科されることはないかもしれませんが、懲役刑を免れても有罪になってしまうと前科は付くことになります。
前科が付くことで、現在の仕事を辞めなければならなくなってしまう可能性もあります。

弁護士による弁護活動で不起訴処分を得られる可能性があります。
不起訴処分とは、起訴しない処分のことをいいますので、不起訴処分を得られれば刑罰を科されることはありませんし、前科も付きません。

不起訴処分の獲得を目指す弁護活動として、示談交渉取調べ対策などが挙げられます。
おそらくAさんはVさんの連絡先を知らないでしょうから、示談交渉はVさんの連絡先を手に入れるところから始めなければなりません。
証拠隠滅や被害者保護の観点から、Aさんには被害者情報を教えてもらえない可能性がありますし、何より、被害者であるVさんがAさんと連絡を取りたくないと考えている可能性が非常に高いです。
加害者が直接被害者と連絡を取ることで証拠隠滅を疑われる可能性もあります。
弁護士が間に入ることで、円滑に示談が進む可能性がありますから、示談交渉は弁護士を介して行うことをおすすめします。

また、取調べが不安な方も多いのではないでしょうか。
弁護士と事前に取調べ対策を行い、供述内容を整理しておくことで、取調べへの不安を取り除けたり不利な証拠の作成を防げるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
暴行事件などの刑事事件でご不安な方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

器物損壊事件で警察に連行!

2024-11-12

器物損壊事件で警察に連行!

取調べ

事例

Aさんは、友人と奈良市内にある繁華街へ遊びに行きました。
Aさんは、お酒を飲んで陽気になり、路上で騒いでいたところ、車を運転していたVさんとトラブルになってしまい、Aさんはカッとなって、Vさんが乗車する車のミラーを手で叩いて破壊してしまいました。
Vさんは、すぐに警察を呼び、Aさんは駆け付けた警察官により、パトカーで警察署に連行されてしまいました。
(事例は事実に基づくフィクションです。)

器物損壊罪(刑法261条)

器物損壊罪とは、他人の物を損壊又は傷害することにより成立する犯罪です。
「物」とは、公用文書等毀棄罪(258条)、私用文書等毀棄罪(259条)、建造物等損壊罪(260条)の客体以外の全ての物を指し、動産だけでなく、不動産も含まれ、さらに、他人の動物も含まれます。
罰則は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処するとされています。

「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為をいい、物を嫌がらせ目的なので隠匿する行為も「損壊」に該当します。

「傷害」とは、動物に対する損壊行為を指し、他人の動物を殺傷したり、逃がしたりする行為がこれに該当します。
動物に対しては、器物損壊罪とは別に、動物愛護法違反の罪が成立する場合があることも注意しなければなりません。

本件事例における「車両」は、Vさんの「所有物」であり、手で叩いて破壊する行為は、ミラーの効用を害する行為だといえますので、「損壊」に該当します。
ですので、事例のAさんには器物損壊罪が成立する可能性があります。

警察に連行されれば・・・

警察署では犯行に至った経緯、どのような方法で破壊したかなどについて詳しく尋ねられます。
器物損壊事件を起こしてしまったとしても、必ず逮捕されるというわけではありません。
適切な身元引受人の用意できれば、逮捕されずに家に帰ることができる場合もあります。

逮捕されずに帰宅できた場合は、すぐに弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。

逮捕された場合

警察署で取調べを受けた後、逮捕されてしまう可能性もあります。
逮捕されている場合には、身柄解放活動を行う必要があるでしょう。

逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において、最長23日間もの間、留置場や拘置所に入らなければなりません。
身体拘束が長引けば長引くほど、Aさんの社会復帰が難しくなります。
そのため、一刻も早く外に出ることができるように、弁護士に身柄解放活動が大切になります。
「勾留をさせない活動」、「勾留後の釈放を目指す活動」など様々な活動があり、特に「勾留をさせない活動」は、逮捕後、早期に弁護士を付けることにより、初めて可能となる身柄解放活動です。

また、示談の締結も釈放に有利に働く可能性があります。
器物損壊罪親告罪(刑法第264条)ですから、告訴がなければ起訴されない犯罪になります。
ですので、仮にVさんとの間で示談が締結し、告訴を取り下げてもらえれば、Aさんは刑罰を受けず前科が付くことを避けることができます。
加害者本人が示談交渉を行うことでトラブルに発生したり、加害者本人からの連絡を拒まれる被害者もいます。
示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいといえます。

在宅で事件が進行する場合も、逮捕されてしまった場合であっても、Aさんにとってより有利に事件を解決するためには、弁護士のサポートが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件につき、初回無料で法律相談を受けていただくことができます。
事件を起こしてしまった方が逮捕されている場合には、初回接見(有料)のお申込みにより、弁護士がご本人のもとまで伺い接見を行います。
器物損壊事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

小学生の子どもを蹴って怪我を負わせ、逮捕された事例

2024-10-22

小学生の子どもを蹴って怪我を負わせ、逮捕された事例

児童虐待

児童虐待により、保護者が逮捕されたニュースというのは、ここ最近めずらしくないニュースになりました。
今回のコラムでは、児童虐待について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良市に住むAさんは、自宅で小学生の子どもを蹴り、怪我を負わせました。
Aさんの妻がAさんが子供に怪我を負わせた事を知り、警察に通報したことにより、Aさんは逮捕されることになりました。
警察は日常的に虐待していた可能性も含め、調べを進めています。
(事例は事実に基づくフィクションです。)

児童虐待

児童虐待の防止等に関する法律第2条
この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
一 児童の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすることまたは児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食または長時間の放置、保護者以外 の同居人による前二号または次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者とし ての監護を著しく怠ること。
四 児童に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配 偶者に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

児童虐待とは、親権者や未成年後見人などの「保護者」が、自ら監護する18歳未満の「児童」に対して暴行やわいせつな行為等をすることをいいます。
さらに、まともな食事を与えない、長時間の放置、拒絶的な対応も虐待と言え、配偶者への暴力や性的な行為を見せつける事によって児童にトラウマを植え付けてしまうことも児童虐待にあたる可能性があります。

児童虐待の防止等に関する法律(以下「児童虐待防止法」)では、児童虐待を禁止しています。(児童虐待防止法第3条)
児童虐待防止法では、第3条に違反した場合の罰則について規定されていませんが、だからといいって児童虐待をした際に罪に問われないわけではありません。
例えば、暴行を加えて怪我を負わせた場合には傷害罪が、わいせつ行為をした場合には監護者わいせつ罪などが成立する可能性があります。

傷害罪

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

大まかに説明すると、人に暴行などを加えて怪我を負わせた場合には、傷害罪が成立します。
人を蹴ったり、殴ったりする行為が暴行にあたります。
今回の事例では、子どもを蹴って怪我を負わせているようですので、Aさんに傷害罪が成立する可能性が高いといえます。

逮捕された場合における弁護活動

弁護活動では早期の身柄解放活動が重要となります。
軽い怪我を負わせたにとどまる傷害事件では、逮捕された場合であっても、比較的早期に釈放されることも少なくありません。

しかし、同居する子供を傷害した事件であって、日常的な虐待が疑われるケースについては別です。
早期に釈放すれば再び子供への虐待に及ぶおそれが非常に高く、証拠隠滅も比較的容易であるからです。
DVや虐待事件など、加害者と被害者との生活空間が近い場合には、身体拘束が長期化する可能性が高いということができます。

このような場合に早期の身柄解放を実現するためには、少なくとも事件が解決するまで、被害者のもとに戻らない、近付かないことを捜査機関、裁判所に主張し納得してもらう必要があります。
その方法の一例として、身元引受人を用意し、責任をもって釈放された被疑者を監督する旨を誓う上申書を作成して、捜査機関や裁判所に働きかけることが考えられます。

適切な身元引受人の選択、説得的な上申書の作成、捜査機関や裁判所への働きかけには、刑事事件に熟練した弁護士のサポートが役に立ちます。

ご家族への虐待の疑いで逮捕された場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後の弁護活動に関してアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に精通した法律事務所です。
ご家族が虐待の疑いで逮捕されお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ご相談ください。

コンビニ店員の接客に腹を立てて顔を殴り、傷害罪の容疑で逮捕された事例

2024-08-20

コンビニ店員の接客に腹を立てて顔を殴り、傷害罪の容疑で逮捕された事例

胸ぐら掴む

コンビニ店員を殴り、けがをさせたとして傷害罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県五條市にあるコンビニで買い物をしていたAさんは、店員の接客に腹を立て、思わず店員の顔を殴ってしまいました。
店員はAさんに殴られたことでけがを負っており、Aさんは駆け付けた奈良県五條警察署の警察官に傷害罪の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

傷害罪

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

傷害罪とは、簡単に説明すると、人に暴行などを加えてけがを負わせると成立する犯罪です。

今回の事例では、Aさんが店員を殴っています。
人を殴る行為は暴行に当たります。
Aさんが殴ったことで店員はけがを負っていますので、今回の事例のAさんには、傷害罪が成立する可能性があります。

傷害罪と不起訴処分

傷害罪などの刑事事件では、被害者に謝罪と賠償を行い、示談を締結することで、不起訴処分を獲得することができる場合があります。
不起訴処分とは起訴しない処分のこといいます。
刑事事件では、起訴され、有罪にならなければ刑罰は科されませんので、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰を科されることや前科がつくことはありません。

事件の加害者が直接被害者に謝罪と賠償を行い、示談を締結することは不可能ではないのですが、あまりおすすめできません。
加害者が被害者に接触することで証拠隠滅を疑われてしまうおそれがありますし、暴行を加えられた被害者が加害者に対して恐怖心をもっていることも少なくありません。
被害者が加害者に対して恐怖心を抱いている場合には、連絡を取ることでまた被害に遭うのではないかと心配になり、連絡を取ることすら拒絶されてしまう可能性が非常に高いです。

ですが、弁護士を介してであれば連絡を取ってもらえる場合があります。
弁護士が間に入ることで、新たなトラブルの発生を防止できる場合もありますから、示談交渉など被害者に連絡を取る際は弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
傷害事件などの刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得することができる可能性があります。
傷害事件でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

お金を無心されたことで心臓を複数回包丁で突き刺し死亡させた事例②

2024-06-25

お金を無心されたことで心臓を複数回包丁で突き刺し死亡させた事例②

ナイフ

前回のコラムに引き続き、心臓を複数回包丁で突き刺し、死亡させたとして殺人罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良市に住むAさんは常日頃、親戚のVさんからお金を無心されていました。
Vさんからの無心により貯金が底をついたAさんは、Vさんを許せなくなり、Vさんの心臓の辺りを狙って、複数回包丁で突き刺しました。
その後、Vさんは亡くなり、Aさんは殺人罪の疑いで奈良西警察署の警察官に逮捕されましたが、「Vさんを殺すつもりはなかった。」と容疑を否認しました。
(事例はフィクションです。)

裁判員裁判

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」といいます)第2条1項では、「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件」「裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)」について、裁判員裁判を行うと規定しています。

前回のコラムで解説したように、今回の事例では殺人罪が成立する可能性があります。
殺人罪の法定刑は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役(刑法第199条)ですので、「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件」に該当するため、殺人罪の容疑で起訴された場合には裁判員裁判が行われることになります。

裁判員裁判とは、簡単に説明すると、一般の国民から選出された裁判員が参加する裁判のことをいいます。
裁判員裁判では、裁判に向けて特殊な手続きが必要であったり、裁判員へのアピールが重要になったりと、通常の刑事裁判とは異なります。
ですので、殺人罪のような裁判員裁判が開かれる事件の場合には、刑事事件の豊富な弁護経験をもつ弁護士に相談をすることが重要になります。

裁判員裁判では、必ず公判前整理手続が行われます。
裁判員裁判は短期間で集中して裁判が行われるため、事前に公判前整理手続を行うことで、争点や証拠を明確にさせます。
原則として、公判前整理手続で提出しなかった証拠は後から出すことはできません。
ですので、有利に働く証拠を逃さないためにも刑事事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいといえます。

また、裁判員裁判では、裁判官と裁判員の双方の意見を含む過半数の意見で判決が決まります。(裁判員法第67条1項)
ですので、裁判員裁判では裁判官だけでなく、わかりやすい言葉や証拠を用いるなど裁判員に向けたアピールも必要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に精通した弁護士事務所です。
初回接見サービス無料法律相談を行っていますので、殺人事件などの裁判員裁判の対象となるような刑事事件でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

お金を無心されたことで心臓を複数回包丁で突き刺し死亡させた事例

2024-06-18

お金を無心されたことで心臓を複数回包丁で突き刺し死亡させた事例

ナイフ

心臓を複数回包丁で突き刺し、死亡させたとして殺人罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良市に住むAさんは常日頃、親戚のVさんからお金を無心されていました。
Vさんからの無心により貯金が底をついたAさんは、Vさんを許せなくなり、Vさんの心臓の辺りを狙って、複数回包丁で突き刺しました。
その後、Vさんは亡くなり、Aさんは殺人罪の疑いで奈良西警察署の警察官に逮捕されましたが、「Vさんを殺すつもりはなかった。」と容疑を否認しました。
(事例はフィクションです。)

殺人罪

刑法第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

殺人罪を簡単に説明すると、人を殺す意思をもって人を殺すと成立する犯罪です。

今回の事例では、AさんがVさんの心臓を狙って複数回包丁で刺しています。
Aさんは「Vさんを殺すつもりはなかった」と容疑を否認しているのですが、Aさんに殺人罪は成立するのでしょうか。

繰り返しになりますが、殺人罪が成立するためには、加害者が殺す意思をもって被害者に危害を加えている必要があります。
ですが、加害者が犯行当時に被害者を殺そうと思っていたかどうかは加害者以外知りようがなく、加害者が殺す意思はなかったと否定すれば、殺人罪が成立しないことになってしまいます。

では、殺す意思があったかどうかをどのように判断するのでしょうか。

殺す意思があったかどうかは、加害者の供述だけでなく、凶器の有無や危害を加えた箇所、危害を加えた回数、動機の有無などから総合的に判断されます。

今回の事例では、お金を無心されることに許せなくなり、心臓を狙って包丁で複数回刺しています。
AさんはVさんを殺したいと思う動機があるように思えますし、包丁で急所である心臓を複数回刺せば人が死んでしまうことは容易に想像できるでしょう。
Aさんは恨みをもっているVさんに、殺してしまう可能性が高い行為を行っているわけですから、殺す意思がなかったと否認していたとしても殺す意思があったと判断され、殺人罪が成立する可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
殺人罪などの刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】駐車場で顔面を殴打してけがを負わせた事例 奈良県香芝市

2024-06-06

【事例紹介】駐車場で顔面を殴打してけがを負わせた事例 奈良県香芝市

胸ぐら掴む

事例

(前略)香芝市内の駐車場において、被害者の顔面を殴打してけがをさせたとして、6月3日、男(40歳)を傷害で現行犯逮捕しました。
(6月5日 奈良県警察WeeklyNews 「傷害で男を逮捕《香芝署》」より引用)

傷害罪

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

傷害罪とは、簡単に説明すると、人に暴行を加えてけがを負わせた場合などに成立する犯罪です。

今回の事例では、容疑者が被害者の顔面を殴打してけがをさせたとされています。
人を殴る行為は暴行にあたりますので、実際に容疑者が被害者を殴打してけがを負わせたのであれば、容疑者に傷害罪が成立する可能性があります。

傷害罪と不起訴処分

刑事事件では不起訴処分という起訴しない処分があります。
不起訴処分を獲得することができれば、刑罰を科されませんし、前科も付きません。

この不起訴処分を獲得するためには、取調べ対策や被害者との示談の締結などが重要になってきます。

取調べでは、供述した内容を基に供述調書が作成されます。
警察官などの誘導に乗ってしまい、意に反した供述調書が作成されてしまうと、起訴・不起訴の判断の際に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
加えて、この供述調書は裁判で証拠として使用されますので、後の裁判で不利に働く可能性もあります。
事前に弁護士に相談をすることで、そういった事態を避けられる可能性がありますから、取調べを受ける際は、事前に弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

また、被害者が知人である場合には、直接被害者に連絡を取って示談交渉を行う方もいらっしゃるかもしれません。
加害者が直接、被害者と連絡を取ることで、証拠隠滅を疑われたり、思わぬトラブルに発展してしまうおそれがあるため、加害者自らが示談交渉を行うことはあまりおすすめできません。
弁護士が間に入ることでトラブルを避けられる可能性がありますし、一度、示談を断られた場合でも再度弁護士が示談交渉を行うことで、示談に応じてもらえる場合があります。
ですので、示談を考えている方は、一度、弁護士に相談をしてみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
傷害罪でお困りの方、取調べ示談でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】カメラのデータを初期化して器物損壊罪で逮捕

2024-04-23

【事例紹介】カメラのデータを初期化して器物損壊罪で逮捕

カメラ

データを初期化したとして器物損壊罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

2月29日夕方、奈良県内の塾講師控え室において、被害者所有の小型カメラに記録されたデータを初期化したとして、4月18日、男(20歳)を器物損壊で通常逮捕しました。
(4月19日 奈良県警察WeeklyNews 「器物損壊で男を逮捕《奈良西署》」より引用)

器物損壊罪

刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

刑法第258条では公用文書毀棄罪、刑法第259条では私用文書毀棄罪、刑法第260条では建造物損壊罪が規定されています。
器物損壊罪は、刑法第258条から260条で規定されている物を除いた、他人の物の効用を滅失させて利用を妨げた場合に成立する犯罪です。
「効用を滅失させて利用を妨げた」といわれても、いまいちピンとこないかと思いますので大まかに説明すると、器物損壊罪は他人の物を使用できなくさせた場合などに成立します。

例えば、自転車のタイヤをパンクさせた場合にはその自転車に乗ることはできませんから器物損壊罪が成立します。
また、食器に放尿された場合にも、心理的に再度使用することはできないでしょうから器物損壊罪が成立します。

今回の事例では、容疑者が被害者のカメラに記録されたデータを初期化したとされています。
カメラ本体を壊されたわけではなく撮影することは可能ですので、今回の事例は器物損壊罪にはあたらないように思われます。
ですが、初期化によって今までのデータが消えてしまっているため、今まで撮影した画像を現像することは不可能になっており、撮った画像を現像したり他の媒体に転送したりといったカメラの効用は失われたと考えられます。
撮影するだけでなく、今までの思い出を残しておけるものカメラの機能の1つでしょうから、故意にデータを初期化したのであれば、容疑者に器物損壊罪が成立する可能性があります。

器物損壊罪と親告罪

器物損壊罪告訴がなければ起訴されることのない犯罪です。(刑法第264条)
ですので、告訴を取り下げてもらうことができれば、刑罰を科されることはありませんし、前科も付きません。
だからといって加害者本人が告訴の取り下げをお願いしても、応じてもらえない可能性が高いと思われます。
弁護士を通じて、謝罪や賠償をすることで告訴を取り下げてもらえる場合もありますから、親告罪でお困りの方は弁護士に相談をしてみることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービス無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで不起訴処分を獲得できる場合がありますから、器物損壊罪などで捜査をされている方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】介護施設で両脚を蹴り、壊死など全治約100日間のけがを負わせた事例

2024-03-19

【事例紹介】介護施設で両脚を蹴り、壊死など全治約100日間のけがを負わせた事例

手錠とガベル

介護施設で入所者に壊死などのけがを負わせたとして傷害罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

勤務先で入所者に暴行してけがを負わせたとして、奈良県警五條署は11日、五條市、元介護施設職員の男(43)を傷害容疑で逮捕した。「注意を聞き入れてくれず、かっとなった」と容疑を認めている。
発表では、男は昨年12月16日、五條市内の施設で、80歳代の女性の両脚を複数回蹴るなどして、皮膚壊死など全治約100日間のけがを負わせた疑い。
(後略)
(3月13日 読売新聞オンライン 「勤務先で80代入所者の両脚蹴る、全治100日間のけが…元介護施設職員の男「かっとなった」」より引用)

傷害罪

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

傷害罪は簡単に説明すると、暴行を加えて人にけがを負わせると成立します。

今回の事例では、容疑者が被害者の両脚を複数回蹴るなどして全治約100日間のけがを負わせたとされています。
人を蹴る行為は暴行にあたりますし、複数回蹴ったことで全治100日間のけがを負わせているようなので、実際に容疑者が被害者を蹴ってけがを負わせたのであれば、傷害罪が成立する可能性が高いといえます。

傷害罪と裁判

傷害罪は懲役刑も規定されており、刑罰の軽い犯罪だとはいえません。
懲役刑が規定されていますので、当然、傷害罪で有罪になった場合には罰金で済まずに懲役刑が科される可能性があります。

今回の事例では、被害者は壊死など全治約100日のけがを負っているようです。
全治100日のけがはかなりの重症ですから、被害は相当大きいといえます。
また、事件当時、容疑者は介護施設の職員だったようですから、立場を利用した犯行だと捉えられて悪質性が高いと判断されるおそれがあります。
ですので今回の事例では、報道が事実なのであれば、被害が軽いとはいえず、悪質性が高いと判断されて実刑判決が下されてしまう可能性もないとはいえないと思われます。

懲役刑が下されてしまうと絶対に刑務所に行かなくてはいけないのかと言われるとそうではありません。
執行猶予付き判決を獲得することができれば、懲役刑が下されたとしても刑の執行が猶予されます。
刑事事件では、被害者と示談を締結することで、執行猶予付き判決の獲得に有利に働く可能性があります。
傷害事件では、被害者は加害者によってけがなどを負わされているわけですから、加害者に対して恐怖を抱いている可能性があり、加害者本人が直接被害者に連絡を取ることはあまりおすすめできません。
謝罪や賠償のためであっても、加害者本人が被害者に連絡を取ることで証拠隠滅を疑われる可能性もあります。
弁護士に示談交渉を任せることでトラブルなどを防げる場合がありますから、示談交渉をする際は一度弁護士に相談をすることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所傷害事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
執行猶予付き判決を得るには取調べ対応なども重要になってきます。
傷害事件に精通した弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を得られる可能性がありますから、傷害罪の容疑をかけられている方は一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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