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人為的な要因で火災が発生したら?

2021-10-18

人為的な要因で火災が発生したら?

人の行動によって火災が発生した場合に問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県奈良市在住のAは、奈良市内の会社に勤める会社員です。
ある朝、Aの自宅に奈良市内を管轄する奈良西警察署の警察官が自宅に来て、「奈良市内で起きた火災の件で話を聞きたい」と言われました。
Aは、心当たりについて、警察官に説明をしました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【故意に火を付けた放火事件の場合】

人為的に(人がとった行動によって)発生した火災の場合、その行動が故意(意図的にとった行動)によるものか、過失(不注意)によるものかによって罪が異なります。
この章では、故意に火を付けた放火事件について検討します。

放火事件の場合、放火した対象物の性質によって罪が異なります。
①現住建造物等放火罪
現に人が住居として使用している建造物、現に人がいる建造物、鉄道・艦船・鉱坑(石炭などを掘り起こすために掘られた穴)に放火した場合には、現住建造物等放火罪が適用されます。
現住建造物等放火罪は殺人罪と同じ刑罰が用意されていて、たとえ実際に死傷者が出ていなかった場合にも成立します。
また、建造物等が自分の所有物か別の者の所有物かという点は問題となりません。

罰条:死刑または無期若しくは5年以上の懲役

②非現住建造物等放火罪
①には当たらない建造物を放火した場合には、非現住建造物等放火罪が適用されます。
家畜小屋や神社など、人が住んでいないような場所に放火をした場合がこれにあたります。
これは、自己所有の建造物等であるか他人の所有する建造物等であるかによって、罰条が異なります。

⑴他人所有の建造物等に放火した場合
罰条:2年以上(20年以下)の有期懲役
⑵自己所有の建造物等に放火した場合
罰条:6月以上7年以下の懲役
※但し、公共の危険を生じさせなかった場合は罰しないとされています。

③建造物等以外放火罪
①、②以外の物を放火したことで、公共の危険を生じさせた場合には、建造物等以外放火罪に処せられます。
これも②と同様に対象物が自己所有の物か他人所有の物かによって罰条が異なります。

⑴他人所有の建造物等以外を放火した場合
罰条:1年以上10年以下の懲役
⑵自己所有の建造物等に放火した場合
罰条:6月以上7年以下の懲役

④延焼罪
自己所有の非現住建造物等、又は自己所有の建造物等以外を放火した場合に、結果として現住建造物等や他人所有の非現住建造物等に燃え広がってしまった場合には、延焼罪が成立します。

罰条:3月以上10年以下の懲役

【故意ではないが火災になってしまった失火事件の場合】

放火事件ではないものの、過失により(不注意で)火災に発展するということも少なくありません。
たとえ故意ではなかったとしても、失火により火災が生じた場合には、失火に関する罪に問われます。
失火罪は、①及び②のうち⑴に該当する建造物が火災の対象となった場合には刑法116条1項に規定されている失火罪に、②⑵及び③に該当する建物や物が火災の対象となった場合については「公共の危険を生じさせた」場合は同法2項に規定されている失火罪にあたり、それぞれ処罰の対象となります。

罰条:50万円以下の罰金

【仕事中などに発生した失火事件は重い罪に】

工場の現場責任者や飲食店の調理師など、「職務として火気の安全に配慮すべき社会生活上の地位」がある方が失火事件を起こしてしまった場合、業務上失火罪が適用されます。
また、その立場に関わらず、重大な過失によって失火事件を起こしてしまった場合には、重過失失火罪に処せられます。
両者は、①及び②⑴に該当する建造物が対象ですので、非現住建造物や建造物等以外の失火については通常の失火罪で処罰されます。
業務上失火罪重過失失火罪は、通常の失火罪に比べて重い罪に問われます。

罰条:3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金

【放火事件・失火事件で弁護士へ】

現住建造物等放火罪非現住建造物等放火罪建造物等以外放火罪失火罪業務上失火罪重過失失火罪など、人為的な行動によって発生した火災は、火災の対象となる建物や物によって、あるいはその人の立場によって、罪が大きく異なります。
ご自身が放火等の罪や失火等の罪で捜査を受けている方、あるいは家族が放火等の罪や失火等の罪で逮捕・勾留されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

悪質なレビューで家宅捜索

2021-10-07

悪質なレビューで家宅捜索

インターネットやSNSなどを通じて悪質なレビューを書いた場合に問題となる罪と、捜査機関が行う家宅捜索について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県奈良市在住のAは、奈良市内の会社に勤める会社員です。
Aは昼休みに職場近くの飲食店Vに行ったところ、利用客が多く、席が空くまで待っていました。
しかし、食事を終了しても席を立たない客がいたため、Aは店員に注意するよう促しましたが、店員は一言声をかけただけで客は動かなかったため、Aは食事をすることが出来ずコンビニエンスストアで食事を買って職場に戻りました。
一連の店員の行動に納得がいかなかったAは、家に帰ってから、自身のスマートフォンでフリーアドレスをいくつも作成し、それぞれのアカウントで飲食店のレビューを書き込むサイトにログインし、飲食店Vに低評価を付けたうえで当日の出来事を書いただけでなく、別のアカウントでは「不衛生な店である」など実際には体験していない内容を書き連ねました。

ある日、Aの自宅に奈良市内を管轄する奈良西警察署の警察官が来て、令状を提示されたうえで家宅捜索が行われました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【レビューで問題となる罪】

飲食店等をはじめ、各お店の情報や書籍、商品などを掲載しているインターネットサイトや地図アプリなどを通じて、各お店の評価(レビュー)を全世界に発信することができるようになりました。
レビューには、良い評価を付けることもできますが悪い評価を付けることもできます。
悪い評価を付けることは、その後店を利用しようと思う人が閲覧することができるため、ともすれば「このレビューを見たからこの店に行くのをやめよう」「評価が悪いからこの本を買うのはよそう」といった消費者の判断に繋がります。

レビューである以上、自分が店に訪れて感じたこと、商品を購入して気付いたこと、書籍を購入して思ったことについて、時として良くないと思った点を書き込むということは、そのサイトやアプリの活用法として全うであり、正当な行為であることから何かしらの罪に当たるということはありません。
但し、実際には経験をしていないことを書き込んだり、いくつものアカウントを作成して悪い評価を数多くつけることは、偽計業務妨害罪や信用妨害罪にあたります。

ケースについて検討すると、実際にAが店を訪れることで経験したことを書いて悪い評価を付けているという点においては、罪にあたることはありません。
しかし、
・実際にV店で経験をしたことがないことを書き込んで悪い評価を付けた
・Aが一人で複数のアカウントを作成し、複数人の者がV店に悪い評価を付けたように思わせた
という点で、「偽計」を用いてV店の業務を妨害したと評価され、偽計業務妨害罪で掲示し罰を受ける可能性があります。
偽計業務妨害罪の条文は以下のとおりです。

刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

【家宅捜索とは】

家宅捜索は、捜査機関が証拠物や被疑者を発見するため、人の身体、物又は住居その他の場所について調べる「捜索」と、捜索した証拠物を押収する「差押え」という2つの側面を有する捜査活動です。
裁判所が発付する令状(通常は「捜索差押許可状」という書類が用いられます。)に基づき行われます。
令状が発付されている以上、家宅捜索を拒むことはできず、警察官等の家宅捜索を妨害した場合には公務執行妨害罪に問われることもあります。

家宅捜索で押収されるものは、主として
・犯行に使われた凶器、所持が禁止されている薬物や拳銃等
・犯行当時に着用していた衣服や靴
・スマートフォンやパソコンなどの電子端末
などが挙げられます。
これらは、捜査のために捜査機関で保管されるほか、電子端末については解析が、薬物の場合は科学捜査研究所での成分分析が行われます。

家宅捜索の対象は被疑者の自宅等のほか、車の中や勤務先などで行われる場合もあります。

奈良県奈良市にて、インターネットサイトやSNSで悪質なレビューを繰り返したことにより偽計業務妨害などの罪に問われていて、家宅捜索を受けた方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

脱税で検察官が逮捕?

2021-10-04

脱税で検察官が逮捕?

脱税をした場合に問題となる罪と、警察官以外の公務員から逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県奈良市在住のAは、奈良市内の自宅で個人事業主として仕事をしています。
基本的にはAが仕事をして、配偶者であるXが経理を担当していました。
その際、Aは納税額を少しでも抑えようと考え、経費を架空計上することで経営利益を少なく見せていました。
ある日、奈良市内の自宅に検察官と検察事務官が来て、AとXは所得税法違反で通常逮捕されました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【税金について】

我が国では憲法29条各項で財産権が認められていて、その財産は侵されないことになっています。
しかし、その例外として、同じく憲法で、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と定められています。(憲法30条)
数としては46種類ほどの税金がありますが、代表的なものとしては
所得税・法人税・住民税・消費税・酒税・たばこ税
などが挙げられます。
上記の46種類は、国税と地方税に大別されます。
国税は全国一律で徴収される税金ですが、地方税(例えば、ゴルフ場利用税や入湯税など)は自治体の裁量で徴税することができることとされています。

【脱税について】

前述のとおり、日本には納税の義務があり、算定率に従って正しく税金を納める必要があります。
このうち、例えば消費課税(消費税や酒税、たばこ税、揮発油税など)については消費者が購入する段階で商品代金と一緒に支払っているため、消費者は適切な税金を支払っています。
しかし、所得税や法人税については、実際の収益に応じた算定率に基づいて納税をする必要があります。

「クロヨン」や「トーゴーサン」という言葉を御存じの方も多いでしょう。
会社員などの給与所得者は源泉徴収というかたちで税額が控除されるのに対し、自営業者や農林水産業従事者は捕捉率が低い(その収入や経費を税務署が追うことに限界がある)ことから、収入を少なく見せたり経費を多く見せたりするなどの方法により、脱税が行われる場合があります。

ケースの場合は、Aが経費の架空計上を行っていることから、下記の条文が問題となります。

所得税法238条1項 偽りその他不正の行為により、第百二十条第一項第三号(確定所得申告)に規定する所得税の額…若しくは第百七十二条第一項第一号若しくは第二項第一号…に規定する所得税の額につき所得税を免れ…た者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

【なぜ警察官以外が逮捕?】

逮捕には緊急逮捕、現行犯逮捕と通常逮捕があります。
このうち通常逮捕は、裁判所が発付する令状に基づいて行われる逮捕です。
逮捕状を請求できる人、逮捕状に基づいて逮捕を執行できる人は限られていて、どちらも警察官が行う場合が一般的です。
しかし、ケースの場合は検察官・検察事務官が逮捕のため自宅に来ています。
これはなぜでしょうか。

まず、脱税などの事件を取り扱うのは、主に国税局の国税専門官(国税調査官・国税査察官など)です。
脱税の場合、税務調査により申告漏れ等の調査をして修正を促す場合もありますが、金額が大きい場合や手口が悪質な場合には査察調査(犯則調査)を行い刑事裁判にかけることができます。
査察調査は国税査察官によって行われます。
査察調査には任意調査と強制調査があります。
任意調査では、帳簿などの必要書類を任意で提出させたり質問調査が行われます。
強制調査では、裁判所が予め発付した令状に基づく証拠物件の捜索・差押が行われます。

但し、国税専門官が行う調査は捜査とは異なります。
国税専門官は司法警察職員ではないため、正式な捜査を行うことはできません。
査察調査によって脱税などの嫌疑が濃厚になり、国税査察官が刑事事件化して刑事罰を科す必要があると判断した場合、検察官に事件を「告発」します。
告発を受けた担当検察官は捜査を行い、必要に応じて被疑者を逮捕します。

一連の流れで警察官は捜査に関与しません。
捜査を行うのは検察官であり、検察官や検察事務官には逮捕権が認められているため、ケースのような脱税事件の場合には検察官や検察事務官が逮捕するということになるのです。(刑事訴訟法199条1項)

脱税事件は、高額の場合など悪質性の高い事案については、ケースのように告発され検察官や検察事務官から逮捕される場合があります。
そして、金額次第では初犯であっても実刑判決を受ける恐れもある罪名です。
査察調査が始まっている方や、家族が突然脱税などの事件で逮捕され場合には、すぐに弁護士に依頼をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は奈良市内の刑事事件に対応している弁護士事務所です。
奈良市内で脱税などの刑事事件でお困りの場合、弊所フリーダイヤルに御連絡ください。

冤罪事件でポリグラフ検査を受けることに

2021-08-23

冤罪事件でポリグラフ検査を受けることに

実際には起こしていない刑事事件の被疑者として扱われているいわゆる冤罪事件と、ポリグラフ検査について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県生駒市在住のAは、生駒市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aの自宅に生駒市内を管轄する生駒警察署の警察官が自宅に来て、お話が聞きたいから警察署まで来てくれないかと言われました。
Aは仕事があるからすぐにはいけないと回答し、警察官に連絡先を伝えて後日出頭することになりました。
心当たりがないままに出頭したところ、Aは「奈良市内のコンビニエンスストアで忘れ物の財布が無くなった」という事件の捜査対象になっていることを伝えられ、Aは否認したところ「防犯カメラにはあなたしか映っていないんですよ。」「そこまで頑なに否認するのであれば、次回はポリグラフ検査を行います。」と言われました。
不安と憤りを覚えたAは、刑事事件専門の弁護士に、無料相談を依頼しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【冤罪事件とは】

冤罪は、実際には起こしていない事件に於て被疑者として捜査を受ける場合を指します。
過去には死刑判決を受けたて47年にも亘り収監されたのち、再審請求で釈放を言い渡されたという事件などもある重要な課題です。

冤罪事件の多くは、客観証拠に乏しく証拠収集が容易ではない事件です。
今日では科学技術の発展や防犯カメラ設置台数の増加により客観的な証拠の正確性が高くなっているため、冤罪事件そのものは少なくなっている可能性が高いですが、2004年に殺人罪で有罪判決を受けた看護助手の方が12年もの間服役し、その後に無罪判決が言い渡されるなど、冤罪は今日でも、誰でも、起こり得ることなのです。

【ポリグラフ検査とは?】

ポリグラフ検査とは、睡眠時無呼吸症候群などで用いられる検査手法の一環で、刑事事件で被疑者が否認している場合の取調べにも用いられることがあります。

捜査で用いられるポリグラフ検査では、被疑者の取調べに際し、質問ごとの心拍数や呼吸回数、発汗などのデータを取得します。
まず、ポリグラフ検査は供述拒否権(黙秘権)に関わる内容でもあることから、捜査をする場合には被疑者の同意を要します。
ポリグラフ検査の捜査そのものは科学捜査研究所の技師など専門家が行い、汗や呼吸数、心拍数などの生理学データを収集することが目的です。
なお、ウソ発見器という言葉は正確ではなく、被疑者の記憶を確認するものであり、●●の質問に於て、被疑者は自分の記憶と異なった回答をしている、ということを証明するものです。

【ポリグラフ検査の証拠能力】

ポリグラフ検査の証拠能力について、判例は「同意のあつたポリグラフ検査結果回答書は、その検査結果が検査者の技術経験、検査器具の性能に徴して信頼できるものであり、かつ、検査の経過および結果を忠実に記載したものであるとき(原判文参照)は、証拠能力がある。」と判示しています。(昭和42年(あ)2188号 最高裁決定)

【冤罪事件での弁護活動】

被疑者側が冤罪を主張した場合、捜査機関は圧迫感を覚える取調べを行ったり、嘘の説明をするなどして被疑者から事件について認める旨の供述を引き出そうとします。
弁護士としては、違法な取調べが行われた場合には厳重に抗議したり、状況に応じた黙秘権のアドバイスをするなどして、被疑者の意に反した供述調書の作成を回避するよう努めます。
また、供述調書などが既に作成されている場合については、裁判でその信用性を争うなどの対応が必要です。

冤罪事件で捜査対象になっている、ポリグラフ検査を受けることになっている方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

口座を売っただけで刑事事件に?

2021-08-16

口座を売っただけで刑事事件に?

銀行口座のキャッシュカードや通帳などを販売した場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県奈良市大森町在住のAは、奈良市内の会社に勤める会社員です。
Aは生活苦に陥り、借金(融資)をしたところ、その金が返済できず、次第に借金が膨れ上がるにつれて借金する会社の数も増えてきました。
そのうちの会社に、借金の取り立てが厳しい会社があり、「借金を返さなければ出るところに出ても良いんだぞ」等と脅しを受けていました。
怖くなったAは何でもするから勘弁してほしいと言ったところ、「なら銀行のキャッシュカード1枚につき10万円、借金から引いてやるよ」と言われました。
その後、Aはメガバンクや地方銀行など十数社に行き銀行口座を開設し、キャッシュカードと通帳を受け取りました。

Aは指示に従い1円も入っていないキャッシュカードと通帳をすべて郵送したところ、後日、そのうちの1つの銀行から「犯罪に使われたので取引停止した」という連絡が来たため、Aは奈良市大森町を管轄する大森警察署の警察官に相談したところ、あなたも被疑者になると言われました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【不正取得の銀行口座は何に使われる?】

ケースのAはキャッシュカードと通帳を送付していますが、その口座は全て1円も入っていないというものです。
これを受け取った者は、どうするのでしょうか。

結論から申し上げると、このような形で第三者に渡ったキャッシュカードや通帳は、特殊詐欺やマネーロンダリングなどの事件に用いられます。
実際の事件で耳にする内容としては
・ワンクリック詐欺やオレオレ詐欺、ロマンス詐欺などにおいて、被害者に金を送金させるための口座として利用する
・特殊詐欺事件で受け取ったキャッシュカードの現金を繰り返し他の口座に送金することで攪乱させる
・犯罪などで受け取った金を、複数の口座を介することで出所を不明にしてマネーロンダリング(資金洗浄)を行う
などがあります。

【口座を売買した場合の罪】

銀行口座を他人に譲り渡す行為は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称、犯収法)に違反します。
条文は以下のとおりです。

犯収法28条1項 他人になりすまして…預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引出用のカード、預貯金の引出し又は振込みに必要な情報…を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者も、同様とする。
同2項 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。(略)

【口座を作る行為そのものが犯罪になる?】

前章で、銀行口座のキャッシュカードや通帳を譲り渡した場合に問題となる犯収法違反について説明しました。
以前から持っていた銀行口座のキャッシュカードや通帳を譲り渡した場合には犯収法違反だけが問題となりますが、Aの場合は、新たに銀行口座を開設したうえでそのキャッシュカードや通帳を譲り受けています。
この場合、銀行口座を開設してキャッシュカードや通帳を受け取った行為自体が、詐欺罪にあたります。
詐欺罪の条文は以下のとおりです。

刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

銀行等で口座を開設する際、銀行等側は本人が利用することを確認する義務があります。
その際、第三者に譲り渡す、売ることを言わずに口座を開設した場合、相手を騙してキャッシュカードや通帳(=財物)の交付を受けることになるため、詐欺罪が適用されます。

【口座凍結・ローンが組めなくなる】

銀行口座の新規開設は基本的に費用が掛からないため、軽い気持ちでキャッシュカードや通帳の交付を受けたり、既に持っているキャッシュカードや通帳を譲り渡したりする事案は少なくありません。
しかし、この行為が発覚した場合には、銀行口座の凍結はもちろんのこと、新規開設ができなくなったり、ローンが組めなくなるなどの不利益が生じます。
そして何より、特殊詐欺などに利用されることで、被害者に甚大な損失を与えることに繋がります。
このような行為は絶対にやめましょう。

 

奈良県奈良市大森町にて、融資等の目的でキャッシュカードや通帳を譲り渡したり、新規口座開設してしまったという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
在宅事件の場合、相談は無料です。

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

相手が死亡した場合の示談交渉②

2021-07-26

相手が死亡した場合の示談交渉②

仕事中、加害者の不注意により被害者が死亡してしまったという場合に問題となる罪と、示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県橿原市在住のAは、橿原市内の会社に勤める会社員です。
Aは仕事で荷物を運ぶ仕事をしていたところ、Aは一度に大量の荷物を運んでしまい、前が見えない状況で歩いていました。
その際、通行人Vの方にAが接触してしまい、バランスを崩したVは階段から転落してしまい、頭部を強く打ち、数時間後に死亡してしまいました。
救急隊員の通報を受けて駆け付けた橿原市を管轄する橿原警察署の警察官は、Aに対する捜査を在宅で開始しました。

Aやその家族は、示談交渉をしたいと考えましたがどうすれば良いか分からず、弁護士に無料相談をしました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【被害者が死亡した場合の罪】
≪前回のブログを御参照ください。≫

【Aはどのような罪に?】
ケースのAについては、故意に相手を転倒させ死亡させたわけではないので、故意犯処罰の原則に基づき殺人罪などの適用は認められません。
しかし、自ら前が見えなくなるほどの荷物を持つなどした不注意により、過失は認められると考えられます。
Aの場合は仕事中での事故です。
もしAが「仕事」として、「反復、継続して」この仕事を続けていた場合、業務上過失致死罪が適用される可能性があります。
業務上過失致死罪は、「社会生活上の地位に基づき反復、継続して行う行為であり、他人の生命・身体等に危害を加える恐れがあるものをいう」とされていて、そのような者が事故を起こした場合には、過失致死罪に比べて厳しい刑事処罰が科せられる可能性があります。

【示談交渉について】
示談交渉は、弁護士に限らず当事者同士で行うことができる民事上の合意です。
その示談交渉を、あえて刑事事件専門の弁護士に依頼する意味について、以下で検討します。
・被害者との接触が容易ではない
被疑者、すなわち加害者が被害者の連絡先を取得することが容易ではないという場合が考えられます。
例えば、人身事故などの場合は事故発生直後に連絡先を任意で交換するなどして接触することができることもありますが、ケースのように被害者が死亡してしまった場合や性犯罪などの場合には、連絡先を取得できず被害者との接触すら難しいという場合も少なくありません。
その理由は、被害者の処罰感情が強かったり、連絡先を教えることでの報復が怖かったりと様々です。

弁護士は、捜査機関(主として検察官)を通じて被害者に対して「弁護士限り」で連絡先の開示を依頼し、加害者側の心情や示談の意向などを丁寧に説明したうえで、示談交渉を進めていきます。
弊所でご依頼いただいた事件の中には、最初は自分で示談をしようとしたが連絡先を開示していただけなかった、接触を試みたがかたくなに拒絶されたが、弁護士が入って粘り強い交渉を行うことで態度が軟化し示談に至ったという事例も少なくありません。

・示談書類の作成が容易ではない
そもそも示談書には決まったフォーマットがあるわけではありません。
刑事事件の場合、被害者に寄り添い被害者の心配や懸念事項を払拭するための約定を書面に落とし込む必要があります。
これが、刑事事件の示談交渉の経験がある弁護士に依頼をした方が良いと言える理由の一つです。

・示談金のやり取りについての経験がない
インターネット上では示談金の相場という言葉が多く書かれているようです。
しかし、示談交渉というのは加害者側と被害者側、双方の合意によって行われるものであり、相場どおりの金額を支払えばよい、というわけではありません。
ともすれば低い金額での示談締結により検察官や裁判官の心証に影響を与えたり、法外ともいえるほどの高い示談金を請求されたりする可能性も否定できません。
よって、示談交渉の経験が豊富であれば、経験則に基づいた金額の提示等ができるでしょう。

奈良県橿原市にて、仕事中、不注意な行動により被害者を死亡させてしまい、示談交渉について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

相手が死亡した場合の示談交渉①

2021-07-22

相手が死亡した場合の示談交渉①

仕事中、加害者の不注意により被害者が死亡してしまったという場合に問題となる罪と、示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県橿原市在住のAは、橿原市内の会社に勤める会社員です。
Aは仕事で荷物を運ぶ仕事をしていたところ、Aは一度に大量の荷物を運んでしまい、前が見えない状況で歩いていました。
その際、通行人Vの方にAが接触してしまい、バランスを崩したVは階段から転落してしまい、頭部を強く打ち、数時間後に死亡してしまいました。
救急隊員の通報を受けて駆け付けた橿原市を管轄する橿原警察署の警察官は、Aに対する捜査を在宅で開始しました。

Aやその家族は、示談交渉をしたいと考えましたがどうすれば良いか分からず、弁護士に無料相談をしました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【被害者が死亡した場合の罪】

車やバイクの運転中に人を殺めてしまった場合を除き、加害者の行為により被害者が死亡してしまったという場合には、以下のような罪に問われる可能性があります。

①故意に相手を死亡させたケース
刑事事件で最も重要となるルールの一つに、故意犯処罰の原則というものが挙げられます。
これは、故意に行ったこと、つまり、意識して起こした行為以外は、原則として罰しないというものです。
例えば、道を歩いていて転倒してしまい、その弾みで飲食店の看板を壊してしまったとして、看板を故意に壊したわけではないので、器物損壊罪は適用されず、刑事上の責任を負うことはありません。

故意の犯罪により相手を死亡させた場合に適用される罪は、以下のようなものがあります。

・傷害致死罪
一方的な暴力行為や喧嘩などで相手が死亡した場合、傷害致死罪の適用が考えられます。
傷害致死罪の条文は以下のとおりです。
なお法定刑について、有期懲役は20年以下と定められているため、傷害致死罪で言い渡される判決は3年以上20年以下の懲役ということになります。

刑法205条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

・殺人罪
相手を殺す意思を以って殺害した場合には、殺人罪の適用が検討されます。
また、例えば「相手が死ぬかもしれない」ということを認識してい乍ら行為に及んだ結果相手が死亡した場合にも、殺人罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

・強盗殺人罪
他人の財産や物を暴行や脅迫により奪う強盗が、被害者を殺害して物を奪うなどした場合、強盗殺人という罪になります。
また、強盗・窃盗をした際に抵抗した被害者を振りほどくなどした結果、被害者が転倒して打ち所が悪く死亡した場合、強盗致死罪にあたります。
条文は以下のとおりで、強盗殺人罪も強盗致死罪も同じ条文ではありますが、裁判では両者犯情の部分で区別されます。

刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期または六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑または無期懲役に処する。

②過失によって相手を死亡させた場合
①では故意犯処罰の原則について確認しましたが、過失(=不注意)による行為で処罰される過失犯処罰というものがあります。
過失犯処罰は、法律に過失犯処罰規定がなければ処罰することができません。

相手を傷つける意図はなかったものの、注意不測の行動により相手が死亡してしまった場合について、過失犯処罰規定が設けられている者には、過失致死罪・業務上過失致死罪、重過失致死罪があります。
条文は以下のとおりです。
(過失致死罪)
刑法210条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
(業務上過失致死罪・重過失致死罪)
刑法211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

【Aはどのような罪に?】

≪次回のブログに続きます。≫

【示談交渉について】

≪次回のブログに続きます。≫

奈良県橿原市にて、仕事中、不注意な行動により被害者を死亡させてしまい、示談交渉について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

ネット上での誹謗中傷

2021-07-15

ネット上での誹謗中傷

ネット上での誹謗中傷で発展する諸問題について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県天理市在住のAは、天理市内の会社に勤める会社員です。
Aには職場の同僚であるVがいて、そのVがインターネット上の配信サイトと呼ばれる、一般人が不特定多数の者に対して動画の中継を行うものを行っていることを知りました。
職場内で遺恨があったAは、Vがライブ配信を行っている際、視聴者のコメント欄に「キモいぞ」「この容姿でライブ配信かよ」「○○社の△△と深い関係にあるから出世している。」等とありもしない内容を投稿しました。

Vは誹謗中傷を受けたことで警察署に被害届を提出しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【ネット上での誹謗中傷について】

・刑事上の問題
誹謗中傷は、刑法の定める名誉毀損罪や侮辱罪に当たる可能性があります。
名誉棄損罪と侮辱罪の条文は以下のとおりです。

(名誉棄損罪)
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮または五十万円以下の罰金に処する。

(侮辱罪)
刑法231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

・民事上の問題
刑事上の問題とは異なり、当事者間でのトラブルにより生じた損失などを補填するものです。
ケースのような誹謗中傷については、不法行為責任(民法709条)を理由に賠償請求を行います。
証拠の立証について、刑事訴訟の場合は検察官が行う必要がありますが、民事上は原告自ら行う必要があります。
例えば刑事訴訟手続で被告「人」罰金刑や科料の判決を言い渡された場合、そのお金は国庫に帰属します。
しかし民事上は、損害賠償請求が認められた場合、裁判官が下した金額を被告が原告に支払うことになります。

・その他
また、そのほかに、SNS等と呼ばれる会員制サイト(ケースの場合はライブ配信の運営会社)から投稿を削除されたり、アカウントを停止・凍結されるなどの不利益処分を受けることが考えられます。
これについては、運営会社側の裁量による部分が大きく、社内規則に基づく不服申立により凍結解除等が認められる可能性もありますが、凍結解除が認められる可能性は高くないでしょう。

【刑事事件での弁護活動】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ケースの場合、刑事事件としてはどのような弁護活動が考えられるか、以下で検討していきます。

・犯人性の否認
まずは、自分が犯人ではないという主張が考えられます。
捜査機関としては、投稿された情報をもとに、IPアドレスの解析などにより被疑者を特定しますが、毎回必ず契約者が正確にわかるというわけではありません。
また、仮にIPアドレスによる取得情報が正しかったとして、それは侮辱罪や名誉棄損罪などにあたる情報を発信した媒体と契約した者を特定するわけであり、投稿した張本人がそれと一致していることの確証はありません(投稿に利用された媒体は他人に貸していた、という場合も考えられるでしょう。)。
また、2012年頃に発生した遠隔操作事件のような例もあることから、サイバー犯罪の捜査が容易ではなく、真犯人ではないにもかかわらず捜査対象となり、ともすれば逮捕される恐れがあります。

・取調べ対応
実際にはやっていない場合でも、罪を認めている場合でも、取調べでの対応は重要です。
取調べでの内容は供述調書にまとめられ、証拠として用いられます。
刑事事件の被疑者となった場合、取調べの前に弁護士に相談をして取調べ対応を行うことは重要になります。

・謝罪や賠償、示談など
罪を認めている場合、ネット上での誹謗中傷には被害者がいることから、謝罪や賠償をして示談を行うなどの弁護活動が考えられます。
示談というのは双方の合意であり、当事者同士で締結することができるのですが、被害者と直接やり取りをする行為は罪証隠滅を疑われる行為であり、被害者としても直接の交渉を望まない場合も多いことから、第三者である弁護士に依頼し、間に入ることが望ましいといえます。

奈良県天理市にて、ネット上の誹謗中傷が原因で名誉棄損罪侮辱罪などの罪に問われている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料でご相談いただけます。

初犯と余罪

2021-05-31

初犯と余罪

初犯と余罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
奈良県奈良市に住んでいる会社員のAは、ある日の会社帰りに、電車内で痴漢事件を起こしてしまいました。
自宅の最寄り駅に駆け付けた奈良県奈良警察署の警察官に連行されたAでしたが、逮捕されず取調べを受けました。
実は、Aは今回の痴漢が初めてではなく、数カ月前に別の女性に対して痴漢行為をしており、取調べの中でそのことについても自白していました。
その後、Aは家族を身元引受人として釈放されましたが、初めて被疑者として取り調べられるという状況になったAは、自身がどうなってしまうのかと不安になり、インターネットで痴漢事件の手続きを調べてみました。
すると、「初犯であれば」や「余罪がある場合は」などという文章が並んでいたのですが、具体的にどうなるか知るため、刑事事件に強い弁護士の初回無料法律相談を利用してみることにしました。
(この事例はフィクションです。)

今回の事例のAは、警察の捜査を受けるのは初めてですが、数か月前に別の被害者に対して痴漢事件を起こしています。
この場合、「初犯」といえるのでしょうか。

初犯

「初犯」という言葉は、文字通り受け取れば、「初めて犯罪をした」ということであり、実際にそういった意味で使われることも多いです。
しかし、今回の事例のAは、痴漢行為を数か月前にも行っていますので、厳密にいえば痴漢行為は初めてではありません。
ただ、刑事事件において「初犯」と使われる際には、「今までに前科・前歴がない」という意味で使われることが多いです。
そのため、今回のAも「初犯」であると考えられます。
なお、前科・前歴があったとしても、犯罪の種類が違う場合には、その犯罪については「初犯」であると表現されることもあります。

数か月前にも痴漢行為をしてしまっているAは再犯ではなく、「余罪」と表現されます。

余罪

「余罪」とは、本件以外にしてしまった犯罪のことを言います。
今回のAで考えてみると、発覚した痴漢事件が「本件」となり、数か月前に起こしている痴漢事件が「余罪」となります。
痴漢事件に限らず、刑事事件では本件以外の余罪についても捜査が及ぶことも多いです。
余罪が刑事事件として立件され、複数の刑事事件の被疑者となることもあります。
その場合、複数の犯罪をしているということですから、1つの刑事事件を起こしてしまった時よりもより重い処分が見込まれることとなります。
また、余罪が正式に立件されなかったとしても、「余罪がある」ということは分かっている状態であれば、悪質性が高いと判断され、余罪がない状態と比べて重く処分されることも考えられます。


初犯ではない、余罪があるという場合には、最終的な処分が重くなってしまうことが予想されます。
しかし、だからといって不起訴処分の可能性がないということではありません。
今回の事例のような痴漢事件においては、被害者との示談交渉をしていくことで、不起訴処分の獲得も考えられますので、刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う弁護士の事務所です。
初回無料法律相談や逮捕されている方への初回接見も行っておりますので、「刑事事件について不安だ」「痴漢事件について分からないことがある」とお悩みの方にお気軽にご利用いただけます。
特に今回の事例のように痴漢事件で余罪があり、複数件の示談交渉が必要だという場合には、示談交渉の経験豊富な刑事事件に強い弁護士を選任するようにしましょう。
フリーダイヤル0120-631-881でいつでも予約を受け付けておりますので、まずは遠慮なくお電話ください。

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