Archive for the ‘刑事事件’ Category

ストレスを発散するために他人の車に10円玉で傷をつけた事例①

2025-04-22

ストレスを発散するために他人の車に10円玉で傷をつけた事例①

取調べ2

器物損壊事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

職場の人間関係でストレスを抱えていたAさんはストレス発散のため、Vさんの車に10円玉で傷をつけました。
翌朝、車に傷がついていることに気づいたVさんが自宅に取り付けていた監視カメラを確認したところ、Aさんの犯行の一部始終が録画されていました。
Vさんは奈良県天理警察署に被害を相談し、Aさんは器物損壊罪の疑いで捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

器物損壊罪

刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

刑法第261条では器物損壊罪を規定しています。
刑法第261条が規定する前三条とは、公用文書等毀棄罪(刑法第258条)、私用文書当毀棄罪(刑法第259条)、建造物等損壊及び同致死傷罪(刑法第260条)であり、器物損壊罪は刑法第258条~259条の対象となる物を除いた他人の物を損壊又は傷害すると成立する犯罪です。

損壊とは、物の効用を害することをいいます。
簡単に言うと、使えなくする行為が損壊にあたります。
例えば、体液を食器にかけるなど、物理的な破壊に限らず心理的に使えなくした場合なども損壊にあたります。

繰り返しになりますが、器物損壊罪は他人の物を損壊又は傷害した場合に成立する犯罪です。
傷害した場合には傷害罪にあたるんじゃないのと思われる方もいるかもしれません。
傷害罪は刑法第204条で「人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されており、大まかに説明すると人を傷害した場合に成立します。
例えば、飼われているペットは人にあたりませんから、傷害したとしても傷害罪は成立しません。
では何の罪にも問われないのかといわれるとそうではなく、飼われているペットは他人の物にあたると考えられますので、器物損壊罪が成立します。
また、ペットではない動物を傷害した場合には、動物愛護法違反などが問題となってくるでしょう。

今回の事例では、AさんがVさんの車に10円玉で傷をつけています。
10円玉で傷をつけられても車を走らせることはできるでしょう。
ですが、10円玉でつけられた傷は目立つでしょうから、修理しないと恥ずかしくて乗れないかもしれません。
先ほど解説したように心理的に使えなくした場合も損壊にあたります。
また、車のデザインなどの外観を重視される方もいますから、車を走らせるだけが車の効用ではないでしょう。
今回傷をつけられたことでVさんの車の外観が損なわれたといえますので、Vさんの車の効用が害されたと考えることができそうです。
ですので、今回の事例ではAさんに器物損壊罪が成立する可能性があるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
器物損壊罪の法定刑は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料であり、懲役刑が科される可能性のある犯罪です。
刑事事件に精通した弁護士に相談をして処分の見通しを確認することで、少しでも不安を取り除いたり、捜査を有利に進められるかもしれません。
器物損壊罪で捜査を受けている方、お困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

マンション内の住民トラブルが名誉毀損事件に発展した事例③

2025-04-15

マンション内の住民トラブルが名誉毀損事件に発展した事例③

手錠とガベル

マンション内の住民トラブルから名誉毀損事件に発展した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県大和高田市にあるマンションに住むAさんは、同じマンションに住むVさんとトラブルになりました。
AさんはVさんに嫌がらせをしようと、「〇〇号室に住むVは暴力団と関わりがある」や「〇〇号室のVは会社のお金を横領している」などと書いた紙をマンションの掲示板やエレベーターに張り付けました。
Vさんが奈良県高田警察署に相談をしたところ、監視カメラの映像からAさんによる犯行であることが判明し、Aさんは名誉棄損罪の疑いで捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

逮捕されないか不安

刑事事件では、前触れなく突然逮捕される場合や在宅捜査の途中で逮捕される場合があります。
ですので、Aさんも今後捜査が進むにしたがって逮捕されてしまう可能性がないとはいえません。
今回の事例では、AさんとVさんは同じマンションに住んでいますので、AさんがVさんに接触することは容易だと考えられます。
ですので、AさんがVさんに接触し、Aさんの不利になるような供述をやめるように求めだりだとか、逆にAさんの都合の良いように供述をするように求めることが可能だといえ、比較的、証拠隠滅が容易であるといえるでしょう。
こういった状況では、証拠隠滅のおそれがあると判断され、逮捕、勾留される可能性があると考えられます。

逮捕を回避するには

弁護士が逮捕しないように捜査機関に働きかけを行うことで、逮捕を回避できる可能性があります。

働きかけの一つとして、意見書の提出が挙げられるでしょう。
家族の監視監督によりVさんと接触しないこと、弁護士を通じてVさんに謝罪と賠償の申し入れをしていること、逮捕されてしまうと不利益を被ることを意見書で主張することで、逮捕を回避することができるかもしれません。

逮捕され勾留が決定してしまうと長期間にわたって身体拘束を受けることになるかもしれません。
長期間の身体拘束により、職を解雇されてしまったり、体調を崩してしまうことも考えられます。
逮捕前から弁護士を付けておくことで、逮捕を回避できる可能性がありますから、逮捕されないかご不安な方、現在名誉棄損罪などで捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。

マンション内の住民トラブルが名誉毀損事件に発展した事例②

2025-04-08

マンション内の住民トラブルが名誉毀損事件に発展した事例②

手錠とガベル

マンション内の住民トラブルから名誉毀損事件に発展した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県大和高田市にあるマンションに住むAさんは、同じマンションに住むVさんとトラブルになりました。
AさんはVさんに嫌がらせをしようと、「〇〇号室に住むVは暴力団と関わりがある」や「〇〇号室のVは会社のお金を横領している」などと書いた紙をマンションの掲示板やエレベーターに張り付けました。
Vさんが奈良県高田警察署に相談をしたところ、監視カメラの映像からAさんによる犯行であることが判明し、Aさんは名誉棄損罪の疑いで捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

名誉棄損罪と親告罪

前回のコラムでも少し触れましたが、名誉棄損罪親告罪です。
告訴がなければ起訴されない犯罪ですので、告訴を取り下げてもらえれば起訴されないことになります。
起訴されなければ刑罰は科されませんので、前科も付かないことになります。

では、告訴を取り下げてもらうためにはどうすればいいのでしょうか。

告訴を取り下げてもらうためには、誠意をもって謝罪と賠償を行うことが大事でしょう。
ですが、今回の事例では、AさんとVさんは同じマンションに住んでいますし、AさんはVさんの名前や住んでいる部屋番号を知っている状況です。
個人情報をAさんに知られてしまっているVさんとしては、更にAさんから何かされるのではないかと気が気でないでしょうから、Aさんと直接会ったり、電話越しであっても直接話をするような状況を避けたいと考えていても不思議ではありません。
このような状況では、AさんがVさんと直接やり取りを行い、謝罪と賠償をすることは厳しいでしょう。

VさんがAさんと直接のやり取りを希望していない場合にはどうすればいいのでしょうか。

結論から言うと、弁護士を代理人として謝罪と賠償を行うことをおすすめします。
弁護士がAさんとVさんとの橋渡しになることで、弁護士を通じてAさんの謝罪の気持ちや賠償を受け取ってもらえる可能性があります。
一度、直接謝罪と賠償を申し入れて断られてしまっている場合でも、弁護士が間に入ることで受け入れてもらえる可能性がありますから、示談交渉などでお困りの方は、一度弁護士に相談をしてみるのがいいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
繰り返しになりますが、名誉棄損罪親告罪であり、告訴を取り下げてもらうことができれば起訴されません。
弁護士による弁護活動で告訴を取り下げてもらえる可能性がありますから、名誉棄損罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

無料法律相談のご予約は、0120ー631ー88124時間365日受け付けております。

マンション内の住民トラブルが名誉毀損事件に発展した事例①

2025-04-02

マンション内の住民トラブルが名誉毀損事件に発展した事例①

手錠とガベル

マンション内の住民トラブルから名誉毀損事件に発展した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県大和高田市にあるマンションに住むAさんは、同じマンションに住むVさんとトラブルになりました。
AさんはVさんに嫌がらせをしようと、「〇〇号室に住むVは暴力団と関わりがある」や「〇〇号室のVは会社のお金を横領している」などと書いた紙をマンションの掲示板やエレベーターに張り付けました。
Vさんが奈良県高田警察署に相談をしたところ、監視カメラの映像からAさんによる犯行であることが判明し、Aさんは名誉棄損罪の疑いで捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)

名誉棄損罪

刑法第230条
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

名誉棄損罪とは、簡単に説明すると、社会的評価が下がる可能性のある内容を不特定または多数の人が知ることができるような状態にすると成立する犯罪です。

今回の事例では、「〇〇号室に住むVは暴力団と関わりがある」や「〇〇号室のVは会社のお金を横領している」などと書いた紙をマンションの掲示板やエレベーターに張り付けたようです。
「暴力団と関わりがある」や「会社のお金を横領している」は、Vさんの社会的評価を下げる可能性のある内容だと言えるでしょう。
また、マンションの掲示板やエレベーター内は不特定多数の人が目にする可能性のある場所だといえます。
ですので、AさんはVさんの社会的評価が下がる可能性のある内容を不特定多数の人が知ることができる状態にしたといえ、Aさんに名誉棄損罪が成立する可能性があると考えられます。

名誉棄損罪親告罪(刑法第232条)ですので、告訴がなければ起訴することができません。
ですので、Vさんに告訴を取り下げてもらうことができれば、Aさんは起訴されることはないといえます。
弁護士に相談をすることで、起訴されることを防げる可能性がありますから、名誉棄損罪でお困りの方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881までご連絡くださいませ。

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例④

2025-03-25

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例④

お酒

奈良県生駒市の居酒屋で起きた傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは奈良県生駒市にある居酒屋を訪れていました。
お酒に酔っていたAさんは店員のVさんと口論になり、Vさんの頬を殴りました。
お店の通報により奈良県生駒警察署の警察官がかけつけ、Aさんは暴行罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんが病院を受診したところ、軽い打撲で全治1週間だと診断されたため、Aさんは傷害事件として捜査すると伝えられました。
(事例はフィクションです。)

示談交渉

被害者との示談の締結は、不起訴処分を求めるにあたり、加害者にとって有利な事情として考慮される可能性があります。
ですので、不起訴処分を目指す弁護活動の一つとして、示談交渉があげられるでしょう。

示談交渉は弁護士でないと行えないものではありませんので、加害者本人が行うことも不可能ではありません。
ですが、今回の事例ではAさんは逮捕されているようですから、逮捕されている状況下でAさん本人が被害者とコンタクトを取ることは不可能です。

また、釈放後にAさんが被害者に連絡を取ることは注意が必要です。
AさんはVさんの連絡先を知らないでしょうから、事件を起こしたお店に赴きVさんに直接会いに行くか、お店に連絡を取ってVさんと話す場を設けてもらうことになるでしょう。
Aさんが事件現場に行く行為は事件現場に残されている証拠を隠滅する行為だと疑われてしまうおそれがありますし、AさんがVさんに接触することで、Vさんの供述をAさんの有利なものに変えることで証拠を隠滅させようとしていると疑われてしまうおそれもあります。

警察官や検察官を通じてVさんの連絡先を教えてもらう方法もありますが、Vさんとしては暴力を振るってきた相手に、既に勤務先が知られている状況で、更に連絡先まで知られてしまうのは避けたいと思う可能性が高いです。
ですので、Aさん本人がVさんの連絡先を教えてもらうことは難しいでしょう。

ですが、弁護士であれば、連絡先を教えてもらえる可能性があります。
弁護士が間に入ることで、新たなトラブルに発展することを防げる可能性もありますので、示談交渉を行う際は、弁護士に任せることをおすすめします。

また、弁護士は検察官に対して処分交渉を行うことができます。
示談の締結など加害者にとって有利な事情を弁護士が主張することで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
示談交渉でお悩みの方、不起訴処分の獲得を目指している方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例③

2025-03-18

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例③

お酒

奈良県生駒市の居酒屋で起きた傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは奈良県生駒市にある居酒屋を訪れていました。
お酒に酔っていたAさんは店員のVさんと口論になり、Vさんの頬を殴りました。
お店の通報により奈良県生駒警察署の警察官がかけつけ、Aさんは暴行罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんが病院を受診したところ、軽い打撲で全治1週間だと診断されたため、Aさんは傷害事件として捜査すると伝えられました。
(事例はフィクションです。)

傷害罪と刑罰

以前のコラムで解説したように、今回の事例ではAさんによる暴行でVさんは怪我を負っていますから、Aさんに傷害罪が成立する可能性があります。

傷害罪は刑法第204条で「人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
ですので、傷害罪で有罪になった場合には、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されることになります。

傷害罪と不起訴処分

刑事事件には不起訴処分という起訴しない処分があります。
起訴しない処分ですので、不起訴処分では刑罰を科されることはなく、前科も付かないことになります。

今回の事例では、Aさんの暴行によりVさんが怪我を負っていますので、Aさんに傷害罪など何かしらの犯罪が成立することに疑いはないでしょう。
また、居酒屋には監視カメラがあるでしょうし、他の客や店員もAさんの犯行を目撃しているでしょうから、Aさんの犯行を証明するための証拠は十分にあると考えられます。
このような状況でも今回の事例で不起訴処分を獲得することができるのでしょうか。

不起訴処分の種類として、「嫌疑なし」、「嫌疑不十分」、「起訴猶予」の3つがあります。
嫌疑なし、嫌疑不十分は、加害者が犯罪を犯していない場合や犯したという証拠がない場合、犯罪を犯したと証明するには証拠が不足している場合などがあたります。
先ほども解説したように、今回の事例ではAさんが犯罪を犯したと証明するための証拠は十分にあるように思われますから、嫌疑なしや証拠不十分を理由とする不起訴処分を獲得できる可能性は極めて低いと考えられます。

一方で、起訴猶予は加害者が犯罪を犯したと証明するための証拠が十分にあったとしても加害者の事情などを考慮して不起訴処分が相当だと判断された場合になされます。
ですので、今回の事例では、起訴猶予を理由とする不起訴処分であれば、獲得できる可能性があるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
傷害事件でお困りの方、その他刑事事件でご不安な方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ご相談ください。

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例②

2025-03-11

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例②

お酒

奈良県生駒市の居酒屋で起きた傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは奈良県生駒市にある居酒屋を訪れていました。
お酒に酔っていたAさんは店員のVさんと口論になり、Vさんの頬を殴りました。
お店の通報により奈良県生駒警察署の警察官がかけつけ、Aさんは暴行罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんが病院を受診したところ、軽い打撲で全治1週間だと診断されたため、Aさんは傷害事件として捜査すると伝えられました。
(事例はフィクションです。)

早期釈放に向けた弁護活動

今回の事例のAさんは暴行罪の疑いで逮捕されたようです。
刑事事件では、逮捕後72時間以内勾留の判断が行われます。
勾留期間は最長で20日間にも及び、その間は当然、自由が制限され、家に帰ることはできません。
ですので、会社に出勤したり、学校に通学することもできなくなってしまいます。

何とか勾留を避ける方法はないのでしょうか。

結論から言うと、弁護士による身柄開放活動で、勾留を阻止できる可能性があります。

勾留は検察官が請求し、請求を受けた裁判官が判断します。
弁護士は検察官が勾留請求を行うタイミング、勾留請求を受け裁判官が判断するタイミングで、釈放を求めるはたらきかけを行うことができます。

釈放を認めてもらうためには、Aさんが証拠隠滅や逃亡するおそれがないことを主張していく必要があります。

証拠隠滅といえば、物的証拠を思い浮かべる方が多いかと思いますが、事件当時者による供述も重要な証拠となります。
つまり、被害者である店員Vさんの供述も重要な証拠として扱われるということです。
ですので、もしもAさんがVさんに接触し、VさんにAさんの不利になるような供述をしないように圧力をかけた場合、Aさんが証拠隠滅を謀ったことになります。
AさんがVさんと接触することができる環境では上記のように証拠隠滅が容易であることから、証拠隠滅のおそれがあると判断される可能性が高いでしょう。

どういった事情が釈放に向けて有利にはたらくかは事案によって異なってきます。
例えば、今回の事例では、Aさんが店員のVさんに接触できないように、家族がAさんを監督して、Aさんには事件現場の居酒屋には近づかせないようにすることなどを主張することが効果的かもしれません。
経験豊富な弁護士が有利にはたらく事情を集め、釈放を求めることで、早期釈放を実現できる可能性がありますので、一度弁護士に相談をしてみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
ご家族が逮捕された方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例①

2025-03-05

お酒に酔って居酒屋の店員と口論になり、頬を殴って逮捕された事例①

お酒

奈良県生駒市の居酒屋で起きた傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは奈良県生駒市にある居酒屋を訪れていました。
お酒に酔っていたAさんは店員のVさんと口論になり、Vさんの頬を殴りました。
お店の通報により奈良県生駒警察署の警察官がかけつけ、Aさんは暴行罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんが病院を受診したところ、軽い打撲で全治1週間だと診断されたため、Aさんは傷害事件として捜査すると伝えられました。
(事例はフィクションです。)

暴行罪と傷害罪

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑法第204条が傷害罪、刑法第208条が暴行罪を規定しています。

簡単に説明すると、人に暴行を加えて怪我をさせると傷害罪、暴行は加えたが怪我をさせなかった場合には暴行罪が成立します。

人を殴る行為は暴行の典型例だといえます。
事例で警察官が駆け付けた際には、Vさんの怪我の有無が確認できなかったため、Aさんは暴行罪の疑いで逮捕されたのでしょう。

ですが、Aさんの逮捕後にVさんは病院を受診し、軽い打撲だと診断されています。
VさんはAさんの暴行によって怪我をしているわけですから、Aさんには暴行罪ではなく、傷害罪が成立する可能性があるといえます。

暴行罪の法定刑は2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料である一方、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
傷害罪は相手に怪我を負わせるといった重大な結果を生じさせているため、暴行罪よりも刑罰が重く規定されています。

今回の事例では、幸い、Vさんの怪我は軽いようですが、怪我の程度が軽いからといって傷害罪が成立しないということはありません。
繰り返しになりますが、傷害罪で有罪になった場合には、暴行罪で有罪になった場合と比べて科される刑罰が重くなる可能性が極めて高いといえます。
刑事事件に精通した弁護士による弁護活動で、不起訴処分の獲得など、あなたやご家族にとってより良い結果を得られる可能性がありますので、傷害事件を起こした場合には、お早めに、弁護士に相談をすることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
暴行事件傷害事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例④

2025-02-25

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例④

取調べ

不同意性交等罪逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住む22歳のAさんは、近所に住む15歳のVさんと交際しています。
AさんはVさんに性行為に対して同意を取り、同意を得たうえで性行為に及びました。
1か月後、生理が来ないことで心配になったVさんが母親に相談をしたことで、Vさんの母親がAさんとVさんの関係性を知り、奈良県橿原警察署に被害届を出しました。
数日後、Aさんの家に奈良県橿原警察署の警察官が来て、不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

執行猶予付き判決の獲得

不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。(刑法177条1項)
ですので、不同意性交等罪で有罪になると必ず拘禁刑が科されることになります。
拘禁刑では刑務所に行かなければなりませんが、刑務所に行くことは避けたいと思われる方がほとんどだと思います。
前回のコラムでは、不起訴処分の獲得に向けた弁護活動をご紹介しましたが、不起訴処分を獲得できなかった場合には刑務所に行かなければならないのでしょうか。

刑事事件では、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、刑の執行が猶予されることがあります。(刑法第25条1項)
この制度を執行猶予といいます。
以前のコラムでも解説しましたが、5年以上の有期拘禁刑を科される不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得ることはかなり厳しいといえます。
とはいえ、絶対に不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得られないわけではありません。

前回のコラムで示談を締結することで不起訴処分の獲得に有利にはたらく可能性があると解説しました。
示談を締結したが起訴された場合や起訴後に示談を締結できた場合には、示談の締結が執行猶予付き判決の獲得に有利にはたらく可能性があります。
ただ、前回も解説したように、加害者本人からの連絡は取りたくないと思われる被害者も多いため、加害者本人が直接連絡を取ることはおすすめできません。
ですので、示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。

また、執行猶予付き判決を獲得するためには、Aさんにとって有利な証拠を集め、不利な証拠の作成を防ぐことが重要になります。

証拠というと物的証拠をイメージされる方が多いかと思いますが、加害者であるAさんや被害者であるVさんの供述なども重要な証拠となります。
捜査段階において、Aさんは警察官や検察官から取調べを受けることになります。
取調べではAさんの供述内容を基に供述調書を作成されます。
一度作成された供述調書は修正することは容易ではありませんので、捜査官に誘導されるがまま事実とは異なる内容の供述はしないこと、意に反した内容の供述調書には署名・押印しないことが重要になります。
とはいえ、初めての経験で不安な中、Aさんの不利にはたらく供述調書の作成を防ぐことは難しいかと思います。
事前に弁護士と話し合い、取調べ対策を講じておくことで、Aさんの不利にはたらく供述調書の作成を防げる可能性があります。
また、取調べへの不安を少しでも和らげる可能性がありますので、取調べを受ける際は弁護士に相談をすることをおすすめします。

繰り返しになりますが、不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得ることはかなり厳しいといえます。
ですが、不同意性交等罪でも執行猶予付き判決を獲得できる場合がありますので、今後の処分の見通しを確認するためにも、一度、刑事事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
ご家族が不同意性交等罪逮捕された方、取調べでご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例③

2025-02-18

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例③

取調べ

不同意性交等罪逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住む22歳のAさんは、近所に住む15歳のVさんと交際しています。
AさんはVさんに性行為に対して同意を取り、同意を得たうえで性行為に及びました。
1か月後、生理が来ないことで心配になったVさんが母親に相談をしたことで、Vさんの母親がAさんとVさんの関係性を知り、奈良県橿原警察署に被害届を出しました。
数日後、Aさんの家に奈良県橿原警察署の警察官が来て、不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

不起訴処分の獲得

不起訴処分とは、その名の通り、起訴しない処分のことをいいます。
刑事事件では、起訴されると公開の法廷で裁判が開かれます。
また、科される刑罰が罰金刑などで済む場合には、略式起訴されることもあります。
略式起訴では裁判所に行って裁判を受ける必要はないものの、有罪であることには変わりありませんから、前科が付くことになります。
今回の事例で問題となっている不同意性交等罪は、有罪になると、5年以上の有期拘禁刑(刑法177条1項)を科されますから、略式起訴の対象になることはなく、起訴されると公開の法廷で裁判を受けることになります。

繰り返しになりますが、不起訴処分は起訴しない処分ですので、裁判が行われることはなく、刑罰を科されたり前科が付くことはありません。
これは不同意性交等罪でも例外ではなく、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰が科されることや前科が付くことを避けることができます。

不起訴処分の獲得に向けた弁護活動として、示談交渉があげられます。

今回の事例では、AさんがVさんの同意を得たうえで性行為に及んでいることから、示談を締結することは容易だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、今回の事例のVさんは15歳であり未成年ですから、親権者であるVさんの母親や父親を相手に示談交渉を行うことになります。
今回の事例のVさんの母親はAさんとVさんの関係性を知ったうえで被害届を提出していますから、たとえ真剣交際で性行為についてVさんの同意を得ていたとしても、Vさんの母親のAさんに対する処罰感情は苛烈であることが予想されます。
ですので、今回の事例では示談交渉が難航する可能性が極めて高いといえます。

加害者本人からの連絡は抵抗を感じる被害者も多く、示談交渉はおろか連絡すら取れないことも少なくありません。
今回の事例でもVさんの母親は、VさんとAさんの関係を絶たせるためにも、Aさん本人からの連絡は一切取りたくないと考えている可能性があります。
弁護士が間に入ることで、弁護士からの話であれば聞いてもらえる可能性がありますから、示談交渉は弁護士を介して行うことをおすすめします。

また、弁護士を介して示談交渉を行うことで、Aさん本人が逮捕・勾留中であっても示談交渉を行うことができます。
示談の締結が釈放に繋がることもありますので、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
不同意性交等罪でお困りの方、示談交渉が難航している方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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