海外での行為も処罰の対象に

海外での行為も処罰の対象に

国民の国外犯について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
奈良県奈良市に住む会社員のAは、一人での海外旅行を趣味にしていました。
Aは、海外旅行先では、風俗をよく利用しており、常連になっているお店もありました。
あるとき、Aの家に奈良県奈良警察署の警察官が訪れ、家宅捜索を受けることになってしまいました。
警察官から話を聞くとAには、児童買春の疑いがかけられているようです。
実はAが何度も利用していた海外の風俗店は、児童買春ができることを売りにしているお店だったのです。
(この事例はフィクションです。)

海外での性犯罪について

今回の事例のAは、海外の風俗店を利用したことで、児童買春を疑われることになってしまいました。
海外での行為にも、日本の法律が適用されるのでしょうか。
実は、刑法には国外犯についての規定があり、一定の場合には、国外での犯罪行為についても刑法が適用されることになるのです。
今回のAは、このような国外犯規定のうち刑法第3条に規定されている国民の国外犯に該当しています。

国民の国外犯

刑法第3条では、日本国外において第3条で列挙されている罪を犯した日本国民に対しては日本の刑法が適用されると規定されています。
では、今回は第3条に列挙されている罪のうち、Aの児童買春が関係しているわいせつ行為に関わるものをいくつかご紹介します。

刑法第176条強制わいせつ罪、177条強制性交等罪、178条準強制わいせつ及び準行性性交等罪、181条強制わいせつ等致傷罪など

これらの罪については、海外での犯罪行為であっても日本の刑法によって処罰を受けることになります。

この他にも殺人、傷害、住居侵入など様々な犯罪が規定されています。
今回の事例のAが疑われている児童買春は出てきませんでしたが、実はAが容疑をかけられている児童買春については、刑法に規定されている犯罪行為ではありません。

児童買春、児童ポルノ法

今回のAが容疑をかけられている児童買春については、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童買春、児童ポルノ法」)に規定されています。
実は、この児童買春、児童ポルノ法にも、国民の国外犯の規定があるのです。
今回のAの児童買春については、児童買春、児童ポルノ法第10条で刑法第3条に従うとなっているため、海外での児童買春も日本での処罰の対象となってしまうのです。
なお、児童ポルノの所持や製造などについても国外犯の規定にかかります。

海外での犯罪行為に対する弁護士の活動

国内での児童買春事件の場合、児童の保護者と示談交渉をしていくことが重要な弁護活動となりますが、今回のAのように海外での児童買春の場合は、示談交渉のために被害者と連絡を取るのは非常に難しくなってしまいます。
しかし、弁護士はたとえ被害者と連絡がとれないという場合であってもさまざまな活動から事件解決を目指して活動していきます。
警察官や検察官など捜査機関との交渉をしていきながら、贖罪寄附をしたり、ボランティア活動や性犯罪に対する治療機関を紹介したりすることもできます。
このように、刑事事件において、示談をしたかったが被害者の連絡先を得ることができなかったという場合でも刑事事件に強い弁護士は最大限の活動を行うことができます
刑事事件では、後悔のないように事件を解決することが重要となりますので、刑事事件に強い弁護士に弁護活動を依頼して、最大限の活動をしていくようにしましょう。


弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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