盗撮目的の建造物侵入
盗撮目的での建造物侵入について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
奈良県大和郡山市に住む会社員のAは、近所のスーパーの女子トイレに侵入し、盗撮用のカメラを仕掛けました。
ある日、スーパーの従業員が仕掛けられているカメラを発見し、奈良県郡山警察署へ通報、Aは建造物侵入の疑いで逮捕されることになってしまいました。
防犯カメラの映像と仕掛けたカメラに自分も映っていたことからAの犯行が特定されました。
Aが逮捕されたことを知った県外に住むAの両親は刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
依頼を受けた近くの支部の弁護士がすぐに初回接見に向かうことになりました。
(この事例はフィクションです)
盗撮行為
盗撮はその手口や場所など様々な種類があり、その態様によって適用される可能性のある法令に違いがあります。
例えば、駅や路上などの公共の場所でスカートの中を盗撮するといった行為は各都道府県の迷惑行為防止条例が適用される可能性が高いです。
奈良県の迷惑行為防止条例で起訴されて有罪が確定すると「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されることになります。
そして、公共の場所以外での盗撮については都道府県によって規定が異なっています。
奈良県の場合は公共の場所以外での盗撮行為についても条例に規定されていますが、条例に規定がない場合は軽犯罪法違反が適用される可能性が高いです。
こちらは起訴されて有罪が確定すると「拘留または科料」が科されることになります。
そして、今回の事例のように女子トイレにカメラを仕掛けた場合には建造物侵入が適用される可能性が高いでしょう。
なお、学校のトイレにカメラを仕掛けるなど盗撮のターゲットを18歳未満に限定している場合、「児童買春、児童ポルノ法違反」となることもあり、この場合は「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」が規定されています。
建造物侵入
建造物侵入
刑法第130条
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」
条文上の「正当な理由がないのに」とは、管理者が侵入を許した目的以外での目的で侵入することを指し、今回の事例の犯行場所であるスーパーマーケットの女子トイレなど通常許可などなくとも立ち入ることが許されているような場所であっても建造物侵入となる可能性があるのです。
建造物侵入が成立する場合、今回であれば被害者はスーパーマーケットとなります。
被害者が店舗となる場合、示談交渉を個人で行うことは非常に困難ですので、交渉の専門家である弁護士に依頼するようにしましょう。
もちろん、盗撮行為自体も迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反となりますので、こちらの被害者とも示談交渉をしていくことになります。
固定カメラを仕掛けての盗撮となると被害者が複数になってしまうことが考えられるので、自力で示談交渉を行っていくことにも限界が来てしまいます。
遠方からでも初回接見を
盗撮で逮捕されてしまった今回の事例のAでしたが、両親は県外に住んでいました。
このように遠方に住んでいる家族が逮捕されてしまった場合、どのように対処すればよいのか分からないことかと思います。
そのような場合はひとまず、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
弊所では全国に支部を設けているため、ご家族が逮捕されている留置施設に近い弁護士が初回接見に向かうことができます。
刑事事件での対処は少しでも早く行うことで、対処できることが多くなります。
まずはお電話でご予約をお取りください。