公務執行妨害で逮捕

公務執行妨害で逮捕

公務執行妨害での逮捕について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
奈良県五條市に住むAさんは、3ヶ月前に知人に対して暴行した容疑で、奈良県五條警察署のB巡査に現行犯逮捕されました。
知人が被害届を出さなかったことから逮捕の翌日に釈放されたAさんは、現行犯逮捕したB巡査を恨んでいました。
そして昨日、Aさんは、奈良県五條市内の路上で、偶然、B巡査が酔払い同士のけんかを制止している現場に遭遇したのです。
Aさんは、暴行事件の犯人としてB巡査に逮捕されたことの恨みを晴らそうと思い、けんかを制止しているB巡査の背後から背中に足蹴りを加えました。
Aさんは公務執行妨害罪で現行犯逮捕されました。
(この事例はフィクションです。)

公務執行妨害罪

~刑法第95条~
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

公務執行妨害罪とは、国又は地方公共団体の職員などが職務を執行するにあたって、これに対して暴行や脅迫をすることによって成立します。
職務質問をしてきた警察官を酔った勢いで殴ってしまったというような例がよくあります。
なお、公務執行妨害は、実際に公務員に触れておらずケガをさせていないような場合でも成立することがあります。
例えば、警察官が見ている前でパトカーを蹴ってしまったというような場合にも公務執行妨害罪が成立します。

公務執行妨害罪の故意の内容は、
○ 相手が公務員であること
○ 公務員が職務を執行中であること、あるいは執行しようとしていること
○ その公務員に対して暴行・脅迫を加えること
となります。

ですから、この3つの事実に対する認識があれば足り、必ずしも職務の執行を妨害する意思や目的があることは必要となりません
また、犯人において公務員が職務行為の執行に当たっていることの認識があれば足り、具体的にどのような職務の執行中であるかまでを認識する必要はありません。

そして、公務員が職務執行を中止せざるを得なくなったなど妨害の結果が現実に発生したことは必要なく、公務の執行を妨げるに足りる暴行・脅迫を加えれば公務執行妨害罪が直ちに成立します。
また、公務員に暴行・脅迫を加えるに至った原因や動機はどのようなものでもよく、例えば、公務員が犯人の妻と口論し、その公務員が妻に悪口を述べたことに腹を立てて、公務員を殴った場合のように、公務員に対する暴行・脅迫が職務執行そのものと無関係の事実に関して加えられても公務執行妨害罪が成立します。

今回の事例について

今回の事件では、以前に現行犯逮捕されているので、Aさんは、当然、街で喧嘩を制止しているB巡査が警察官であることを認識しているでしょうし、けんかを制止するという適法な職務を行っていることも認識できたでしょう。
そして、Aさんは、B巡査の背中を足蹴りするという暴行を加えています。
その動機は、過去にB巡査に逮捕されたことの恨みを晴らそうというもので、積極的にB巡査の職務執行を妨害しようとする意思はないでしょうが、公務執行妨害罪が成立する可能性は高いでしょう。

弁護活動

被害者がいる事件では、示談をすることが刑を軽くするためには最も重要だといえますが、警察官は示談には応じない方針だといわれているので、警察官に対する公務執行妨害では、示談は極めて困難です。
そのため刑を軽くするには他の方法を考えなければなりません。
反省の意思を明確にするとともに、監督者を設定し、具体的に更生に向けて取組むことで減軽される可能性があります。
また、弁護士会や様々な慈善事業を行っている団体に対して、本来だったら示談金として被害者に渡すお金に相当する金額を寄付することが考えられます(これは贖罪寄付と呼ばれます)。


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