強制性交等事件で否認

強制性交等事件で否認

強制性交等事件を起こした場合に問題となる罪と否認の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県北葛城郡在住Aは、北葛城郡内の会社に勤める男性会社員です。
ある日、AはSNSで知り合った女性Vと北葛城郡内で会うことにしました。
最初は食事をしていましたが、話が弾み、Aの車にVを乗せてドライブをする運びになりました。
その際、Vの同意を得てVの身体に触れ、興奮したAは自分の陰茎をVに咥えるようお願いし、Vは実際に口腔性交を行いました。
いわゆる本番行為などはしませんでした。
しかしその後、AとVとは口喧嘩に発展してしまい、喧嘩別れしました。
後日、Aの家に北葛城郡を管轄する西和警察署の警察官が来て、Aを強制性交等事件の被疑者として逮捕しました。
Aは一貫して否認を続けています。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【強制性交等事件について】

強制性交等という言葉に馴染みのない方もおられるかもしれません。
平成29年の刑法改正以前は、強姦罪と呼ばれていたものです。
旧強姦罪は「暴行又は脅迫を用いて、十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。」とされていました。
ここで出て来る「姦淫」とは、男性器を女性の陰部に挿入する行為を意味します。

法改正後、強制性交等罪は「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした社は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。」と定めました。

法改正により、
・親告罪だったものが、被害者の刑事告訴なしでも起訴できる非親告罪に変わった。
・肛門性交(俗にいうアナルセックス)や口腔性交(俗にいうフェラチオ)が対象となった。
・肛門性交や口腔性交については、男性が被害者として扱われるようになった。
といった点が変更となりました。

ケースで想定した事件では、Aは口腔性交をしていますので、俗にいう本番行為をしていなかったとしても事件の対象となります。

【否認とは】

刑法などの各種法律・条例に違反する行為をした場合、その人は「罪を犯した」として被疑者という立場になり、捜査を受けます。
捜査機関の捜査の結果、証拠が集まった場合には、検察官は被疑者を起訴することができます。
被疑者が起訴された場合には被告人という立場に変わり、裁判を受けることになります。

捜査中、捜査機関は慎重に慎重を重ね、罪を犯したと疑われる人のみを被疑者として扱います。
しかし、誤認逮捕や冤罪事件などの言葉もあるように、捜査機関が無実の者を誤って被疑者として扱ってしまうという事案もあります。
もし、無実の罪で被疑者として扱われている場合、被疑者は「否認」をする必要があります。
否認は、捜査機関からは○○といった嫌疑をかけられていますが、それは違いますという意味です。

否認と一言で言っても、いくつものパターンが考えられます。
大別すると
・そのような事件はあったが、犯人は別にいるという犯人性の否認
・そもそもそのような事件は起きていないという罪体の否認(犯罪事実がないという主張)
の2種類が挙げられます。

ケースについて検討すると、Aの場合には後者の罪体の否認が検討されます。
VがAの陰茎を口腔性交したという点については事実です。
しかし、Aが「暴行又は脅迫を用いて」行わせたわけではありません。
そのため、刑法177条が定める強制性交等罪には当たらない、という否認の主張を行っていく必要があります。

性犯罪は密室で行われている、あるいは目撃者がいないなかで行われている場合がほとんどです。
そのため、防犯カメラの映像や目撃証言などといった客観的な証拠が収集しにくい事件と言えます。
捜査機関としては、被害者/被疑者双方の供述が重要になると考え、自白を迫るような厳しい取調べが行われる可能性も否定できません。
否認事件の場合には刑事事件の弁護経験が多い弁護士に依頼をし、取調べ前のアドバイスを受けたり、取調べに問題があった場合には速やかに抗議等したりといった対応を求める必要があります。

奈良県北葛城郡にて、家族が強制性交等罪の嫌疑で逮捕されたものの否認している、という場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。

 

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