【交通事件】無車検・無保険の車を運転

自動車やバイクの車検を怠った、あるいは自賠責に未加入だった場合に問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【ケース】
奈良県五條市在住のAは、五條市内の会社に勤める会社員です。
Aは、友人が使わなくなった車検切れの自動車を格安で購入しました。
車検切れであるということは知っていたAですが、手続きが面倒だと思い車検を通すことなく運転をしていました。

ある日の深夜、Aが車を運転していたところ五條市内を管轄する五條警察署の警察官から停止を求められ職務質問を受け、その際に車検を通しておらず自賠責保険にも入っていない無車検無保険の状態であることを指摘されました。
Aは五條警察署に任意同行を求められ、警察署にて取調べを受けました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【運転時の義務】

自動車やバイクを運転する際には、いくつかの義務が定められています。
もっとも常識的なものとして挙げられるのは運転免許証を有していることが挙げられるでしょう。
また、シートベルトを締める、法定速度・制限速度を順守するなど、多岐にわたります。
これらは、運転をする際に課せられているものがほとんどですが、運転する前に予め準備しておかなければならないものもあります。
その代表例とも言える、無車検状態での運転、無保険状態での運転で問題となる罪について、以下の章でご紹介します。

【無車検状態の車を運転した場合】

車検という言葉は皆さんもご存じかと思います。
正式には自動車検査と呼ばれるもので、自動車及び排気量250ccを超えるバイクについては
・新車両は(一部特殊車両を除き)3年後に
・その後は車齢に関わらず2年おきに
必ず受けることが義務付けられています。

ケースのAのように、車検を行っていない自動車等を運転した場合には道路運送車両法に違反し、「六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」が課せられる恐れがあります。(車両運送法108条1号)

道路運送車両法58条1項 自動車(国土交通省令で定める軽自動車は、この章に定めるところにより、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない。

なお、排気量250cc以下のバイクや原動機付自転車については、車検を行う義務はありません。

【自賠責保険に未加入の車を運転した場合】

車両の運転前に必要な準備事項として、自賠責と呼ばれるものがあります。
正式名称は自動車損害賠償責任保険というもので、自動車に対して掛けるかたちの保険です。
前章の自動車検査車検)は排気量250cc以下のバイクと原動機付自転車は対象ではありませんでしたが、自賠責保険についてはこれらの車両も対象となります。
車検と併せて加入・更新手続きをする方が多いため多くの方は忘れずに手続きされていますが、排気量250cc以下のバイクや原動機付自転車の場合には車検がないため、うっかり失効していたという事例が見受けられます。

ちなみに、自賠責保険の対象となるのは対人のみで、事故で生じた車の修理費や所持品の修理費などは対象となりません。
また、対人についても上限が設定されていて、傷害については後遺障碍がある場合を除き被害者1名につき最大120万円、死亡事故については被害者1名につき最大3,000万円が、それぞれ支払われます。

自動車損害賠償保障法5条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
奈良県五條市にて、無車検無保険の状態で車やバイクを運転してしまい、刑事事件化しているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

 

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