自転車の悪質な交通違反が社会問題になっており、全国の警察署は取締りを強化していますが、こういった背景には自転車による交通事故が増加傾向にあることも大きな要因とされています。
自転車を運転するのには運転免許を必要としませんが、道路交通法上、自転車は軽車両に分類され、車の仲間として扱われます。
つまり交通ルールにしたがって乗車しなければならず、交通違反をすると刑事罰の対象にもなるのです。
そこで本日のコラムでは、自転車による交通事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
自転車による交通事故の例
Aさんは、自転車で奈良市内の会社まで通勤しています。
ある日の朝、寝坊してしまったAさんは、いつもより急いで自転車こいで会社に向かっていました。
そして赤信号を無視して交差点に進入したところ、青信号で横断歩道を横断していた歩行者の女性に衝突してしまったのです。
女性は転倒し、額から出血する怪我をしていました。
~フィクションです。~
このような自転車による交通事故によって、人に怪我をさせると、過失傷害罪、若しくは重過失傷害罪となります。
過失傷害罪と重過失傷害罪
バイクや車を運転していて人身事故を起こした場合は、過失運転致死傷罪の適用を受けることになりますが、自転車は過失運転致死致傷罪の対象とならないため、過失によって人に怪我をさせた場合に成立する、過失傷害罪や、重い過失によって人に怪我をさせた場合に成立する重過失傷害罪が適用されます。
過失傷害罪は、親告罪で、法定刑も「30万円以下の罰金又は科料」と比較的軽いものですが、重過失傷害罪は、法定刑が「5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」と厳しいものです。
今回の事故は、Aさんが赤信号を無視して交差点に進入したことによって起こっているので、Aさんの怠った注意義務は大きく、重過失傷害罪の適用を受ける可能性が高いでしょう。
きちんと警察に届け出なければ…
交通事故は誰もが起こしてしまう可能性があることです。
自転車事故を起こしてしまっても、きちんと負傷者の救護をして、事故を警察に届け出ていれば、警察に逮捕されることは滅多にありません。
しかし、救護や警察への届け出を怠って、その場を立ち去ってしまうと「ひき逃げ」となり、警察に逮捕されたり、最終的に厳しい刑事罰が科せられる可能性が生じます。
奈良市で起こした自転車事故に対応
刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、奈良市内で自転車による人身事故を起こしてしまった方の弁護活動を行っております。
自転車で事故を起こしてしまうと、保険に加入している場合でも、刑事罰が科せられる可能性がありますので、自転車事故を起こして、人に怪我をさせてしまった方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。