不法投棄が刑事事件に発展 

不法投棄で刑事事件に

不法投棄で問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【ケース】
奈良県香芝市在住のAは、香芝市内の会社に勤める会社員です。
Aは仕事の都合で香芝市内にある一人暮らし中のアパートから香芝市内の実家に戻ることになりました。
その際、一人暮らし中に使用していた洗濯機や冷蔵庫、テレビなどが不要になりました。
Aは急いで香芝市の粗大ゴミ回収の担当者に連絡をしましたが、回収に時間がかかると説明を受けました。
そこで、正規の手続きを行わずに自宅近くの裏山に、それらの粗大ゴミを捨てました。

数ヶ月経った後、香芝市内を管轄する香芝警察署の警察官がAの実家に来て、廃棄物処理法違反で任意同行するよう求められました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【不法投棄についての罪】

街中を歩いていると、不法投棄は犯罪です、といった看板やポスターなどを目にすることがあるかもしれません。
不法投棄は、個人や会社等が排出したゴミを正規の方法で処理しないことを指す一般的な言葉です。

このゴミは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理法)により「廃棄物」と定められています。
このうち、事業活動で生じた一部の廃棄物等を産業廃棄物とし、産業廃棄物以外(個人が日常で排出するような廃棄物)は一般廃棄物と定義されています。
一般廃棄物をルールに従わずに捨てた場合、以下の規定に違反し、刑事罰が科せられます。

廃棄物処理法16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 14号 第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者

【不法投棄での弁護活動】

不法投棄は、前章で確認したとおり、廃棄物処理法に違反することとなり厳しい刑事罰が用意されています。
では、個人が一般廃棄物を不法投棄した場合にすぐに厳しい刑事罰が科せられるのかというと、必ずしもそうではありません。
具体的には、廃棄した物の性質やその量、頻度、理由などを総合的に検討したうえで、どの程度の刑事罰が科せられるか、決められます。
事件を起こしてしまった場合、在宅事件として捜査が進められる場合と、逮捕・勾留される場合があります。
いずれの場合も、引き当たり捜査と呼ばれる犯行現場の写真撮影などの手続きが終了するまでは、不法投棄した物は回収できません。
写真を撮り終え、証拠物の量などを図り終えたことを捜査機関に確認したのち、速やかに廃棄物処理業者を通じて処理を行い、その証明書等を作成することが望ましいです。

また、不法投棄した場所が私有地で行われた場合、土地所有者に対する謝罪や弁済が必要となる場合があります。
不法投棄が問題となる廃棄物処理法違反事件で土地所有者は直接の被害者ではありませんが、捜査に協力せざるを得なかったり一定期間その土地を使えなかったり、場合によっては被疑者特定の前に処理するため処理に時間や費用を使ったりしているという事例もあり、被疑者は民事上の請求義務がある場合が考えられます。
刑事手続きにおいても、捜査機関に対して「直接の被害者ではないものの、不法投棄した土地の所有者に謝罪し弁済している」ことを主張することは、検察官が終局処分を判断するうえで(被疑者にとって)有利な事情であると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
奈良県香芝市にて、粗大ゴミなどの不法投棄をしてしまい、出頭を命じられていたり家族が逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御相談ください。

 

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