奈良県桜井市にある神社のさい銭箱に穴を空け、700円を盗みだした事例②
さい銭泥棒について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは奈良県桜井市にあるV神社のさい銭箱に穴をあけ、さい銭箱の中から700円を盗みました。
さい銭箱に穴が空いていることに気づいた宮司が通報し、捜査によりAさんが容疑者として浮上したため、Aさんは奈良県桜井警察署の警察官から呼び出しを受けることになりました。
(事例はフィクションです。)
科される刑罰は?
前回のコラムでは、Aさんに器物損壊罪、窃盗罪が成立する可能性があると解説しました。
器物損壊罪、窃盗罪でそれぞれ有罪になると、どのような刑罰が科されるのでしょうか。
器物損壊罪の法定刑は3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金若しくは科料(刑法第261条)、窃盗罪の法定刑は10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(刑法第235条)です。
ですので、器物損壊罪で有罪になれば3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金若しくは科料が科されますし、窃盗罪で有罪になれば10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が科されることになります。
刑法では、拘禁刑について、「拘禁刑は、刑事施設に拘置する。」(刑法第12条2項)、「拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。」(同条3項)と規定しています。
拘禁刑では、刑務所に収容され、更生のために作業を行ったり、指導を受けることになります。
器物損壊罪と窃盗罪で有罪になったら?
刑法第54条1項では、「一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。」と規定しています。
犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れることを牽連犯と呼びます。
今回の事例では、Aさんはお賽銭を盗むためにさい銭箱に穴を空けています。
お賽銭を盗む(窃盗罪にあたる行為の)手段として、器物損壊罪にあたる行為をしていますから、Aさんに成立する可能性のある器物損壊罪と窃盗罪は牽連犯の関係にあるといえるでしょう。
牽連犯の場合には最も重い刑によって処断されますから、器物損壊罪と窃盗罪で有罪になった場合には、窃盗罪の法定刑である、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が科されることになるでしょう。
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