【事例紹介】SNSに援助交際を募る投稿 中学性と性交したとして逮捕された事例①

手錠とガベル

女子中学性にお金を渡し性交したとして、わいせつ目的面会要求罪不同意性交等罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

女子中学生とわいせつ目的で面会しホテルで性交したとして、奈良県警西和署などは20日、わいせつ目的面会要求や不同意性交などの疑いで、奈良県大和郡山市北郡山町の内装業、(中略)容疑者(64)を逮捕した。わいせつ目的面会要求罪は今年7月の刑法改正で新設され、県内での適用は今回が初めて。
逮捕容疑は、県内に住む女子中学生(14)が交流サイト(SNS)上に書き込んだ援助交際を募る投稿にメッセージを送信。金を払う約束をして面会を要求し、9月15日に奈良市内のホテルで1万5千円を渡して女子中学生と性交したとしている。小幡容疑者は「18歳と言っていた記憶がある」と供述している。
同署によると、女子中学生はSNS上で中学生であることをほのめかす投稿をしていた。(後略)
(11月21日 産経新聞 「わいせつ目的で14歳に面会要求疑い、64歳男を逮捕「18歳と言っていた記憶が…」」より引用)

わいせつ目的面会要求罪

刑法第182条 
1項 わいせつの目的で、十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
1号 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
2号 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
3号 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
2項 前項の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該十六歳未満の者と面会をした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

報道されているように、7月の刑法改正により、わいせつ目的面会要求罪が新たに施行されました。
わいせつ目的面会要求罪は、簡単に説明すると、16歳未満の者に対してわいせつ目的で会うことを要求すると成立する犯罪です。
実際に会ったかどうかにかかわらず、要求をして会わなかった場合にもわいせつ目的面会要求罪は成立します。

わいせつ目的で面会を要求し、わいせつ目的面会要求罪で有罪になった場合には、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が、実際に会った場合には、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科されます。

今回の事例では、容疑者が14歳の女子中学性にお金を払う約束をして面会を要求し、1万5千円を渡して性交したと報道されています。
わいせつ目的で16歳未満の者にお金を払う約束をして面会を要求するとわいせつ目的面会要求罪が成立します。
今回の事例では、被害者の女子中学生は援助交際を募る投稿をSNSでしていたようですし、実際に被害者に会ってお金を渡し性交をしたとされています。
ですので、わいせつ目的での面会であると判断される可能性が高く、わいせつ目的面会要求罪が成立する可能性があります。

わいせつ目的面会要求罪と年齢

今回の事例では、「18歳と言っていた記憶がある」と容疑者が供述しているようです。
容疑者が被害者が18歳だと認識して面会を要求していた場合にはわいせつ目的面会要求罪は成立するのでしょうか。

結論から言うと、その場合にはわいせつ目的面会要求罪が成立しない可能性があります。
わいせつ目的面会要求罪は、16歳未満だと知りながら、金銭を与えるなどして、わいせつ目的で会うように要求すると成立します。
ですので、容疑者が被害者が18歳だと思っていた場合には、わいせつ目的面会要求罪が成立しない可能性があります。

ただ、報道によると、被害者は中学性であることをほのめかす投稿を行っていたようです。
容疑者が被害者の援助交際を募るSNSの投稿を見て会うことを要求したのであれば、中学生であることをほのめかす内容の投稿を目にしている可能性がありますから、中学性であると認識していたと判断されるおそれがあり、わいせつ目的面会要求罪が成立してしまう可能性があります。

刑事事件に強い弁護士に相談を

繰り返しになりますが、わいせつ目的面会要求罪は、わいせつ目的で金銭を渡す約束などをして会うことを要求すると成立します。
実際に会わなくても要求をした時点でわいせつ目的面会要求罪は成立してしまうので注意が必要です。
また、実際に会った場合には、より重い処罰が科されますし、性交した場合にはわいせつ目的面会要求罪とは別の罪が成立するおそれがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験をもつ弁護士による、取調べ対策示談交渉などの弁護活動で、不起訴処分などより良い結果を得られるかもしれません。
わいせつ目的面会要求罪やその他性犯罪事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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次回のコラムでは、不同意性交等罪について解説します。

 

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