脱法ドラッグで保釈請求
脱法ドラッグと呼ばれる薬物で問題となる罪と、保釈請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県大和郡山市在住のAは、大和郡山市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは大和郡山市内の路上で挙動不審を理由に大和郡山市内を管轄する郡山警察署の警察官に職務質問を受け、所持品検査を受けたことで錠剤が見つかりました。
Aは、SNS上で購入した「脱法ドラッグ」であるとして罪に当たらないと主張しましたが、警察官は鑑定に回すと言いました。
そして後日、大和郡山市を管轄する郡山警察署の警察官が自宅に来て、Aを脱法ドラッグと呼ばれる薬物を所持していたことから薬機法違反で逮捕されました。
Aの家族は、Aの身柄を解放するため保釈請求を希望しています。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【脱法ドラッグは違法?】
脱法ドラッグをはじめ、合法ハーブ、アロマ、お香など、合法を謳う様々な薬物が世に出回っています。
とりわけインターネット・SNSを誰もが容易に利用できるようになった今日では、売人と対面をせずに手軽に購入することができます。
しかし、それらは違法な成分を含んでいる可能性が高く、それを所持していただけで問題になることもあり得ます。
上記の薬物は危険ドラッグと呼ばれ、指定薬物と呼ばれる成分を含みます。(条文は下記参照)
すなわち、脱法ドラッグと謳っていたところで、その成分を科学捜査研究所などが成分検査したところ指定薬物に当たる成分が検出された場合、それは危険ドラッグと呼ばれるものであり、薬機法に違反するのです。
危険ドラッグを所持していた場合には「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定められています。(薬機法84条26号)
(指定薬物)
薬機法2条の15 中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
【保釈とは?】
刑事事件を起こした場合、在宅で捜査を進める場合もありますが、逮捕・勾留をして身柄を拘束したうえで捜査を進める場合があります。
両者の違いは、証拠隠滅の恐れがあるか否か、逃亡の恐れがあるか否か、といった点が挙げられます。
被疑者が逮捕された場合、裁判官の判断により、勾留請求された日から最大で20日間、警察署の留置施設などで勾留されます。
勾留満期日になると、検察官は被疑者を起訴するか、処分保留で(又は略式手続による罰金納付後に)釈放する必要があります。
ここで起訴された場合、被疑者は被告人という立場になり、刑事裁判を受けることになります。
勾留された被疑者が起訴されて被告人になった場合、その多くは起訴後勾留というかたちで引き続き身柄を拘束されます。
その際、被疑者勾留の時点で警察署の留置施設での身柄拘束を受けていた方は、拘置所という場所に移送される可能性があります。
起訴後勾留は2ヶ月ですが、その後も1ヶ月毎に延長をすることができるため、判決言渡しまで身柄拘束が続くことも考えられます。
それを回避するため、弁護士は保釈請求を行い、保釈金を納付することで被告人の身柄の釈放を求める必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
奈良県大和郡山市にて、脱法ドラッグと呼ばれる薬物を持っていたところ危険ドラッグと言われてしまった、あるいはご家族が危険ドラッグ所持により逮捕されてしまったという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。