同じ性的嗜好を持つ人たちが集まってお互いの性行為を見せ合う乱交行為は、趣味では済まされず刑事事件となる場合があります。
本日のコラムでは、こういった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
会社員のAさんは、女性との性交を人に見られたり、人の性交を見るのが趣味です。
そういった趣味が高じて、Aさんは、同じ性的嗜好を持つ人たちとSNSで知り合い、そういった人たちと定期的にパーティーを開催していました。
当初はある程度付き合いの長い人たちだけの小規模なものでしたが、1年ほど前からは、パーティーの参加者をSNSで募り、数十人規模で開催するようになりました。
そして今回も、奈良県斑鳩市にある友人の所有する古民家で50人規模のパーティーを開催したところ、その会場に奈良県警本部の警察官に踏み込まれて、性交をしていた数名が公然わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
公然わいせつ罪
上記の事件は実際に起こった事件を参考にしたフィクションですが、昨年、同じような乱交パーティーの参加者が、公然わいせつ罪で警察に現行犯逮捕されています。
刑法第174条(公然わいせつ罪)
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
条文のとおり、公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をすることによって成立する犯罪です。
「公然と」と言えば「公共の場所や、人目につく所で」と考え、今回の事件のように「事情を知った人たちしかいない民家だと公然とは言えないのではないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、こういった状況、場所でも、公然わいせつ罪でいうところの「公然性」は認められます。
公然わいせつ罪でいう「公然と」とは、不特定又は多数の者が認識できる状態をいいますので、特定の人たちが集まった古民家という閉ざされた空間では、「不特定」には該当しませんが「多数」に該当するので、公然性は認められるのです。
当然、そういった状況下で、性行為をしたり、それに準ずるようなわいせつ行為、下半身を露出した状態でいれば、公然わいせつ罪となってしまいます。
被害者はいない
公共の場所で下半身を露出したような公然わいせつ事件では、実質、目撃者が被害者とされますが、法律上、公然わいせつ罪に被害者は存在しません。
それは、公然わいせつ罪は、性秩序という社会的法益を保護するための法律だからです。
ですから参考事件のように、実質的な被害者がいない事件でも、性秩序を犯しているとして警察は積極的に事件化を図る傾向にあるので注意が必要です。
またこのような事件を摘発した際、話題性が高い事件であるために警察は積極的に発表し、報道機関は大々的に報じる傾向にあるようです。
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