騒音トラブルで睡眠障害を発症させ、事情徴収を受けることになった事例①
騒音トラブルが傷害事件に発展した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
奈良県橿原市に住むAさんは隣人であるVさんと折り合いが悪く、AさんとVさんの間でトラブルが頻発してました。
AさんはVさんに嫌がらせをしようと、Aさん宅の庭にVさん宅に音が届くようにスピーカーを設置し、連日にわたって深夜から早朝にかけて大きな音をスピーカーから流し続けました。
Vさんは騒音により寝られない状態が続いたため、精神状態や体調に不調をきたし、病院を受診したところ、睡眠障害と診断されました。
Vさんは奈良県橿原警察署に被害届を提出し、Aさんは事情徴収を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)
騒音被害と犯罪
今回の事例では、Aさんが騒音トラブルを引き起こし、Aさんの騒音によりVさんは睡眠障害になってしまったようです。
今回の事例のような場合では、Aさんに犯罪は成立するのでしょうか。
騒音による精神的ストレスで睡眠障害など何らかの障害が発生するかもしれないことを認識しながら、精神的ストレスを与え、障害を生じさせた場合には、傷害罪が成立する可能性があります。
刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
傷害罪は、刑法第204条で規定されています。
傷害罪のイメージとして、殴るなどの暴行を加えて相手にけがを負わせた際に成立する犯罪を思い浮かべる方が多いかと思います。
ですが、いやがらせ行為で抑うつ状態にさせた場合やいやがらせ電話で精神衰弱症にさせた場合に傷害罪が成立した事例もあり、何らかの障害が生じる可能性があることを認識しながら精神的ストレスを与えて障害を生じさせた場合には傷害罪が成立するといえます。
では、今回の事例のように騒音トラブルにより睡眠障害を生じさせた場合にも傷害罪は成立するのでしょうか。
実際に、精神的ストレスによる障害を生じさせるかもしれないことを認識しながら、自宅の中で隣家に最も近い位置にある窓の一部を開けて、窓際やその付近にラジオと複数の目覚まし時計を置き、約1年半にわたって連日朝から深夜或いは翌未明まで大音量で鳴らし続けることで、精神的ストレス与え、全治不詳の慢性頭痛症、睡眠障害、耳鳴り症の傷害を負わせた事例では、傷害罪の実行行為にあたるとして傷害罪が成立すると判断されました。(平成17年3月29日 最高裁判所 決定)
ですので、騒音トラブルにより睡眠障害などの障害を生じさせた場合にも傷害罪が成立する可能性があるといえます。
今回の事例では、Aさんが連日深夜から早朝にかけてVさん宅に向けて大きな音をスピーカーで流し続けたことにより、Vさんは睡眠障害になってしまいました。
Aさんが精神的ストレスによる障害を生じさせてしまう可能性を認識しながら、上記行為を行っていたのであれば、Aさんに傷害罪が成立する可能性があります。
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