器物損壊事件で警察に連行!
事例
Aさんは、友人と奈良市内にある繁華街へ遊びに行きました。
Aさんは、お酒を飲んで陽気になり、路上で騒いでいたところ、車を運転していたVさんとトラブルになってしまい、Aさんはカッとなって、Vさんが乗車する車のミラーを手で叩いて破壊してしまいました。
Vさんは、すぐに警察を呼び、Aさんは駆け付けた警察官により、パトカーで警察署に連行されてしまいました。
(事例は事実に基づくフィクションです。)
器物損壊罪(刑法261条)
器物損壊罪とは、他人の物を損壊又は傷害することにより成立する犯罪です。
「物」とは、公用文書等毀棄罪(258条)、私用文書等毀棄罪(259条)、建造物等損壊罪(260条)の客体以外の全ての物を指し、動産だけでなく、不動産も含まれ、さらに、他人の動物も含まれます。
罰則は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処するとされています。
「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為をいい、物を嫌がらせ目的なので隠匿する行為も「損壊」に該当します。
「傷害」とは、動物に対する損壊行為を指し、他人の動物を殺傷したり、逃がしたりする行為がこれに該当します。
動物に対しては、器物損壊罪とは別に、動物愛護法違反の罪が成立する場合があることも注意しなければなりません。
本件事例における「車両」は、Vさんの「所有物」であり、手で叩いて破壊する行為は、ミラーの効用を害する行為だといえますので、「損壊」に該当します。
ですので、事例のAさんには器物損壊罪が成立する可能性があります。
警察に連行されれば・・・
警察署では犯行に至った経緯、どのような方法で破壊したかなどについて詳しく尋ねられます。
器物損壊事件を起こしてしまったとしても、必ず逮捕されるというわけではありません。
適切な身元引受人の用意できれば、逮捕されずに家に帰ることができる場合もあります。
逮捕されずに帰宅できた場合は、すぐに弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。
逮捕された場合
警察署で取調べを受けた後、逮捕されてしまう可能性もあります。
逮捕されている場合には、身柄解放活動を行う必要があるでしょう。
逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において、最長23日間もの間、留置場や拘置所に入らなければなりません。
身体拘束が長引けば長引くほど、Aさんの社会復帰が難しくなります。
そのため、一刻も早く外に出ることができるように、弁護士に身柄解放活動が大切になります。
「勾留をさせない活動」、「勾留後の釈放を目指す活動」など様々な活動があり、特に「勾留をさせない活動」は、逮捕後、早期に弁護士を付けることにより、初めて可能となる身柄解放活動です。
また、示談の締結も釈放に有利に働く可能性があります。
器物損壊罪は親告罪(刑法第264条)ですから、告訴がなければ起訴されない犯罪になります。
ですので、仮にVさんとの間で示談が締結し、告訴を取り下げてもらえれば、Aさんは刑罰を受けず前科が付くことを避けることができます。
加害者本人が示談交渉を行うことでトラブルに発生したり、加害者本人からの連絡を拒まれる被害者もいます。
示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいといえます。
在宅で事件が進行する場合も、逮捕されてしまった場合であっても、Aさんにとってより有利に事件を解決するためには、弁護士のサポートが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件につき、初回無料で法律相談を受けていただくことができます。
事件を起こしてしまった方が逮捕されている場合には、初回接見(有料)のお申込みにより、弁護士がご本人のもとまで伺い接見を行います。
器物損壊事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。