冤罪事件で不起訴を獲得

冤罪事件で不起訴を獲得

痴漢事件で問題となる罪と、その事件が冤罪だった場合に不起訴を獲得するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
奈良県大和高田市在住のAは、大和高田市内の会社に勤める会社員で、通勤のため鉄道を利用しています。
ある日、Aが満員の車内で立っていたところ、前に立っていた女性Xが突然「触ってますよね、止めてください。」と大声を上げました。
Aは何もしていないと返答しましたが、Xはそれを聞き入れず、痴漢されましたと大声で叫びました。
AはXほか乗客数名に掴まれて次の駅で降ろされ、駅員に引き渡されました。
その後、駅員からの通報により大和高田市を管轄する高田警察署の警察官が駆け付けましたが、Aは一貫して「これは冤罪です。」と否認を続けました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【痴漢事件について】

公共の場所や車両の中で他人の身体などに触れる行為は、痴漢と呼ばれています。
痴漢は、正式には各都道府県の定める迷惑防止条例違反事件として扱われます。
ケースは奈良県大和高田市を想定していますので、奈良県の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。

条例12条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しくしゆう恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。
 1号 他人の胸部、臀部、下腹部、大腿部等(以下「胸部等」という。)の身体に触れる行為(着衣その他の身に着ける物(以下「着衣等」という。)の上から触れる行為を含む。)であつて卑わいなもの

罰条:六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金(同条例13条1項)

【痴漢事件での捜査手法】

通常、刑事事件で立証に用いられる証拠には、主観的な証拠と客観的な証拠に分けられます。
その内容は事件によって異なりますが、ケースのような痴漢事件については主観的な証拠として嫌疑をかけられている方自身や被害者、目撃者の供述調書などが挙げられます。
客観的な証拠については、車内の監視カメラのほか、微物鑑定(繊維鑑定)などが挙げられます。
微物鑑定(繊維鑑定)とは、被害者の衣服の繊維が被疑者の手などに付着しているかどうか、というものです。
微物鑑定(繊維鑑定)は事件後すぐでなければ鑑定ができません。

【冤罪事件について】

もっとも、ケースのAは痴漢行為に及んでいません。
このように、無実の罪で被疑者として取り扱われている場合を、冤罪と呼びます。

冤罪事件にはいくつかのパターンがあり、ケースのような痴漢事件については
・別の犯人がいたパターン
・被害者の身体に荷物が当たっていてそれを痴漢と勘違いしたパターン
・女性が何かしらの理由でありもしない事件の被害申告をしているパターン
などが考えられます。

冤罪事件の場合、身の潔白を晴らすという点で積極的に微物鑑定(繊維鑑定)を希望することも考えられる一方、満員電車で故意ではないものの被害者の衣服に触れてしまった場合などでも繊維が付着している場合があるため、絶対的なものとは言えない点に注意が必要です。

また、監視カメラの映像や目撃者の証言がある場合が望ましいところですが、ケースのような満員の車内では監視カメラに被害者の下半身などが映っていない可能性があり、目撃者もいない可能性も高いです。
AはXの後ろにいたという点は状況証拠の一つにはなり得ますが、痴漢の被害に遭っている最中にその腕を掴んだ場合などでなければ、直接的な証拠とも言えません。

このように、客観的な証拠に乏しい事件では、しばし捜査機関は強引な取調べを行い「やったことはやったと認めて一からやり直せ。」等と言って事実とは異なる証言を無理やり引き出したり、「貴方が言っていることは要するにこういうことだから」等と言って供述と異なる供述調書が作成されたりする恐れもあるため、取調べは事前に弁護士と打合せをしたうえで臨み、調書への署名捺印を求められた場合には慎重な確認作業が必要です。

冤罪事件は他人事のように思われがちですが、日常生活に於て誰しもが冤罪事件に巻き込まれる可能性があります。
家族が冤罪事件で逮捕・勾留されている、あるいは御自身が冤罪事件で取調べ受けている場合、すぐに刑事事件を専門とする弁護士に相談することをお勧めします。
奈良県大和高田市にて、痴漢冤罪事件に巻き込まれている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

 

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