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腕時計の文字盤を塗りつぶしたら罪に問われるの?
時計の文字盤を塗りつぶした際に問われる可能性がある罪として、器物損壊罪が挙げられます。
では、器物損壊罪とはどのような罪なのでしょうか。
今回のコラムでは、器物損壊罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
器物損壊罪とは?
器物損壊罪は、刑法第261条に基づく犯罪です。
簡単に言うと、他人の物を損壊した場合に器物損壊罪に問われます。
では、「損壊」とはどういった行為を指すのでしょうか?
「損壊」とは、物そのものの形を変更させたり滅失させる行為や、その物自体の効用を害する行為を指します。
例えば、食器を割る行為や、車のタイヤをパンクさせる行為も、この「損壊」に該当します。
親告罪とは?
器物損壊罪は親告罪です。
親告罪とは、告訴がなければ起訴することができない犯罪を指します。
この特性により、被害者が告訴しない限り、起訴され刑罰を科されることはありません。
告訴が必要な理由
親告罪の存在理由は、被害者の意志に一定の尊重を与えるためです。
例えば、名誉毀損罪や侮辱罪なども親告罪に該当します。
被害者が示談を望む場合や、告訴を取り下げたい場合には、その意志が尊重されます。
時計の文字盤を塗りつぶしたら?
事例
奈良県大和郡山市に住むAさんは、上司のVさんに嫌がらせをする目的でVさんの腕時計の文字盤を油性ペンで塗りつぶしました。
Aさんが油性ペンで塗りつぶしたことを知ったVさんは、奈良県郡山警察署に被害届を出しました。
その後、Aさんは奈良県郡山警察署の刑事から話を聞かれることになりました。
(この事例はフィクションです。)
事例のAさんに罪は成立するのでしょうか。
結論から言うと、器物損壊罪が成立する可能性があります。
AさんはVさんの腕時計の文字盤を油性ペンで塗りつぶしています。
油性ペンのインクはなかなか落ちないでしょうし、時計の文字盤を塗りつぶされてしまうと、時間を見ることはできなくなります。
腕時計の効用は時間を把握することでしょうから、時間を見れないとなると時計としての効用を失ってしまったと考えられます。
「損壊」というと、床にたたきつけて壊したりなどを思い浮かべますが、物の効用を失わせる行為も含まれます。
ですので、事例のAさんが腕時計の文字盤を油性ペンで塗りつぶした行為は、「損壊」にあたるおそれがあり、器物損壊罪が成立する可能性があります。
「損壊」の範囲
先ほどの事例からわかるように、「損壊」の定義は非常に広く、物の形状を変えるだけでなく、その効用を害する行為も含まれます。
このような広い定義により、多くの行為が器物損壊罪に該当する可能性があります。
行為が「損壊」にあたるかどうかは、事例によって異なりますので、器物損壊罪の容疑をかけられた場合には、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
親告罪の刑事弁護活動
親告罪においては、被害者との示談がとても重要となります。
親告罪は告訴がなければ起訴できないため、被害者との示談によって告訴を回避または取り下げてもらうことができれば刑事罰が科せられることはありません。
示談交渉は基本的に被害者本人とすることになります。
ですので、今回の事例では、Vさん相手に示談交渉を行うことになります。
AさんがVさんに示談を締結して告訴を取り下げてほしいと頼んだ場合、VさんはAさんの要望に応えるでしょうか。
おそらく示談を締結してもらえないでしょうし、告訴も取り下げてもらえないでしょう。
それどころか、余計にVさんを怒らせてしまうかもしれません。
そういった事態を避けるためにも、示談交渉を行う際には弁護士を入れることをお勧めします。
弁護士を入れることで話がこじれることを防げる場合がありますし、示談を締結できる可能性があります。
器物損壊罪でお困りの方は、刑事事件に強い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で24時間365日受け付けております。
【事例紹介】しつけを理由に幼い子供を窒息死させたケース①
3歳の長男を布団で巻いて死亡させたとして、傷害致死罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
(前略)3歳の長男を布団で巻いて死なせたとして、傷害致死の疑いで、(中略)容疑者(27)を逮捕した。「泣きやまず、しつけのためだった」と容疑を認めている。
(中略)司法解剖の結果、死因は吐しゃ物を吸い込んだことによる窒息の可能性が高いとみられる。目立った外傷はなく、栄養状態にも異常は見られなかった。(中略)
捜査関係者によると、容疑者は「以前にも布団で巻いた」とも話していたという。(後略)
(9月28日 京都新聞 「3歳長男死なせた疑い、千葉」より引用)
傷害致死罪とは
刑法205条によると、「身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有機懲役に処する」として傷害致死罪を規定しています。
傷害致死罪は、①人の身体を傷害して傷害罪が成立した上で、②傷害よりも重い死亡という結果が生じた場合に、傷害罪よりも重く処罰する法律です。
① については、刑法205条「身体を傷害し」の文言が、②については同条「よって死亡させた」の文言が対応します。
今回のケースでは、容疑者は、しつけにかこつけて、幼い子供を布団で巻いて窒息させたとされていますが、傷害致死罪は成立するのでしょうか?
傷害致死罪が成立するためには、傷害罪の成立が必要になります。
そもそも傷害罪とはどういった犯罪なのでしょうか?
傷害罪(刑法204条)は、「人の身体を傷害」した場合に成立します。
傷害とは、人の生理機能を害することであるとされています(最判27年6月6日刑集6・6・745)
具体的には、殴られたことによる出血などのような外傷のほか、失神、慢性的な頭痛などを生じさせた場合に生理機能を害したとされます。
つまり、殴ったことでけがをさせた場合には傷害罪が成立しますし、頭を強く殴って失神させた場合や、騒音により慢性的な頭痛を引き起こさせた場合にも傷害罪が成立する可能性があります。
本ケースでは、長男を布団で巻いて死亡させたと報道されています。
司法解剖の結果によると、死因は吐しゃ物を吸い込んだことによる窒息の可能性が高いそうです。
容疑者が実際に長男を布団で巻いていて、かつ、窒息の原因が容疑者の行為によるものなのであれば、布団で巻くことで長男を窒息させたと言えますから、生理機能を害したとして、傷害罪が成立するでしょう。
加えて、上記行為が原因となって、死亡という結果が生じたのであれば、傷害致死罪が成立すると考えられますので、今回の事例の報道が事実であれば、傷害致死罪が成立する可能性があります。
逮捕されると、72時間の間に、勾留の判断が行われます。
勾留が決定した場合には、最長で20日間身体拘束を受けることになります。
傷害致死事件などの人が亡くなっている事件では、量刑が重くなることが予想されますので、逃亡のおそれがあると判断されやすく、釈放が認められづらい傾向にあります。
ですが、傷害致死事件を起こした場合には必ずしも釈放が認められないというわけではありません。
弁護士が勾留の判断が行われるまでの間に、検察官や裁判官に意見書を提出することで、釈放を認められる可能性があります。
この意見書は逮捕後72時間以内に提出をする必要があります。
釈放に向けた弁護活動は時間との勝負になりますので、ご家族が逮捕された方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120―631―881で受け付けております。
次回のコラムでは、傷害致死罪の容疑をかけられた際の弁護活動について、ご紹介します。
【事例紹介】腹膜炎で死亡させた事例②~傷害致死と釈放~
前回のコラムに引き続き、お腹を圧迫して腹膜炎で死亡させたとして、傷害致死罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
交際相手の子どもに暴行を加えて死なせたとして、奈良県警は(中略)容疑者(中略)を傷害致死の疑いで逮捕し、発表した。調べに対し「全く身に覚えはありません」と話しているという。
捜査1課によると、(中略)容疑者は(中略)奈良県橿原市曽我町の(中略)さん(当時4)に腹を圧迫する暴行を加え、19日に死亡させた疑いがある。死因は十二指腸に穴が開き、腹膜炎が生じたというものだった。
(後略)
(9月6日 朝日新聞デジタル 「4歳児の腹を圧迫し死なせた疑い 母親の交際相手を逮捕 奈良・橿原」より引用)
傷害致死罪と釈放
刑事事件では、逮捕されたとしても釈放が認められれば家に帰ることができます。
ではどういった場合に釈放が認められるのでしょうか。
刑事訴訟法第60条1項では、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で次の3つのうち1つでも当てはまれば、勾留することができると規定しています。
①被告人が定まった住居を有しないとき。
②被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
③被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
逆に言えば、上記の①~③に当てはまらない場合には、釈放が認められることになります。
今回の事例では、容疑者が交際相手の娘に暴行を加えて死なせたとして傷害致死罪の容疑で逮捕されています。
被害者は容疑者の交際相手の娘ですので、この交際相手は重要参考人であることが予想されます。
証拠と聞くと犯行に使用したものなどを思い浮かべる方が多いとは思いますが、取調べなどで話す内容も証拠となります。
容疑者は交際相手の住居や連絡先を知っているでしょうから、連絡を取ることは容易であると考えられます。
供述内容を変えるように働きかけることも証拠隠滅になりますから、今回の事例では証拠隠滅のおそれがあると判断される可能性が高いです。
また、今回の事例では、容疑者が容疑を否認しています。
否認事件では、容疑を認めている事件に比べて事件の捜査に要する時間が長くなりますので、勾留の決定など身体拘束期間が長引く可能性があります。
加えて、人が亡くなっている事件では、科される刑罰が重くなることが予想されることから、逃亡する可能性が高いと判断される可能性もあります。
弁護士は勾留の判断について、勾留が決定されるまでの逮捕後72時間以内であれば検察官や裁判官に意見書を提出することができます。
意見書で勾留されることでの不利益や、家族の監視監督により証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張することで、釈放が認められるかもしれません。
また、勾留が決定した後でも、裁判所に対して準抗告の申し立てを行えます。
準抗告の申し立てを行うことで、釈放が認められる場合もありますので、釈放を望んでおられる方は、一度弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が意見書の提出や準抗告の申し立てを行い、勾留されて困ることや証拠隠滅、逃亡のおそれがないことを主張することで、釈放を認めてもらえる可能性があります。
勾留されるかどうかは逮捕後72時間以内に判断されます。
意見書の提出はこの勾留が判断されるまでの72時間以内に行わなければなりません。
釈放にむけた弁護活動は時間との勝負になりますので、釈放を考えている方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。
次回のコラムでは、傷害致死罪と殺人罪について解説します。
【事例紹介】腹膜炎で死亡させた事例①~否認~
お腹を圧迫して腹膜炎で死亡させたとして、傷害致死罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
交際相手の子どもに暴行を加えて死なせたとして、奈良県警は(中略)容疑者(中略)を傷害致死の疑いで逮捕し、発表した。調べに対し「全く身に覚えはありません」と話しているという。
捜査1課によると、(中略)容疑者は(中略)奈良県橿原市曽我町の(中略)さん(当時4)に腹を圧迫する暴行を加え、19日に死亡させた疑いがある。死因は十二指腸に穴が開き、腹膜炎が生じたというものだった。
(後略)
(9月6日 朝日新聞デジタル 「4歳児の腹を圧迫し死なせた疑い 母親の交際相手を逮捕 奈良・橿原」より引用)
傷害致死罪
刑法第205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。
傷害致死罪は簡単に説明すると、暴行を加えた結果、殺すつもりがないのに人が亡くなってしまった場合に成立します。
今回の事例では、容疑者が被害者にお腹を圧迫する暴行を加えた結果、被害者が腹膜炎になり死亡したと報道されています。
暴行とは、簡単に説明すると物理的に力を加えることをいいます。
暴行でイメージするような殴る蹴るはもちろんのこと、体を抑える行為なども暴行にあたります。
ですので、報道されているお腹を圧迫する行為は暴行にあたります。
実際に容疑者が被害者のお腹を圧迫し、圧迫が原因で被害者が死亡したのであれば、傷害致死罪が成立する可能性があります。
否認と取調べ
今回の事例では、容疑者が「全く身に覚えはありません」と容疑を否認していると報道されています。
容疑を否認している事件では、捜査に時間を要することから勾留期間が長くなるおそれがあります。
勾留されている間は取調べが連日にわたって行われることも少なくありません。
取調べでは、裁判で重要な証拠となる供述調書が作成されます。
取調べでは、警察官などからやっていないことをやったと認めるように勧められたり、警察官などに都合の良いように供述内容を誘導されるおそれがあります。
もしも、嘘の自白やあなたの意に反した内容の供述調書を作成されてしまうと、裁判でかなり不利な状況に陥ってしまう可能性が高くなってしまいます。
そういった事態を防ぐためにも、弁護士と事前に打ち合わせを行い、供述する内容の整理をおこなっておくことをお勧めします。
また、容疑を否認している事件では、自白させるために、きつい取調べが行われることがあります。
弁護士は警察署などに抗議を行うことができますので、取調べでお困りの方は、一度弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
見に覚えのないことで捜査を受けている方、取調べ対応でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
次回のコラムでは傷害致死罪と釈放について解説します。
奈良西警察署に息子が逮捕 今すぐできることは!?
奈良西警察署に息子が逮捕された時に、親として今すぐ何ができるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
まずは、奈良西警察署に弁護士を派遣!!
息子さんなどのご家族が警察に逮捕された時、残された家族に何ができるのか?
それは、弁護士を派遣することです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕されてしまった方のもとに弁護士を派遣する 初回接見サービス を提供していますので、是非ご利用ください。
それでは、傷害事件を起こした息子が、奈良西警察署に逮捕されたAさんの事件を参考に、弁護士がどういった弁護活動をするのかについて解説します。
Aさんの息子は、奈良市内にある工場で働いています。
昨日、この工場を管轄する奈良県奈良西警察署からAさんのもとに電話があり「息子さんを傷害罪で逮捕しました。」と告げられました。
Aさんは、インターネットで即日対応している、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスを利用しました。
(フィクションです)
まずは早期釈放に向けた活動
逮捕によって身体拘束が長引けば、失職したり、学校を退学になったりと、刑事処分以外で大きな不利益を被る可能性が出てきます。
そういった不利益を少しでも軽くするためには、逮捕されて身体拘束を受けている方の早期釈放が必至となります。
そのため弁護士は、逮捕された方の早期釈放に向けた活動を行います。
弁護士がどういった活動を行うかは、ケースバイケースですが、初回接見後に、早期釈放の見通し、具体的な弁護活動をご案内することができます。
刑事罰を回避するための活動
逮捕されたからといって、必ず刑事罰を受けるわけではありません。
どういった刑事罰を受けるかは、その後の弁護活動が大きく影響します。
今回のような傷害事件は、刑事罰が科せられるとすれば、その法定刑「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の範囲内で刑事罰が科せられることになります。
初犯であることを前提に、被害者の傷害の程度が軽い場合は、略式起訴による罰金刑となる可能性が高いですが、逆に傷害の程度が重い場合は、初犯であっても起訴されて正式裁判となる可能性がありますし、被害者が重傷や重体の場合は、実刑判決の可能性があります。
今後どういった刑事罰が科せられるのか、初回接見後であれば、弁護士から見通しをご案内することができ、処分軽減に向けた弁護活動を提案させていただけます。
そして、もし被害者との示談を成立させることができれば、刑事罰を回避(不起訴)できる可能性が高くなるでしょう。
Aさんのように、ご家族が警察に逮捕されてお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が提供する 初回接見サービス については、こちらをクリック
共犯者が逃亡中の傷害事件 接見禁止解除のための弁護活動
共犯者が逃亡中の傷害事件で勾留の被疑者の、接見禁止解除のための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件内容
奈良県生駒市の工場で働いているAさん(26歳)は、この工場で働いている後輩が全くいう事を聞かないことに日頃から腹が立っていました。
そんなある日、その後輩が仕事中にミスをしてAさんの同僚に叱責されているのを見かけたAさんは、同僚と共に後輩を叱責したのですが、その際に後輩が口答えをしたことから、同僚と共に、後輩に対して暴行を加えました。
この暴行によって後輩はろっ骨を複数個所骨折する重傷を負い、事件の翌日に、Aさんは傷害罪で逮捕されましたが、暴行に加わった同僚は逃走しています。
Aさんの逮捕を知った父親は、Aさんに面会しようとしましたが、接見禁止が決定していたため面会することができませんでした。
(フィクションです。)
傷害事件
刑法204条は、「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と、傷害罪を規定しています。
当然、Aさんの行為は傷害罪に当たり、一緒に暴行した従業員はAの共犯となり、全員に傷害罪が適用されます。
共犯事件と接見禁止
二人以上の者で犯罪を犯すと共犯事件となります。
共犯事件を起こして警察に逮捕された場合、共犯者同士が通謀して証拠隠滅する可能性があることから、勾留と同時に接見禁止決定が付されることがよくあります。
接見禁止決定が付されると、除外されない限りは、友人など他人はおろか、ご家族の方でも面会することができません。
ちなみに共犯事件の他にも、否認している事件や、振込め詐欺のような組織犯罪については、接見禁止決定が付されることがよくあります。
接見禁止決定の解除
逮捕、勾留されている被疑者の弁護人は、接見禁止決定の解除を裁判所に申し立てることができます。
弁護人の申立てが必ず容認されるわけではありませんが、拘束されている方の配偶者や両親等の親近者に限っては、事件と無関係であることが証明できれば、比較的、接見禁止決定が解除されやすい傾向にあります。
接見禁止解除に強い弁護士
ご家族、ご友人が傷害事件を起こして警察に逮捕されしまった方、身体拘束されている方の接見禁止決定の解除を求める方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
奈良市の監禁事件 逮捕される前に弁護士に相談
奈良市の監禁事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件
奈良市で飲食店を経営するAさんは、1カ月前からツケで飲食している客に飲食代を請求しましたが、支払いを拒まれたために、この客を翌朝まで閉店後の店に監禁し、これまでの飲食代をまとめて払うよう恫喝しました。
後日、この客が警察に監禁の被害届を出したことを知ったAさんは、監禁事件に強い刑事事件専門の弁護士に相談しました。(フィクションです。)
監禁とは、人の行動の自由を場所的に拘束することです。
刑法第220条には「逮捕及び監禁」として監禁罪が定められています。
監禁罪は、不法に人を監禁する事で成立します。
それでは「不法に」とは、具体的にどのような行為を言うのでしょうか。
学説的には、その手段、方法を制限しておらず、有形的方法であるのと無形的方法であるのとを問いません。
暴行、脅迫を用いる方法は当然のこと、人の羞恥心や恐怖心を利用したり、偽計によって被害者を錯誤に陥らせて監禁した場合も、監禁罪が成立します。
また、不作為による監禁事件も存在します。
例えば、被害者がオートロック式のドアから誤って倉庫内に入り、室内に閉じ込められたのを知りながら、倉庫の管理人がドアを開けなかった場合、この管理者が不作為による監禁罪に問われる可能性があります。
ちなみに監禁罪の法定刑は「3月以上7年以下の懲役」と罰金刑が定められていない厳しいものですが、被害者と示談することによって、不起訴処分や、執行猶予付の判決が望める事件でもあります。
奈良市の刑事事件でお悩みの方、監禁事件に強い刑事事件専門の弁護士をお探しの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、奈良県内の警察署に逮捕された方への初回接見を0120-631-881で24時間受け付けております。
爆破予告で臨時休校も 威力業務妨害罪と恐喝罪
日本各地の、高校や大学に爆破予告のFAXが相次いで届き、中には休校した学校もあるようです。
実際に人命にかかわる事件が発声しなかったことは不幸中の幸いですが、こういった脅迫行為によって学校の運営を妨害した事件を例に、威力業務妨害罪と脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
爆破予告
学校等に「爆弾をしかけた」といった内容のFAXを送信すれば、その行為は脅迫行為に当たるので、少なくとも脅迫罪が成立します。
実際のFAXには、金銭を要求する文言も含まれていたので恐喝未遂罪に抵触する可能性が高いでしょう。
ここでは脅迫罪について解説します。
刑法第222条(脅迫罪)
1 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
脅迫罪が成立するには、脅迫の対象は「人」でなければなりませんので、学校(法人)に対する脅迫罪は成立しないと解されますが、過去の判例(昭和61年2月16日、大阪高裁)では「法人に対する加害の告知が、現にその告知を受けた自然人自身に対する加害の告知に当たると評価され得る場合は、その自然人に対する脅迫罪が成立する」とされているので、学校に対して「爆破する」というFAXを送信する行為は脅迫罪に当たるでしょう。
業務妨害罪
「爆破する」という威力をもって、学校の業務を妨害すれば間違いなく刑法第234条の威力業務妨害罪が成立するでしょう。
今回の事件では、脅迫を受けて実際に休校にした学校と、休校にしなかった学校があるようですが、業務妨害罪の成立には、実際に業務が妨害されたか否かは必要とされておらず、妨害されるおそれが生じれば足りるので、休校にしなかった学校に対する業務妨害罪も成立する可能性が高いでしょう。
ちなみに業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
刑事事件に関するお問い合わせは
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
刑事事件に関する ご相談 や、逮捕等で身体拘束を受けている方へに弁護士を派遣する 初回接見サービス については、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。
【速報】1歳女児に全治3カ月の重傷 傷害罪で逮捕
【速報】1歳女児に全治3カ月の重傷を負わせた男が傷害罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
1歳女児に対して足を踏みつけたりする等の暴行を加え、太ももの骨を折る等の全治3カ月の重傷を負わせた傷害の容疑で、奈良県御所市の住む男が逮捕されました。
傷害罪
人に対して暴行等を加えて傷害を負わせると傷害罪となります。
報道されている内容が事実であれば、今回の事件が傷害事件であることは間違いありませ。
傷害罪の罰則
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
法定刑とは、起訴されて有罪が確定した際に科せられる刑事罰を意味します。
傷害罪でどういった刑事罰が科せられるかは、まず前科、前歴の有無、暴行に至った経緯(動機)、暴行の程度、被害者の性別や年齢、被害者の怪我の程度、反省の度合い等によって、裁判官が最終的に判断することになりますが、軽微な傷害事件であれば、公判請求されずに略式命令による罰金刑で手続きが終結することもあります。
※略式命令については⇒⇒こちらをクリック
傷害罪で逮捕されると
傷害事件に限らず事件を起こして警察に逮捕されると、逃走や証拠隠滅のおそれがある場合は、10日~20日間の勾留を受けることになり、勾留の最終日に公判請求(起訴)されるかどうかが決定します。
ここで公判請求(起訴)されると、その後の刑事裁判で判決が確定するか保釈が決定するまで身体拘束が続くこととなります。
傷害罪の量刑
今回の事件は、1歳の女児に対する暴行で、しかも全治3カ月の重傷を負わせています。
この事実だけで判断すると、逮捕された男には執行猶予の付く判決の可能性が考えられますが、逮捕された男の前科の有無や、常習性、被害者との関係性等によっては、執行猶予が付かず実刑判決の可能性も十分に考えられます。
傷害事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、奈良県内の刑事事件に即日対応している法律事務所です。
奈良県内の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、刑事事件に強い弁護士が即日対応する、初回無料の法律相談や、電話でご予約が完了する初回接見サービスをご利用ください。
大和郡山市内の児童虐待 母親が暴力行為等処罰に関する法律違反で逮捕
母親が暴力行為等処罰に関する法律違反で逮捕された、大和郡山市内の児童虐待について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
大和郡山市に住む主婦A子は、小学生の長女を、日常的に暴行していたとして児童虐待で、奈良県郡山警察署に、暴力行為等処罰に関する法律違反で逮捕されました。
A子の夫は児童虐待に強い弁護士を探しています。
(この話はフィクションです)
児童虐待とは
児童虐待とは、児童虐待の防止に関する法律で、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。)がその監護する児童(十八歳に満たない者)に対して①暴行を加える事②わいせつな行為をする又はさせる事③児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置など、監護を怠る事④著しい暴言又は著しく拒絶的な対応等、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行う事と定義しています。
児童虐待の防止に関する法律では、児童虐待を禁止していますが、虐待行為に対する罰則規定はありません。(接触禁止命令に背き、児童に接触しようとした場合には「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」が定められている)
それは、この法律は、保護者の行為を規制することよりも、児童虐待の予防及び早期発見、虐待児童の保護と自立支援を目的にしているからです。
そのため児童虐待した保護者等は、刑法等の法律に則って罰せられることとなります。
暴力行為等処罰に関する法律
A子が逮捕された暴力行為等処罰に関する法律違反は、主として刑法犯で定められている、脅迫、暴行、傷害、器物損壊等の集団的、常習的な犯行を、刑法犯の各罪の罰則規定よりも重く処罰するためにある法律です。
児童虐待自体は、刑法犯の暴行若しくは傷害罪として罰せられることとなり、この場合の処罰規定は、暴行罪ならば「2年以上の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」で傷害罪ならば「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
A子のように日常的に児童虐待していた場合、暴力行為等処罰に関する法律第一条の三の常習的な暴行が認められる可能性があります。
その場合の罰則規定は、常習的暴行で「3月以上5年以下の懲役」常習的傷害で「1年以上15年以下の懲役」です。
日本では児童虐待の防止に関する法律の施行で、児童虐待を認知して、児童を保護し、行政機関へ通告するシステムが確立されており、最近は、警察等の捜査機関においても、児童虐待を厳しく取り締まっており、家庭内の問題では済まない場合がほとんどです。
大和郡山市の刑事事件に強い
児童虐待で警察の取調べを受けている方、またそのご家族様、暴力行為等処罰に関する法律違反でお悩みの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、大和郡山市の刑事事件に幅広く対応している法律事務所です。