Archive for the ‘性犯罪’ Category

子どもがほしいと思い、妻の寝込みを襲って無理やり性行為をした事例②

2025-07-08

子どもがほしいと思い、妻の寝込みを襲って無理やり性行為をした事例②

夜 ベッド

不同意性交等事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県香芝市に住むAさんとVさんは結婚して3年目になります。
Vさんとの間に子どもが欲しいと考えたAさんは、Vさんに性交渉を求めました。
Vさんに性交渉を拒絶されたAさんは、Vさんの寝込みを襲い、無理やり性行為を行いました。
翌日、Vさんは奈良県香芝警察署に行き、Aさんに無理やり性交させられたと被害を相談しました。
(事例はフィクションです。)

不起訴処分

前回のコラムで解説したように、不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑(刑法第177条1項)です。
不同意性交等罪では罰金刑の規定はありませんから、執行猶予が付かない限り、有罪になると必ず刑務所に行くことになります。
どうにかして有罪になり刑罰を科されることを防ぐことはできないのでしょうか。

有罪になり刑罰を科されることを防ぐ方法として、不起訴処分の獲得が挙げられます。
不起訴処分は文字通り、起訴しない処分を指します。
刑事事件では、起訴されて有罪になることで刑罰を科されますから、そもそも起訴されることがなければ、刑罰は科されません。

今回の事例では、AさんはVさんが寝ていることを利用して同意を得ずに性行為をしていますから、Aさんの行為は不同意性交等罪にあたると考えられ、起訴後にAさんが無罪を獲得することは相当厳しいと思われます。
一方で、不起訴処分には起訴猶予があり、犯罪行為を行った証拠が十分にある場合であっても、様々な事情から不起訴処分が相当だと判断された場合には不起訴処分を獲得できる可能性があります。
起訴猶予による不起訴処分であっても不起訴処分であることには変わりありませんから、刑罰は科されませんし、前科も付きません。

示談交渉

被害者と示談を締結することで、不起訴処分を得られる場合があります。

示談交渉は加害者であるAさん自ら行うことは不可能ではありません。
ですが、AさんがVさんと直接示談交渉をすることはおすすめできません。

被害者であるVさんの供述は重要な証拠となります。
ですので、Aさん自らがVさんと示談交渉を行うことで、証拠隠滅を謀っていると誤解されてしまうおそれがあります。
また、夫であるAさんから無理やり性的暴行を受けたVさんは、Aさんに厳しい処罰感情を抱いている可能性が高いと考えられます。
VさんがAさんとの直接的なやり取りを拒絶する可能性がありますから、示談交渉は弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
不同意性交等罪示談交渉でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

子どもがほしいと思い、妻の寝込みを襲って無理やり性行為をした事例①

2025-07-01

子どもがほしいと思い、妻の寝込みを襲って無理やり性行為をした事例①

夜 ベッド

不同意性交等事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県香芝市に住むAさんとVさんは結婚して3年目になります。
Vさんとの間に子どもが欲しいと考えたAさんは、Vさんに性交渉を求めました。
Vさんに性交渉を拒絶されたAさんは、Vさんの寝込みを襲い、無理やり性行為を行いました。
翌日、Vさんは奈良県香芝警察署に行き、Aさんに無理やり性交させられたと被害を相談しました。
(事例はフィクションです。)

不同意性交等罪

刑法第177条1項
前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

刑法第177条1項では、不同意性交等罪が規定されています。
前条第1項各号では、「暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。(1号)「睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。(4号)「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。(5号)などが規定されています。

不同意性交等罪を簡単に説明すると、同意を得ずに性行為をすると成立する犯罪です。
刑法第177条1項が規定しているように、不同意性交等罪は婚姻関係の有無に関係なく成立します。

今回の事例では、AさんはVさんの寝込みを襲い性行為を行ったようです。
Aさんは睡眠その他の意識が明瞭でない状態にあることを利用し、Vさんに性行為を行ったといえるでしょう。
また、不同意性交等罪は婚姻関係の有無にかかわらず成立します。
ですので、Aさんに不同意性交等罪が成立する可能性があるといえます。

不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑です。
婚姻関係があっても不同意性交等罪は成立しますし、法定刑は婚姻関係に関わらず、5年以上の有期拘禁刑になります。
婚姻関係にあるからといって相手に同意なく性行為を行うと罪に問われることになりますので注意が必要です。
不同意性交等罪は比較的科される刑の重い犯罪だといえますから、早期に弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
刑事弁護の経験豊富な弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られる可能性があります。
不同意性交等罪で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例④

2025-02-25

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例④

取調べ

不同意性交等罪逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住む22歳のAさんは、近所に住む15歳のVさんと交際しています。
AさんはVさんに性行為に対して同意を取り、同意を得たうえで性行為に及びました。
1か月後、生理が来ないことで心配になったVさんが母親に相談をしたことで、Vさんの母親がAさんとVさんの関係性を知り、奈良県橿原警察署に被害届を出しました。
数日後、Aさんの家に奈良県橿原警察署の警察官が来て、不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

執行猶予付き判決の獲得

不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。(刑法177条1項)
ですので、不同意性交等罪で有罪になると必ず拘禁刑が科されることになります。
拘禁刑では刑務所に行かなければなりませんが、刑務所に行くことは避けたいと思われる方がほとんどだと思います。
前回のコラムでは、不起訴処分の獲得に向けた弁護活動をご紹介しましたが、不起訴処分を獲得できなかった場合には刑務所に行かなければならないのでしょうか。

刑事事件では、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、刑の執行が猶予されることがあります。(刑法第25条1項)
この制度を執行猶予といいます。
以前のコラムでも解説しましたが、5年以上の有期拘禁刑を科される不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得ることはかなり厳しいといえます。
とはいえ、絶対に不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得られないわけではありません。

前回のコラムで示談を締結することで不起訴処分の獲得に有利にはたらく可能性があると解説しました。
示談を締結したが起訴された場合や起訴後に示談を締結できた場合には、示談の締結が執行猶予付き判決の獲得に有利にはたらく可能性があります。
ただ、前回も解説したように、加害者本人からの連絡は取りたくないと思われる被害者も多いため、加害者本人が直接連絡を取ることはおすすめできません。
ですので、示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。

また、執行猶予付き判決を獲得するためには、Aさんにとって有利な証拠を集め、不利な証拠の作成を防ぐことが重要になります。

証拠というと物的証拠をイメージされる方が多いかと思いますが、加害者であるAさんや被害者であるVさんの供述なども重要な証拠となります。
捜査段階において、Aさんは警察官や検察官から取調べを受けることになります。
取調べではAさんの供述内容を基に供述調書を作成されます。
一度作成された供述調書は修正することは容易ではありませんので、捜査官に誘導されるがまま事実とは異なる内容の供述はしないこと、意に反した内容の供述調書には署名・押印しないことが重要になります。
とはいえ、初めての経験で不安な中、Aさんの不利にはたらく供述調書の作成を防ぐことは難しいかと思います。
事前に弁護士と話し合い、取調べ対策を講じておくことで、Aさんの不利にはたらく供述調書の作成を防げる可能性があります。
また、取調べへの不安を少しでも和らげる可能性がありますので、取調べを受ける際は弁護士に相談をすることをおすすめします。

繰り返しになりますが、不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得ることはかなり厳しいといえます。
ですが、不同意性交等罪でも執行猶予付き判決を獲得できる場合がありますので、今後の処分の見通しを確認するためにも、一度、刑事事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
ご家族が不同意性交等罪逮捕された方、取調べでご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例③

2025-02-18

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例③

取調べ

不同意性交等罪逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住む22歳のAさんは、近所に住む15歳のVさんと交際しています。
AさんはVさんに性行為に対して同意を取り、同意を得たうえで性行為に及びました。
1か月後、生理が来ないことで心配になったVさんが母親に相談をしたことで、Vさんの母親がAさんとVさんの関係性を知り、奈良県橿原警察署に被害届を出しました。
数日後、Aさんの家に奈良県橿原警察署の警察官が来て、不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

不起訴処分の獲得

不起訴処分とは、その名の通り、起訴しない処分のことをいいます。
刑事事件では、起訴されると公開の法廷で裁判が開かれます。
また、科される刑罰が罰金刑などで済む場合には、略式起訴されることもあります。
略式起訴では裁判所に行って裁判を受ける必要はないものの、有罪であることには変わりありませんから、前科が付くことになります。
今回の事例で問題となっている不同意性交等罪は、有罪になると、5年以上の有期拘禁刑(刑法177条1項)を科されますから、略式起訴の対象になることはなく、起訴されると公開の法廷で裁判を受けることになります。

繰り返しになりますが、不起訴処分は起訴しない処分ですので、裁判が行われることはなく、刑罰を科されたり前科が付くことはありません。
これは不同意性交等罪でも例外ではなく、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰が科されることや前科が付くことを避けることができます。

不起訴処分の獲得に向けた弁護活動として、示談交渉があげられます。

今回の事例では、AさんがVさんの同意を得たうえで性行為に及んでいることから、示談を締結することは容易だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、今回の事例のVさんは15歳であり未成年ですから、親権者であるVさんの母親や父親を相手に示談交渉を行うことになります。
今回の事例のVさんの母親はAさんとVさんの関係性を知ったうえで被害届を提出していますから、たとえ真剣交際で性行為についてVさんの同意を得ていたとしても、Vさんの母親のAさんに対する処罰感情は苛烈であることが予想されます。
ですので、今回の事例では示談交渉が難航する可能性が極めて高いといえます。

加害者本人からの連絡は抵抗を感じる被害者も多く、示談交渉はおろか連絡すら取れないことも少なくありません。
今回の事例でもVさんの母親は、VさんとAさんの関係を絶たせるためにも、Aさん本人からの連絡は一切取りたくないと考えている可能性があります。
弁護士が間に入ることで、弁護士からの話であれば聞いてもらえる可能性がありますから、示談交渉は弁護士を介して行うことをおすすめします。

また、弁護士を介して示談交渉を行うことで、Aさん本人が逮捕・勾留中であっても示談交渉を行うことができます。
示談の締結が釈放に繋がることもありますので、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
不同意性交等罪でお困りの方、示談交渉が難航している方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例②

2025-02-11

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例②

取調べ

不同意性交等罪逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住む22歳のAさんは、近所に住む15歳のVさんと交際しています。
AさんはVさんに性行為に対して同意を取り、同意を得たうえで性行為に及びました。
1か月後、生理が来ないことで心配になったVさんが母親に相談をしたことで、Vさんの母親がAさんとVさんの関係性を知り、奈良県橿原警察署に被害届を出しました。
数日後、Aさんの家に奈良県橿原警察署の警察官が来て、不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

不同意性交等罪と釈放

前回のコラムで解説したように、不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑です。(刑法177条1項)
不同意性交等罪は刑法のなかでも比較的、科される刑罰の重い犯罪のひとつだといえます。
重い刑罰が科される見込みのある事件については、逃亡のおそれがあるとして釈放が認められづらい傾向にあります。
今回の事例のAさんは不同意性交等罪の疑いで逮捕されていますから、釈放を認めてもらえない可能性があります。

また、AさんとVさんは恋愛関係にあったので、AさんはVさんの連絡先や住居などの個人情報を当然知っているでしょう。
加えて、AさんはVさん宅の近所に住んでいますから、AさんがVさんに接触することは容易であると考えれます。
Vさんの供述は重要な証拠となりますので、AさんがVさんと接触することが容易である以上、重要な証拠を隠滅することも容易であると考えられますから、証拠隠滅のおそれがあるとして、Aさんの身体拘束期間が長期にわたる可能性が高いといえます。

勾留阻止と準抗告

弁護士は、勾留請求前であれば、検察官に勾留請求に対する意見書を提出することができます。
弁護士が勾留されてしまうことで被る不利益などを訴え、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを主張することで、勾留請求をせずに釈放をしてもらえる可能性があります。

検察官が勾留を請求した場合は、裁判官が勾留の判断を下すことになります。
検察官が勾留を請求した段階では、勾留は決定していませんから、勾留請求後に裁判官に意見書を提出し釈放を求めることで、勾留を阻止して早期釈放を実現できる可能性があります。

また、勾留が決定した場合には、裁判所に対して準抗告の申し立てを行うことができます。
勾留の判断を行った裁判官とは別の裁判官が判断しますので、釈放を認めてもらえる可能性があります。

不同意性交等罪で逮捕されたら

繰り返しになりますが、不同意性交等罪釈放が認められづらい傾向にあります。
とはいえ、絶対に釈放を認めてもらえないわけではありませんから、早期に弁護士に相談をして身柄開放活動を行うことが望ましいといえます。
勾留は逮捕後72時間以内に判断されますから、この72時間を逃してしまうと、釈放を求める貴重な機会を2回も失ってしまうことになります。
釈放を求める機会は大いに越したことはありませんから、ご家族が逮捕されてしまった場合には、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回接見サービスのご予約は、0120-631-881で受け付けております。

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例①

2025-02-04

交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例①

取調べ

不同意性交等罪逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

奈良県橿原市に住む22歳のAさんは、近所に住む15歳のVさんと交際しています。
AさんはVさんに性行為に対して同意を取り、同意を得たうえで性行為に及びました。
1か月後、生理が来ないことで心配になったVさんが母親に相談をしたことで、Vさんの母親がAさんとVさんの関係性を知り、奈良県橿原警察署に被害届を出しました。
数日後、Aさんの家に奈良県橿原警察署の警察官が来て、不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

不同意性交等罪

不同意性交等罪は、簡単に説明すると、同意を得ずに性行等を行うと成立する犯罪です。

今回の事例では、AさんはVさんの同意を得て性行為をしています。
事例のAさんに不同意性交等罪は成立するのでしょうか。

刑法第177条
3項 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

刑法第177条では、不同意性交等罪が規定されています。
不同意性交等罪は、同意を得ていたとしても相手の年齢によって、成立してしまうことがあります。

例えば、性行為の相手が13歳未満であった場合には、同意を得ていたとしても不同意性交等罪が成立します。
また、13歳以上16歳未満であった場合には、行為者との年齢差が5歳以上であれば、不同意性交等罪が成立します。

今回の事例では、Vさんが15歳です。
Aさんは22歳ですから、Vさんとの間に7歳の差があることになります。
13歳以上16歳未満の者に対して、5歳差以上の者が性行為をすると不同意性交等罪が成立しますので、AさんがVさんに同意を得ていたとしても、Aさんに不同意性交等罪が成立します。

不同意性交等罪と量刑

真剣な交際であったり、結婚を前提であったとしても、16歳未満の者に性行為を行った場合には、同意の有無にかかわらず、不同意性交等罪が成立する可能性があります。

不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。(刑法177条1項)
罰金刑の規定がありませんので、有罪になると執行猶予を得ない限り、刑務所に行くことになります。
また執行猶予は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときに情状により付けられます(刑法第25条1項)から、5年以上の有期拘禁刑を科される不同意性交等罪では執行猶予を得ることはかなり厳しいといえます。
だからといって、必ずしも不同意性交等罪執行猶予を得られないわけではありませんから、後の裁判に備えるためにも、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意性交等罪など性犯罪の弁護経験を豊富にもつ法律事務所です。
不同意性交等罪で捜査を受けている方、ご家族が逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ご相談ください。

9歳年下の15歳の少女と同意を得たうえで性行為をして逮捕された事例③

2024-09-24

9歳年下の15歳の少女と同意を得たうえで性行為をして逮捕された事例③

逮捕

前回のコラムに引き続き、15歳の少女と性行為したとして不同意性交等罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

24歳のAさんは奈良県香芝市に住む15歳のVさんとお付き合いをしていました。
AさんはVさんの同意を得てVさんと性行為を行いました。
Aさんとの性行為で妊娠してしまったのではないかと不安に思ったVさんが、母親にAさんと性行為をしたことを話したことでAさんの犯行が発覚し、Aさんは不同意性交等罪の疑いで奈良県香芝警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

勾留阻止と釈放

刑事事件では、逮捕後に勾留するかどうかの判断が行われます。
勾留されると、更に最長で20日間身体拘束が続くことになります。
勾留は犯人だと疑うに足りる相当な理由がある状態で、定まった住居がなかったり、証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合になされます。

今回の事例では、容疑者であるAさんと被害者のVさんはお付き合いをしていたようです。
であれば、AさんはVさんの連絡先は住所などを知っているでしょうから、AさんがVさんに接触することは容易であるといえます。
容疑者が被害者に供述内容を変更するように求める行為は証拠隠滅にあたります。
ですので、今回の事例のような加害者が被害者の連絡先等の個人情報を知っている場合には、証拠隠滅の疑いがあるとして、逮捕勾留されてしまう可能性が高いです。

とはいえ、今回の事例のAさんが必ずしも勾留されてしまうわけではありません。
弁護士は勾留の判断がなされるまで(逮捕後72時間以内)であれば、検察官や裁判官に勾留請求に対する意見書を提出することができます。
弁護士が意見書を提出し、家族が監視するなどAさんが証拠隠滅を行えない環境を整えていることを主張することで、Aさんの釈放を認められる可能性があります。

繰り返しになりますが、勾留請求に対する意見書を提出する場合には、裁判官が勾留の判断を行うまでの間に提出しなければならず、勾留の判断は逮捕後72時間以内に行われます。
裁判官は検察官が勾留請求した場合に勾留するかどうかの判断を行いますから、検察官が勾留請求をしないように求める場合には、裁判官に提出する前に意見書の提出を済ませておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
経験豊富な弁護士による身柄開放活動で、釈放を認めてもらえる可能性があります。
勾留を阻止して釈放を認めてもらうためには時間との勝負になりますから、ご家族が逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

9歳年下の15歳の少女と同意を得たうえで性行為をして逮捕された事例②

2024-09-17

9歳年下の15歳の少女と同意を得たうえで性行為をして逮捕された事例②

逮捕

前回のコラムに引き続き、15歳の少女と性行為したとして不同意性交等罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

24歳のAさんは奈良県香芝市に住む15歳のVさんとお付き合いをしていました。
AさんはVさんの同意を得てVさんと性行為を行いました。
Aさんとの性行為で妊娠してしまったのではないかと不安に思ったVさんが、母親にAさんと性行為をしたことを話したことでAさんの犯行が発覚し、Aさんは不同意性交等罪の疑いで奈良県香芝警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

不同意性交等罪と示談

刑事事件では、被害者と示談を締結することで加害者の有利にはたらくことがあります。
不同意性交等罪であっても同じで、被害者と示談を締結することで、不起訴処分執行猶予付き判決を得られる可能性や科される刑罰を少しでも軽くできる可能性があります。

今回の事例では、被害者は15歳であり未成年ですから、Vさん本人ではなく、Vさんの親権者と示談交渉をすることになるでしょう。
AさんとVさんの間で性行為について同意があったようですから、Vさん自身はAさんに対して処罰感情をもっていないかもしれません。
ですが、Vさんが未成年である以上、示談交渉の相手はVさんではなくVさんの親権者になり、示談交渉の相手であるVさんの親権者は、大切な娘が傷つけられたわけですから激しい処罰感情を抱いている可能性が非常に高いです。
ですので、Aさん本人がVさんの親権者に連絡を取ろうとしても拒絶される可能性が高いと考えられますし、連絡を拒絶されるだけでなく、連絡を取ろうとすることで証拠隠滅の疑いをかけられてしまう可能性もあります。
弁護士が介入することで、話を聞いてもらえる場合がありますので、示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。

また、仮に加害者自身で示談交渉を行って示談に応じてもらえることになった場合には、相手側に弁護士が付いていなければ、加害者本人が示談書面の作成をすることになるでしょう。
ですが、どういった内容の示談書面を作成すればいいのかわからない方がほとんどだと思います。
弁護士を介して示談交渉を行う場合には、弁護士が代理人となって示談書面を作成します。
自ら示談交渉を行う場合には何かと不安な事やわからないことが多いでしょうから、示談交渉を行う場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。

前回のコラムで解説したように、不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑です。(刑法第177条)
被害者と示談を締結することで、不起訴処分執行猶予付き判決を得られたり少しでも科される刑を軽くできる可能性がありますので、示談交渉でお悩みの方、不同意性交等罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ご相談ください。

9歳年下の15歳の少女と同意を得たうえで性行為をして逮捕された事例①

2024-09-10

9歳年下の15歳の少女と同意を得たうえで性行為をして逮捕された事例①

逮捕

15歳の少女と性行為したとして不同意性交等罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

24歳のAさんは奈良県香芝市に住む15歳のVさんとお付き合いをしていました。
AさんはVさんの同意を得てVさんと性行為を行いました。
Aさんとの性行為で妊娠してしまったのではないかと不安に思ったVさんが、母親にAさんと性行為をしたことを話したことでAさんの犯行が発覚し、Aさんは不同意性交等罪の疑いで奈良県香芝警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

不同意性交等罪

今回の事例では、24歳のAさんが9歳年下の15歳のVさんに対して性行為を行ったようです。
Aさんは性行為に関してVさんから同意を得ていたようなのですが、Aさんに不同意性交等罪は成立するのでしょうか。

刑法第177条
1項 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
2項 省略
3項 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

刑法第177条では不同意性交等罪を規定しています。
不同意性交等罪は、相手からの同意を得ていないのに性交等を行った場合はもちろんのこと、同意の有無にかかわらず13歳以上16歳未満の者に対して5歳以上年上の者が性交等を行った場合にも成立します。

今回の事例のVさんは15歳ですので、13歳以上16歳未満にあたりますし、Aさんの年齢は24歳であり、Vさんよりも9歳年上です。
ですので、今回の事例では、AさんがVさんに性行為について同意を得ていたとしても、Aさんが9歳年下の15歳であるVさんと性行為をしたのであれば、Aさんに不同意性交等罪が成立する可能性があります。

不同意性交等罪と量刑

不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。
懲役刑と禁錮刑が一本化されたものが拘禁刑になります。
ですので拘禁刑を科された場合には、刑務所に収容されることになります。

執行猶予という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、執行猶予は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときに情状により付けられます。(刑法第25条1項)
不同意性交等罪では5年以上の有期拘禁刑ですから、執行猶予付きの判決を得ることはかなり厳しいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は性犯罪などの刑事事件に精通した法律事務所です。
事件によって処分の見通しなども変わってきますから、不同意性交等罪でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881にて、24時間365日受け付けております。

商業施設の女性用トイレを盗撮し逮捕された事例②

2024-07-16

商業施設の女性用トイレを盗撮し逮捕された事例②

カメラ

女性用トイレで盗撮をしたとして性的姿態等撮影罪建造物侵入罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは奈良県大和郡山市にある商業施設の女性用トイレに侵入し、天井と個室ドアの隙間にスマートフォンを差し入れ個室を使用中の女性を盗撮しました。
盗撮に気づいた別の女性が警察に通報し、Aさんは奈良県郡山警察署の警察官に性的姿態等撮影罪建造物侵入罪の容疑で逮捕されたました。
(事例はフィクションです。)

建造物侵入罪

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

建造物侵入罪は簡単に説明すると、住居や邸宅以外の建物(建造物)に正当な理由や許可なく侵入すると成立する犯罪です。

大まかに説明すると、住居とは人が生活を送っている建物、邸宅とは生活を送るために建てられた建物で人が使用していないものを指します。
例えば、人が現在暮らしている家は住居にあたりますし、人が住んでいない家は邸宅にあたります。
この住居邸宅を除いた建物が建造物になります。

今回の事例では女性用トイレに侵入したことが問題になっているようです。
トイレは人が住むために建てられてはいませんので、事例の商業施設の女性用トイレは建造物にあたります。
また、盗撮は犯罪行為であり、盗撮をするために女性用トイレに入ることは認められないでしょうし、女性用トイレに侵入することの正当な理由にはならないでしょう。
ですので、今回の事例のAさんには性的姿態等撮影罪だけでなく、建造物侵入罪が成立する可能性があります。

逮捕と釈放

逮捕されると72時間以内勾留するかどうかの判断が行われます。
勾留が決定してしまうと、さらに最長で20日間勾留されることになります。
勾留中は当然外出はできませんから、会社や学校に行くことはできません。
長期間休むとなると、事件のことを隠し通すことは難しく、会社や学校に盗撮事件を起こしたことを知られてしまう可能性が高くなってしまいます。
会社や学校に盗撮事件のことを知られてしまうことで、解雇や退学になってしまうおそれがあります。

弁護士は検察官や裁判官に対して、勾留請求に対する意見書を提出することができます。
意見書を通じて釈放を求めることで、勾留されることなく早期釈放を実現できる可能性があります。
この意見書の提出は勾留の判断が行われるまで(逮捕後72時間以内)に提出する必要がありますから、勾留阻止を目指す場合には時間との勝負になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
盗撮事件建造物侵入事件逮捕された方、お困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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