仕事からの帰宅途中で背後から通行人の髪の毛を引っ張った事例①
背後から髪の毛を引っ張った事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
奈良県橿原市に住むAさんは仕事でうまくいかず、むしゃくしゃしていました。
帰宅途中に幸せそうに歩いているVさんを見かけ、Vさんに近寄り、背後からVさんの髪の毛を引っ張りました。
Vさんが叫び声をあげたため、Aさんは慌ててその場から逃げました。
その日の夜、Aさんは、Aさんの犯行が不審者情報として周知されたことを知り、Aさんは逮捕されないか不安になっています。
(事例はフィクションです。)
暴行罪
刑法第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪とは、人に暴行を加え、相手がけがをしなかった場合に成立する犯罪です。
暴行とは、不法な有形力の行使だと言われています。
暴行で思い浮かべるであろう殴る行為は暴行の典型例だといえます。
今回の事例では、AさんがVさんの髪の毛を背後から引っ張ったようです。
人の髪の毛を引っ張る行為は不法な有形力の行使だといえ、暴行にあたります。
VさんはAさんの暴行によるけがは負っていないようですから、Aさんには暴行罪が成立すると考えられます。
不安なときはどうしたらいい?
刑事事件で不安な場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士に相談をすることで、今後の処分の見通しなどを確認することができますし、少しでも不安を和らげられる可能性があります。
暴行罪では、有罪になると、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます。
Aさんに前科がなければ、いきなり懲役刑が科されることはないかもしれませんが、懲役刑を免れても有罪になってしまうと前科は付くことになります。
前科が付くことで、現在の仕事を辞めなければならなくなってしまう可能性もあります。
弁護士による弁護活動で不起訴処分を得られる可能性があります。
不起訴処分とは、起訴しない処分のことをいいますので、不起訴処分を得られれば刑罰を科されることはありませんし、前科も付きません。
不起訴処分の獲得を目指す弁護活動として、示談交渉、取調べ対策などが挙げられます。
おそらくAさんはVさんの連絡先を知らないでしょうから、示談交渉はVさんの連絡先を手に入れるところから始めなければなりません。
証拠隠滅や被害者保護の観点から、Aさんには被害者情報を教えてもらえない可能性がありますし、何より、被害者であるVさんがAさんと連絡を取りたくないと考えている可能性が非常に高いです。
加害者が直接被害者と連絡を取ることで証拠隠滅を疑われる可能性もあります。
弁護士が間に入ることで、円滑に示談が進む可能性がありますから、示談交渉は弁護士を介して行うことをおすすめします。
また、取調べが不安な方も多いのではないでしょうか。
弁護士と事前に取調べ対策を行い、供述内容を整理しておくことで、取調べへの不安を取り除けたり不利な証拠の作成を防げるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
暴行事件などの刑事事件でご不安な方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。