【事例紹介】腹膜炎で死亡させた事例②~傷害致死と釈放~

前回のコラムに引き続き、お腹を圧迫して腹膜炎で死亡させたとして、傷害致死罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

交際相手の子どもに暴行を加えて死なせたとして、奈良県警は(中略)容疑者(中略)を傷害致死の疑いで逮捕し、発表した。調べに対し「全く身に覚えはありません」と話しているという。
捜査1課によると、(中略)容疑者は(中略)奈良県橿原市曽我町の(中略)さん(当時4)に腹を圧迫する暴行を加え、19日に死亡させた疑いがある。死因は十二指腸に穴が開き、腹膜炎が生じたというものだった。
(後略)
(9月6日 朝日新聞デジタル 「4歳児の腹を圧迫し死なせた疑い 母親の交際相手を逮捕 奈良・橿原」より引用)

傷害致死罪と釈放

刑事事件では、逮捕されたとしても釈放が認められれば家に帰ることができます。
ではどういった場合に釈放が認められるのでしょうか。

刑事訴訟法第60条1項では、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で次の3つのうち1つでも当てはまれば、勾留することができると規定しています。
①被告人が定まった住居を有しないとき。
②被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
③被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

逆に言えば、上記の①~③に当てはまらない場合には、釈放が認められることになります。

今回の事例では、容疑者が交際相手の娘に暴行を加えて死なせたとして傷害致死罪の容疑で逮捕されています。
被害者は容疑者の交際相手の娘ですので、この交際相手は重要参考人であることが予想されます。
証拠と聞くと犯行に使用したものなどを思い浮かべる方が多いとは思いますが、取調べなどで話す内容も証拠となります。
容疑者は交際相手の住居や連絡先を知っているでしょうから、連絡を取ることは容易であると考えられます。
供述内容を変えるように働きかけることも証拠隠滅になりますから、今回の事例では証拠隠滅のおそれがあると判断される可能性が高いです。

また、今回の事例では、容疑者が容疑を否認しています。
否認事件では、容疑を認めている事件に比べて事件の捜査に要する時間が長くなりますので、勾留の決定など身体拘束期間が長引く可能性があります。
加えて、人が亡くなっている事件では、科される刑罰が重くなることが予想されることから、逃亡する可能性が高いと判断される可能性もあります。

弁護士は勾留の判断について、勾留が決定されるまでの逮捕後72時間以内であれば検察官や裁判官に意見書を提出することができます。
意見書勾留されることでの不利益や、家族の監視監督により証拠隠滅逃亡のおそれがないことを主張することで、釈放が認められるかもしれません。

また、勾留が決定した後でも、裁判所に対して準抗告の申し立てを行えます。
準抗告の申し立てを行うことで、釈放が認められる場合もありますので、釈放を望んでおられる方は、一度弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が意見書の提出や準抗告の申し立てを行い、勾留されて困ることや証拠隠滅逃亡のおそれがないことを主張することで、釈放を認めてもらえる可能性があります。
勾留されるかどうかは逮捕後72時間以内に判断されます。
意見書の提出はこの勾留が判断されるまでの72時間以内に行わなければなりません。
釈放にむけた弁護活動は時間との勝負になりますので、釈放を考えている方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

次回のコラムでは、傷害致死罪と殺人罪について解説します。

 

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