介護殺人で執行猶予を目指す

介護殺人で執行猶予を目指す

介護殺人での執行猶予について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
奈良県吉野郡吉野町に住むAは母親の介護をしながら、二人で暮らしていました。
あるとき、Aは将来への不安や介護疲れから母親の首を絞めて殺害してしまいました。
Aは自ら奈良県吉野警察署に連絡し、駆けつけた警察官に逮捕されることになりました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの姉は刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
話を聞いた弁護士は執行猶予を目指して活動していくことにしました。
(この事例はフィクションです)

介護殺人

日本は現在、高齢化社会と呼ばれ、高齢者の割合が増えていっています。
この高齢化社会で問題となってくるのが、介護についてです。
子が親と暮らしながら、介護していくという状況や配偶者の介護をしていく老々介護という状況も多く見られています。
こういった現状の中で介護のストレスなどから介護している相手を殺害してしまうという介護殺人と呼ばれるケースの殺人事件も多く見られるようになってきました。
このような介護殺人の場合、状況によっては情状による減軽が認められることもあります。
そして殺人事件を起こしてしまった場合については減軽が認められなければ、執行猶予を得ることもできないのです。

執行猶予

執行猶予については刑法の25条、27条の2に規定されており、執行猶予にすることの条件についても規定されています。

1.以前に禁錮以上の刑に処せられたことがないか、あるいは禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行の終了又はその執行の免除(執行猶予の場合はそれを受けた時)を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられていない者が言い渡された刑が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金であるとき

2.前に禁錮以上の刑に処せられたがその執行を猶予されている者(保護観察に付されている場合はその保護観察期間内に更に罪を犯していない者であること)が言い渡された刑が1年以下の懲役または禁錮であるとき
いわゆる「再度の執行猶予」

ここで殺人罪についてみてみると、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」が法定されています。
懲役刑の言い渡しであったとしても5年以上とされているため、刑が減軽されなければ、執行猶予はつかないことになってしまいます。
そこで、重要となってくるのが、情状による刑の減軽です。

情状による刑の減軽

一般に情状酌量といわれる酌量減軽については刑法の第66条に規定されており、「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」とされています。
そして、減軽が認められた場合は刑の長期と短期の2分の1を減ずると刑法第68条に規定されているのです。
殺人罪は5年以上の懲役が規定されているので、懲役刑の場合の法定刑の範囲は5年以上20年以下の懲役となります。
ここで減軽が認められ半減されることになれば、2年6月以上10年以下の範囲で言い渡されることになり、執行猶予が認められる可能性が出てきます。
また今回の状況であれば、Aに自首が認められる可能性もあります。
自首によっても減軽される可能性があります。
こういった量刑に関する見通しについては、専門的な知識が必要となってきますので、無料法律相談や初回接見を利用して専門家である弁護士の見解を聞くようにしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
特に、ご家族が逮捕されてしまった場合にはすぐに初回接見を依頼するようにしましょう。
弁護士がご本様の下まで向かいます。
無料法律相談、初回接見のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。

 

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