盗撮が児童ポルノに

盗撮が児童ポルノに

盗撮事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
奈良県天理市の小学校で教師をしているAは、ある当直勤務の日に女子トイレに侵入し、小型のカメラを仕掛けました
そして、次の当直勤務の日に回収しようとしましたが、カメラは回収されてしまっていました。
翌日、さっそく問題となってしまい、カメラに設置する際の映像も残っていたことから、Aは奈良県天理警察署に逮捕されることになってしまいました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの家族は盗撮事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです。)

奈良県での盗撮による条例違反

盗撮行為については、基本的に各都道府県に規定されている迷惑行為防止条例違反となります。
各都道府県で規定されているため、痴漢や盗撮といった行為に関する条文も微妙に違っており、罰則も都道府県によって違います
今日は奈良県の盗撮行為に関する条文を見てみましょう。
まず公共の場所や乗り物での行為についての規定です。

条例第12条の第1項第2号
「着衣等の全部若しくは一部を着けないでいる他人の姿態若しくは着衣で覆われている他人の下着若しくは胸部等の身体をのぞき見し、又は写真機等を使用して、その映像を記録する行為であつて卑わいなもの」

さらに第2項では公共の場所以外での盗撮行為についても規定しています。

第1号
「公共の場所及び公共の乗物以外の場所から、写真機等を使用して、透視する方法により、公共の場所にいる他人若しくは公共の乗物に乗つている他人の下着若しくは胸部等の身体を見、又はその映像を記録すること。」

第2号
「写真機等を使用して、住居、浴場、更衣室、便所その他の人が着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(公共の場所及び公共の乗物を除く。)に当該状態でいる他人の姿態の映像を記録すること。」

罰則については同じ「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が規定されています。
しかし、その盗撮の内容や場所によっては違う法令が適用される可能性があります。

盗撮行為で児童ポルノ製造となるか

今回のAは小学校のトイレを盗撮していますので、児童買春、児童ポルノ法で禁止されている児童ポルノの製造にあたる可能性もあります。

児童ポルノについても法律上に規定があります。

「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

今回の事例のAは、小学生の排泄シーンを盗撮していますので、第3号の児童ポルノにあたり、児童買春、児童ポルノ法違反となる可能性があるでしょう。
ただ、盗撮の被害者が18歳未満であれば、必ず児童買春、児童ポルノ法違反となるというわけではありません。
また、今回のAは、女子トイレに侵入していることから建造物侵入となる可能性もあります。
このように盗撮行為はさまざまな法令に触れる可能性がありますので、盗撮行為をしてしまったという方は専門家である弁護士の見解を聞くようにしましょう。


弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件、盗撮事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
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