電車内での痴漢も強制わいせつに

電車内での痴漢も強制わいせつに

痴漢と強制わいせつについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAは年始の休暇を利用して、実家である奈良県天理市に帰省していました。
電車で移動していましたが、電車は満員電車になっていました。
そこで、Aは前に立っていた女性の胸を触りたい衝動が抑えられなくなり、ゆっくりと触ってしまいました。
女性に嫌がる素振りがないと感じたAは、さらに行為をエスカレートし、女性のスカートの中に手を入れて下着までずらして女性の性器を弄んでいました。
女性の異変に気付いた周りの乗客が痴漢行為に気付き、Aは取り押さえられてしまいました。
Aは駅員からの通報で駆け付けた奈良県天理警察署の警察官に強制わいせつの疑いで逮捕されることになってしまいました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの両親は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
(この事例はフィクションです。)

痴漢

奈良県の公共の場所において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせる方法で直接人の身体に触れる痴漢行為については、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反となります。
痴漢の罰則は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が規定されています。(常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」)
代表的な電車など公共の乗り物内で行われた痴漢については、基本的に条例違反となるのです。

強制わいせつ罪

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をしたり、13未満の者に対してわいせつな行為をすれば刑法第176条に定められている強制わいせつ罪となります。
強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」です。

今回のAは、電車内での痴漢をしてしまいましたが、強制わいせつ罪の疑いで逮捕されることになってしまいました。

「痴漢」と「強制わいせつ罪」の違い

強制わいせつ罪でいう、わいせつな行為とは「性欲の刺激を目的とする行為であって、他人に羞恥の感情を抱かせる行為」だと定義されています。
痴漢行為における人の身体に触れる行為も、犯行現場の状況や、犯行形態によっては強制わいせつ罪に問われる場合があります。
それでは人の身体に触れるという行為で、「痴漢」と「強制わいせつ罪」の境界はどの程度のものでしょうか。
明確な境界はありませんが、過去に起こった事件を参考にすると、今回の事例のように下着の中に手を入れて直接性器や臀部に触れると「強制わいせつ罪」が適用される可能性が高くなります。
また、痴漢容疑で取調べを受けていた場合でも、容疑を否認した場合は「強制わいせつ罪」で調べられていくといったこともあります。
「痴漢」と「強制わいせつ罪」では法定刑が大きく異なり、初犯の場合、痴漢ですと、起訴されても略式罰金の可能性が高いですが、強制わいせつ罪には罰金刑の規定がありませんので、起訴されてしまうと正式裁判をうけることになり、実刑の可能性のある非常に厳しいものです。


奈良県天理市の刑事事件でお困りの方、痴漢行為が強制わいせつ罪に問われている方は、刑事事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
ご家族等が逮捕された場合に弁護士を派遣する初回接見も受け付けております。
刑事事件ではお早めの対応が後悔のない事件解決へとつながっていくので、特にご家族が逮捕されたという連絡を受けたらすぐに、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼するようにしましょう。
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