9歳年下の15歳の少女と同意を得たうえで性行為をして逮捕された事例②
前回のコラムに引き続き、15歳の少女と性行為したとして不同意性交等罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
24歳のAさんは奈良県香芝市に住む15歳のVさんとお付き合いをしていました。
AさんはVさんの同意を得てVさんと性行為を行いました。
Aさんとの性行為で妊娠してしまったのではないかと不安に思ったVさんが、母親にAさんと性行為をしたことを話したことでAさんの犯行が発覚し、Aさんは不同意性交等罪の疑いで奈良県香芝警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
不同意性交等罪と示談
刑事事件では、被害者と示談を締結することで加害者の有利にはたらくことがあります。
不同意性交等罪であっても同じで、被害者と示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を得られる可能性や科される刑罰を少しでも軽くできる可能性があります。
今回の事例では、被害者は15歳であり未成年ですから、Vさん本人ではなく、Vさんの親権者と示談交渉をすることになるでしょう。
AさんとVさんの間で性行為について同意があったようですから、Vさん自身はAさんに対して処罰感情をもっていないかもしれません。
ですが、Vさんが未成年である以上、示談交渉の相手はVさんではなくVさんの親権者になり、示談交渉の相手であるVさんの親権者は、大切な娘が傷つけられたわけですから激しい処罰感情を抱いている可能性が非常に高いです。
ですので、Aさん本人がVさんの親権者に連絡を取ろうとしても拒絶される可能性が高いと考えられますし、連絡を拒絶されるだけでなく、連絡を取ろうとすることで証拠隠滅の疑いをかけられてしまう可能性もあります。
弁護士が介入することで、話を聞いてもらえる場合がありますので、示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。
また、仮に加害者自身で示談交渉を行って示談に応じてもらえることになった場合には、相手側に弁護士が付いていなければ、加害者本人が示談書面の作成をすることになるでしょう。
ですが、どういった内容の示談書面を作成すればいいのかわからない方がほとんどだと思います。
弁護士を介して示談交渉を行う場合には、弁護士が代理人となって示談書面を作成します。
自ら示談交渉を行う場合には何かと不安な事やわからないことが多いでしょうから、示談交渉を行う場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。
前回のコラムで解説したように、不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑です。(刑法第177条)
被害者と示談を締結することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を得られたり少しでも科される刑を軽くできる可能性がありますので、示談交渉でお悩みの方、不同意性交等罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。