クラウドファンディングを悪用した詐欺未遂で逮捕

クラウドファンディングを悪用した詐欺未遂で逮捕

クラウドファンディングを悪用した詐欺未遂で女性が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

クラウドファンディングを悪用した資金調達で逮捕

本年1月13日に報道された内容をまとめると、奈良県高田警察署に逮捕された女性は、昨年8月にすでに亡くなっている犬が、いまだ生存し闘病生活を送っているかのように装い、治療費名目の支援金を、クラウドファンディングを運営する会社のホームページを通じて募りました。
その結果、合計374人から合計184万円が運営会社のもとに集まったようです。
しかし運営会社から女性のもとに支援金が支払われる前に事件が発覚し、支援金は、運営会社から支援者に対して返金されていますが、もし今回の事件が発覚していなければ、支援された184万円から手数料を差し引いた約154万円が女性のもとに支払われる予定だったようです。
(1月13日の報道各社の記事を参考にしています。)

弁護士の見解

今回の事件を聞いた時、率直に、世の中に存在する人々の善意を悪用した非常に悪質な手口だと思いました。
クラウドファンディングは、自分の善意を世の中の困っている人たちに手軽に届けることができる非常にすばらしいシステムで、数年前に脚光を浴びてからは利用者が増えていると聞きます。
実際にクラウドファンディングを利用して助けられた方々も多く、今後も様々な分野で幅広く利用されることが予想されるので、クラウドファンディングを運営する会社では、さらなる管理システムを構築し、利用者が安心できるサービスを提供する必要があるでしょう。

詐欺未遂罪について

逮捕された女性の容疑は「詐欺未遂罪」です。
詐欺罪とは、他人から金品を騙し取ることで成立する犯罪です。
詐欺罪が成立するには

①相手を騙す(欺罔行為)
   ↓
②相手が騙される(錯誤)
   ↓
③相手に金品を交付させる

という最低でも3つの行為が必要となります。
そしてこの3つの行為が一つでも欠ける場合、詐欺罪は成立しませんが、詐欺未遂罪が成立してしまう可能性があります。
今回の事件は、運営会社から逮捕された女性にお金が支払われなかったので詐欺未遂罪にとどまったのでしょう。
詐欺未遂罪の法定刑は詐欺罪と同じく「10年以下の懲役」ですが、今回のような未遂事件の場合、実質的な金銭被害がないので、減軽される可能性が高いです。
とはいえ、人の善意につけこんだ悪質な犯行であることから、犯情が悪質と判断されるのは間違いないでしょう。

詐欺未遂罪で逮捕されたら

今回のような詐欺未遂事件で警察に逮捕されると、48時間以内の留置を経て、最長で20日まで勾留される可能性が考えられます。
勾留期間中は、警察署等の留置施設で身体拘束を受ける事となり、警察や検察官の取調べに応じなければいけません。
そしてこの勾留期間中に検察官が起訴するか、不起訴にするかを判断します。
不起訴になればその時点で刑事手続きが終了しますが、起訴された場合、その後の手続きは裁判所にうつされ、公開される刑事裁判で刑事処分が言い渡されます。
罰金刑の規定のない詐欺未遂罪で起訴されて刑事裁判になれば、無罪判決か執行猶予付きの得ない限りは刑務所に服役しなければいけません。

刑事手続きの流れについては
⇒こちら
で詳しく解説しています。


奈良県大和高田市の刑事事件に強い弁護士

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