以下では、奈良県での犯罪の認知・検挙件数、検察庁での終局処分、地裁での判決内容、家庭裁判所での処分内容を記載しています。
平成29年奈良県市別犯罪認知状況
刑法犯 総数 |
殺人・ 強盗 |
傷害・暴行 | 侵入盗 | 自動車・ 自転車盗 |
車上・部 品ねらい |
特殊詐欺 | |
奈良 | 2547 | 11 | 130 | 193 | 488 | 223 | 59 |
大和高田 | 478 | 0 | 13 | 32 | 104 | 48 | 7 |
大和郡山 | 650 | 2 | 32 | 47 | 119 | 95 | 12 |
天理 | 558 | 0 | 26 | 31 | 161 | 69 | 3 |
橿原 | 1173 | 3 | 54 | 61 | 248 | 143 | 12 |
桜井 | 369 | 2 | 18 | 34 | 60 | 41 | 3 |
五條 | 186 | 0 | 7 | 17 | 19 | 18 | 2 |
御所 | 162 | 1 | 7 | 16 | 25 | 32 | 4 |
生駒 | 560 | 4 | 34 | 58 | 60 | 102 | 22 |
香芝 | 435 | 1 | 39 | 39 | 98 | 46 | 6 |
葛城 | 189 | 0 | 4 | 16 | 35 | 27 | 1 |
宇陀 | 240 | 0 | 11 | 22 | 16 | 17 | 3 |
(http://www.police.pref.nara.jp/cmsfiles/contents/0000000/452/2912kakuteisicyouson.pdf)
これは、奈良県の市部で発生した犯罪について、犯罪類型ごとに認知人数を調査したものになります。奈良県の市部の中では、奈良市に次いで橿原市での刑法犯発生件数が多いことが分かります。
平成29年奈良県犯罪認知状況
刑法犯 総数 |
殺人・ 強盗 |
傷害・ 暴行 |
侵入盗 | 自動車 ・自転車盗 |
車上・ 部品ねらい |
特殊詐欺 | |
市部計 | 7547 | 24 | 375 | 566 | 1433 | 861 | 134 |
郡部計 | 1481 | 8 | 75 | 144 | 225 | 232 | 24 |
合計 | 9052 | 32 | 450 | 710 | 1658 | 1093 | 158 |
(http://www.police.pref.nara.jp/cmsfiles/contents/0000000/452/2912kakuteisicyouson.pdf)
これは、奈良県全体での犯罪認知件数をまとめたものです。市部に比べて郡部(町村部)で発生した犯罪件数は約5分の1程度となっています。犯罪別では侵入盗や自動車・自転車盗など窃盗犯が大半を占めていますが、殺人・強盗などの重大犯罪も30件を超えて発生していることが分かります。
平成29年検察庁受理人数(道路交通法等違反被疑事件を除く)
総数 | 旧受 | 新受 | |||||
計 | 通常受理 | 他の検察庁から | 家庭裁判所から | 再起 | |||
奈良地 検区検 合計 |
8656 | 106 | 8550 | 7924 | 600 | 15 | 11 |
奈良地検本庁 | 1517 | 73 | 1444 | 1291 | 138 | 9 | 6 |
葛城支部 | 895 | 15 | 880 | 730 | 144 | 6 | – |
五條支部 | 154 | 3 | 151 | 122 | 28 | – | 1 |
(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250003&tstat=000001012929&cycle=7&year=20170&month=0)
こちらは、奈良地検区検での、事件受理件数を、受理原因ごとに見たものになります。
区検とは、道路交通法違反被疑事件のような、地検よりも軽微な事件を取り扱う検察庁になります。これを見ると、奈良地検での、事件受理が、葛城支部、五條支部に対して、圧倒的に多いことが分かります。
平成29年検察庁処理人数(道路交通法等違反被疑事件を除く)
既済 総数 |
起訴 | 不起訴 | 中止 | 他の検察庁に移送 | 家庭裁判所に送致 | 未済 | ||||||
計 | 公判請求 | 略式請求 | 計 | 起訴猶予 | 嫌疑不十分 | その他 | ||||||
合計 | 8336 | 1673 | 718 | 955 | 5589 | 4954 | 521 | 114 | 2 | 550 | 522 | 301 |
奈良地検 | 1342 | 387 | 387 | – | 464 | 253 | 177 | 34 | – | 214 | 277 | 166 |
葛城支部 | 850 | 260 | 260 | – | 283 | 180 | 91 | 12 | – | 89 | 218 | 41 |
五條 支部 |
133 | 45 | 45 | – | 45 | 25 | 17 | 3 | – | 16 | 27 | 20 |
(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250003&tstat=000001012929&cycle=7&year=20170&month=0)
これは、奈良地検区検での、終局処分の統計を調査したものになります。これを見ると、検察官が受理した事件であっても、起訴されず、不起訴処分となることも多いことや、起訴処分においても、半分近くは略式請求となること、不起訴処分の大半が、起訴猶予処分となっていることが分かります。なお、地検での略式請求処分が無いのは、略式請求は、区検での取り扱いとなるからです。
平成28年度刑法犯裁判所受理件数(奈良地裁管内総数)
新受 | 既済 | 未済 | |
訴訟事件 | 728 | 805 | 200 |
略式事件 | 3075 | 3067 | 85 |
( http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/381/009381.pdf)
これは、奈良地裁管轄での、刑法犯受理件数になります。これを見ると、訴訟事件よりも略式事件の方が圧倒的に多く、訴訟事件の約4倍の事件が略式手続で終了していることが分かります。
平成29年少年事件新受人員数
総数 | 保護事件総数 | 一般保護事件総数 | |
総数 | 74755 | 73353 | 56386 |
奈良家庭裁判所 | 862 | 853 | 641 |
(http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/078/010078.pdf)
こちらは、全国の家庭裁判所で平成29年に受けた少年事件の総数と奈良家庭裁判所管内で同年に受けた少年事件の総数を比較したものです。奈良で受けた少年事件は全国的に見るとかなり少数ですが、保護事件の中に占める一般保護事件の割合は全国的な傾向と類似していることが分かります。
平成29年地方裁判所刑事訴訟事件の種類及び終局区分別既済人員(全地方裁判所)
事件 | 総数 | 有罪 | 一部執行猶予 | うち保護観察 | 全部執行猶予 | うち保護観察 | 無罪 | 免訴 | 控訴棄却 | 管轄違い | その他 | 同一被告人事件への併合 |
通常第一審 | 69295 | 49335 | 1503 | 1496 | 29121 | 2203 | 110 | 1 | 139 | – | 1005 | 18705 |
裁判員 | … | 944 | 4 | 4 | 209 | 108 | 20 | 1 | … | … | 1 | … |
再審 | 1 | – | – | – | – | – | 1 | – | – | – | – | – |
(http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/928/009928.pdf)
これは、地方裁判所全体での、判決主文の統計調査です。これを見ると、起訴された事件から、既に起訴された事件に併合されたものを除くと、そのほとんどが有罪判決が下されていることが分かります。無罪判決が下されたものは、110件と、判決総数の0.15%程度と非常に少ないです。
平成29年少年保護事件の終局決定及び簡易送致事件別既済人員 家庭裁判所別
総数 | 検察官送致 | 保護処分 | 知事又は児童相談所長へ送致 | 不処分 | 審判不開始 | 移送・回付 | 従たる事件 | 総数のうち簡易送致事件 | ||||
刑事処分相当 | 年齢超過 | 保護観察 | 児童自立支援施設又は児童養護施設へ送致 | 少年院へ送致 | ||||||||
全国 | 74441 | 2526 | 1472 | 14540 | 166 | 2193 | 159 | 13460 | 28587 | 6218 | 5120 | 8656 |
奈良 | 849 | 21 | 20 | 149 | 1 | 26 | 1 | 201 | 223 | 160 | 47 | 89 |
(http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/085/010085.pdf)
こちらは、家庭裁判所での、少年事件の終局決定の統計調査です。奈良での少年事件取扱数は、全国での87分の1程度です。このうち刑事処分相当の事件は21件と奈良の少年事件総数の40分の1程度ですが、刑事処分相当とは、事件が悪質で、検察庁で取り扱うことが相当とされる事案について、家庭裁判所から検察官の下へ事件を逆送し、保護事件ではなく成人と同様の刑事事件として扱うことにする決定ですので、非常に重い処分であるといえます。