大麻

~大麻とは~

大麻は、大麻草から作られるもので、煙草のように細く刻んだものや、葉などから取れる樹液を圧縮し、固形状に固めた大麻樹脂があります。これらを溶剤で溶かし抽出した大麻加工品などもあり、マリファナ、ハッパ、チョコ、ハシッシュ、ガンジャなどとも呼ばれています。

 

~大麻の危険性~

1 知覚機能への影響

大麻を使用すると感覚が鈍くなったように感じ、物の細部がよく見え、音や色彩が鮮やかに感じられ、時間が遅く感じられたりします。また、使用時の状態によっては、不安感や恐怖に襲われパニック状態になることもあります。大量使用では、幻覚などを伴う精神病状態が現れることがあります。

 

2 大麻精神病

大麻の使用が、稀に、大麻誘発性精神病性障害(いわゆる大麻精神病)を誘発することがあり、とくに遺伝的な要因を持つ人では、危険が大きいといわれます。

 

3 短期記憶、学習機能への影響

短期記憶を保持する海馬の機能が一時的に損なわれることで、学習能力に影響を及ぼします。とくに大量使用すると認知機能が著しく損なわれます。

 

4 運動機能への影響

身体のバランスが取れなくなったり、資源に対する反応が遅れたりするので、機械の操作や車の運転、運動競技などに影響が現れます。大麻を使用して多幸感が消えた後も、8~12時間にわたって運動機能への影響は持続します。

 

5 身体的な影響

大麻を喫煙することによって、肺や呼吸器が損傷され、がんのリスクが高まると言われています。

 

6 覚せい剤への入り口

かつて、シンナーが違法薬物への入り口として機能していましたが、大麻についても、覚せい剤等の、より深刻な害をもたらす違法薬物への入り口として機能する側面があると言われています。

 

麻薬及び向精神薬取締法

大麻の輸入、輸出、所持、譲り受け、譲り渡しなどの行為の他、犯罪に必要な資金や場所、原材料を提供する行為などについて、罰則を科せられています。

この法律では、「麻薬」の中に大麻が含まれていますので、本来の条文の表現とは異なりますが、今回は分かりやすいように「大麻」に置き換えて記載します。

 

1 輸入、輸出

大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する(大麻取締法第24条第1項)。

これらの行為を営利の目的で行った者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する(大麻取締法第24条第2項)。

 

2 所持、譲受け、譲渡し

大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、7年以下の懲役に処する(法第66第1項)。

これらの行為を営利の目的で行った者は、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する(法66条2項)。

 

3 施用(使用)

大麻を使用した場合は、法66条の2により、7年以下の懲役に処することになっています。これまで大麻の使用の罪はありませんでしたが、今回の改正で使用(施用)が犯罪となりました。

 

 ~栽培~

大麻草の栽培のみ、「大麻草の栽培に規制に関する法律」という別の法律で規制されています。

大麻草をみだりに栽培した場合には1年以上10年以下の懲役、営利目的の場合には1年以上の有期懲役となっています。

 

~弁護活動の例~

1 執行猶予・一部執行猶予獲得のための活動

麻薬及び向精神薬取締法違反の量刑に影響する事情としては、所持量、営利性、常習性、同種前科の有無、再販可能性の有無の他、監督者の存在や薬物犯罪を再びしないような環境が構築されているかが挙げられます。

初犯の事件の場合、再発防止策を講じることで執行猶予になる可能性はあります。しかし、繰り返し薬物犯罪を起こしている場合には、厳しい判決が予想されます。

執行猶予判決の獲得へ向け、被疑者本人の真摯な反省や薬物依存症への治療、家族などの監督環境を整える等して、社会の中で更生するべきであることを説得的に主張していきます。

薬物事犯においては、薬物の依存症となっている方が多く、治療やカウンセリングにつなげ、薬物を止められる環境を作ることが大切です。

なお、複数の同種前科があるような場合、全部執行猶予を求めるのは難しいため、宣告系の一部の期間は刑務所に入るものの、残りの期間は保護観察の下で、執行が猶予されるという一部執行猶予を求めるのが現実的と考えられます。

 

2 身柄解放活動

麻薬及び向精神薬取締法違反事件の場合、逮捕から勾留、起訴、起訴後勾留と身柄拘束が長期化しやすいといえます。大麻の入手ルート、共犯者などについて証拠隠滅をしやすいことなどがその理由とされています。

しかし、長期の身柄拘束は、その後の社会復帰にも悪影響を及ぼします。

全部自白し、既に捜査が満了しているのに、身体拘束が続いていたりするようなケースでは、身体拘束するための要件を満たさなくなったと主張していくことになります。

 

3 無罪主張

よくある主張として、犯行当時、大麻が違法薬物であることの認識がなかったというものがあります。特に多いのが、譲り受ける際、業者や友人から脱法ハーブだと教えられたというものです。

しかし、業者や友人が、大麻を、脱法ハーブと偽って譲渡する合理的な理由は通常ありませんので、それを言ったからといって、直ちに捜査機関や裁判所に対して通じる主張とはいえません。

大麻などの薬物の存在に気づいていなかった・違法薬物であることを認識していなかった場合には、そのような事情を客観的な証拠に基づいて主張・立証します。こうした主張が認められた場合、大麻所持などの犯罪が成立しないとして不起訴処分や無罪判決を得られる可能性があります。不起訴処分を受けると、前科が付きませんので、早期に社会復帰することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に扱う事務所として、刑事事件の経験が豊富な弁護士・スタッフが在籍しておりますので、麻薬及び甲セイン訳取真理法違反についてのご相談がございましたら、弊所にご相談ください。

 

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