交際している15歳の子どもと性行為したとして不同意性交等罪で逮捕された事例④
不同意性交等罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
奈良県橿原市に住む22歳のAさんは、近所に住む15歳のVさんと交際しています。
AさんはVさんに性行為に対して同意を取り、同意を得たうえで性行為に及びました。
1か月後、生理が来ないことで心配になったVさんが母親に相談をしたことで、Vさんの母親がAさんとVさんの関係性を知り、奈良県橿原警察署に被害届を出しました。
数日後、Aさんの家に奈良県橿原警察署の警察官が来て、不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
執行猶予付き判決の獲得
不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。(刑法177条1項)
ですので、不同意性交等罪で有罪になると必ず拘禁刑が科されることになります。
拘禁刑では刑務所に行かなければなりませんが、刑務所に行くことは避けたいと思われる方がほとんどだと思います。
前回のコラムでは、不起訴処分の獲得に向けた弁護活動をご紹介しましたが、不起訴処分を獲得できなかった場合には刑務所に行かなければならないのでしょうか。
刑事事件では、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、刑の執行が猶予されることがあります。(刑法第25条1項)
この制度を執行猶予といいます。
以前のコラムでも解説しましたが、5年以上の有期拘禁刑を科される不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得ることはかなり厳しいといえます。
とはいえ、絶対に不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得られないわけではありません。
前回のコラムで示談を締結することで不起訴処分の獲得に有利にはたらく可能性があると解説しました。
示談を締結したが起訴された場合や起訴後に示談を締結できた場合には、示談の締結が執行猶予付き判決の獲得に有利にはたらく可能性があります。
ただ、前回も解説したように、加害者本人からの連絡は取りたくないと思われる被害者も多いため、加害者本人が直接連絡を取ることはおすすめできません。
ですので、示談交渉を行う場合には、弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。
また、執行猶予付き判決を獲得するためには、Aさんにとって有利な証拠を集め、不利な証拠の作成を防ぐことが重要になります。
証拠というと物的証拠をイメージされる方が多いかと思いますが、加害者であるAさんや被害者であるVさんの供述なども重要な証拠となります。
捜査段階において、Aさんは警察官や検察官から取調べを受けることになります。
取調べではAさんの供述内容を基に供述調書を作成されます。
一度作成された供述調書は修正することは容易ではありませんので、捜査官に誘導されるがまま事実とは異なる内容の供述はしないこと、意に反した内容の供述調書には署名・押印しないことが重要になります。
とはいえ、初めての経験で不安な中、Aさんの不利にはたらく供述調書の作成を防ぐことは難しいかと思います。
事前に弁護士と話し合い、取調べ対策を講じておくことで、Aさんの不利にはたらく供述調書の作成を防げる可能性があります。
また、取調べへの不安を少しでも和らげる可能性がありますので、取調べを受ける際は弁護士に相談をすることをおすすめします。
繰り返しになりますが、不同意性交等罪では執行猶予付き判決を得ることはかなり厳しいといえます。
ですが、不同意性交等罪でも執行猶予付き判決を獲得できる場合がありますので、今後の処分の見通しを確認するためにも、一度、刑事事件に精通した弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
ご家族が不同意性交等罪で逮捕された方、取調べでご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。